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見た目問題

独り身が珍しくない世の中であれど、
何となく肩身の狭さを感じるのは
心の歪みだろうか。

昔からモテたいわけではないが
モテる人に対して何となく劣等感は持っていた。
(こんな文章を綴っている時点でモテないことはお察しだ)

よくモテる、ということは
それだけ自分の存在意義が世の中にある、
ということとほぼ同義な感じがする。
自分が存在してていい、
という自信になるんだろうなあと思っていた。

美しい容姿の人はモテる。常に、自分を愛してくれる恋人がいたりする。
まあ実際恋愛なんて辛いこともかなり
多いものだが、それでも寄り添う人がいれば
生きることに前向きにはなれるだろう。
その容姿で人を虜にし、引く手あまたであれば
自分という存在を認めてあげられるだろう。

鏡を見ては、美人に生まれたかったなぁと
10代から20代前半までは心から思った。
(まあ正直今も思わなくはない。)
美人なら、人から必要とされるだろう。
美人なら、いろんなことを許してもらえるだろう。なんてことをよく考えた。
私は何もないから、多方面での努力しか生き残る術はないよな、とため息をつきながら。

ただ、ある時思った。
自分を大切にしてくれる人がいて生活が順調でも、その愛情がもし容姿ありきのものだとしたら
それがなくなった時どうなるのだろう。

容姿は変わる。人間誰でも必ず老化するからだ。
若い時に息を呑むような美しさを持っていても
その姿を生涯キープできるわけではない。
それ以外にも、様々な要因で容姿は変わってしまう。
辛い思いをしている時や疲れ果てた時は
暗い表情や、やつれた顔になってしまう。
必死の形相になることもある。
化粧なんてできない日もある。
生きてるんだから。

例えば美人でなくても、愛してくれる人がいれば
(好みは人それぞれなのであくまで「好みの容姿でなくても」という意味である)
それは「美人だから」という条件付きの愛情ではない。その人柄に惚れているのだ。
自然と、中身を見てくれる人を引き寄せることになる。最初から容姿がトラップにならないからだ。

美しさを失った時に、それを理由に
心から信じた人が自分への愛情を失えば
とてもショックを受けると思う。
自分が美しいうちはそれも見抜きにくい。

そう思うと、最初から面食いが寄ってこない容姿も悪いことばかりではないのだな、と思う。
「綺麗な恋人・奥さんがいる自分」が欲しいと思う男性を最初からブロックできる。
ハンデは前向きに捉えたい。

もちろん、美人がそんな男性ばかりと
くっつくわけではない。
ただ、その長所ゆえに相手の短所にうまく
気付けないこともあるのかもしれない。

卑屈にならずに明るくよく笑い
しっかり人を見極める目を持つのが
いいパートナーに巡り会うコツなのだろう、
きっと。これは容姿にかかわらず。


散々容姿のことを話題にしたが、
テンプレートの美しさではなく
元のビジュアルを生かした
ファッションやメイクをして
自分の魅力を最大限に引き出してる人が
一番輝いてるよな、と思って
少しは前向きに鏡を見るようになった私である。

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