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お待たせいたしました。4



【  泥団子を制する者こそ 砂場を制する 】


皆さんは、ピカピカつるつるで光り輝く泥だんごを見たことがあるだろうか

それはもう、ラメが入ってるんじゃないかと
言わんばかりにキラキラし、
ちょっとやそっとの衝撃じゃあ割れやしない


工程を重ねられた泥だんごである。




今日はつまらないお話なので、
時間に余裕のない方は是非ここで閉じてください。


わたしの通う保育園には、広い砂場があった。

砂場の上には、ぶどうのツタが張り巡らされ、真夏でも日光にさらされない、最強の砂場である。


産まれて物心ついてから、怪我するリスクを避けて生きつづけてきた。

そんなわたしにとって、保育園での外遊びと言えば、広い校庭の隅にある砂場なのである。



「  自転車が乗れるようになったんだー  」

「  わたしは、うんていと鉄棒ができるようになったわよ  」


そんな会話を小耳に挟みつつ、
必死に泥だんご作りに勤しむ日々。

おかげでいまだに鉄棒は、豚の丸焼きしかできない。



『 大丈夫だ。いつか日の目を浴びられる日は来るはずだ。』


そんな日々にようやく転機が訪れる。

なんと、わたしのクラスに第一次泥だんごブームが訪れたのである。

砂場界に猛者が集いはじめる。

競い合う仲間が増え、知識が増える。

どこのエリアの土が良いだの、含水率だの、最後にかける砂はこのエリアの砂が良いだの、

できあがった泥だんごたちは横一列に並べられ、順位がついていく。

気づいたら毎日がコンテストである。


家に帰ってからもコンテストはつづく。

滅多に外遊びをせず、家に引きこもってディズニーチャンネルの日々だったわたしは、

スコップ片手に近所の公園に繰り出すようになった。

いまだに、この公園の小さな山のねんど土を超える優秀な土には巡り逢えていない。


そんなこだわりの逸品の泥だんごの工程は

一、ねんど土を採取する

二、1.5の割合くらい普通の土をまぜる

三、その日の土コンディションにあわせ水を入      れる

四、手で必死にこねて、丸を形成する

五、サラサラ砂を全体にまぶし、優しく指の腹でこする

六、↑の工程を何十回もやる

成功すると、見たこともないくらいピカピカの肌触り良し泥だんごができあがります。


粘り強さと土のコンディションを汲み取る力が必要不可欠です。

むかしの方が集中力があったのは、
この努力の賜物かもしれない。


こんな話をしたものだから、ここ最近、泥だんごが作りたくてしかたありません。


いつしか泥だんごをつくる会を開いたら
何人が集ってくれるのだろう。


あの砂場の猛者たちの数を超えることを
願うばかりだ。


危うく3日坊主になりかけたが、
無事4日坊主になりました⭐︎



ハッピーハッピー


2023.02.11

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