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築地散歩から考えた 夫と旅のペースを合わせる方法

先日、思い立って夫と築地に行ってきました。

行ったことがなくて、どんなところだろう?という興味と、美味しい海鮮丼を食べたいという希望があり、魚を特集した雑誌を片手に電車で一時間ほどかけて向かいました。

ところが、築地に着いてみると、駅から既にインバウンドの外国人で込み合っていて、夫はすぐさま引き気味に。朝の電車並みの混雑に、早く食べたいものあるならそれ食べてかえろう?と急かされてしまいました。

わたしはぶらぶら冷やかしながら、お店を決めたかったのです。目的のお店、と言われても。。。慌てて雑誌とスマホを開く私。

築地では、外国人が外国人に向けて得体の知れないものを売っていたりと、謎の光景が広がっていました。例えば、和牛のブロックを焼いたものにうにを載せた串焼き?など。海鮮丼を食べようと入りかけたあるお店でも、西洋人2名のいかにもバイトのスタッフさんがキッチンでやる気なさげにスマホをいじっていらっしゃる。そんなキッチンから出てくるお寿司が美味しいような予感が全くせず、撤退。

ひとまず、持参した雑誌に載っていた別のお店でまぐろ重をどうにかありつき、いそいそ築地をあとにしたのでした。

本当は、せっかくはるばる築地に来たので、わたしはゆっくり色々冷やかしてどんなものがあるのか覗いてみたい気持ちがありました。インバウンド向けにどんな商売をしていて、どんなものがいくらくらいで売られているのかとか、どんなものが外国人に人気なのか?など社会科見学のようなことをしてみたかった。

しかし、帰りたいモード全開の夫に、それ以上ゆっくり回りたいとも言えず、消化不良な感覚と、どうしてせっかくここまで来たのに一緒に楽しもうとしないのだろう?という悲しい気持ちも混ざり、この人とは旅ができないなぁ。と思ってしまいました。せっかく楽しみにでかけたのに、帰り道は落ち込む始末。


翌日、小川奈緒さんの著書『こころに残る家族の旅』を開くと、夫との旅のヒントがありました。

この本には奈緒さんがご主人と/娘さんと/ご家族皆で旅をするなかで経験したあれこれや、奈緒さんが取材された方々のたくさんの旅エピソードと共に、旅のこだわりや旅を楽しむためのの工夫、ケンカを防ぐための知恵などが散りばめられています。旅だからこそ楽しめるおしゃれ、家族の旅をどうストレスなく過ごせるか、等々。

読んでまず思ったことは、旅って人によってこんなに様々なパターンがあるんだという驚きでした。友人以外の人の旅の話を詳しく聞く機会はあまりないので、純粋に、旅に求めることやこだわりがこんなにも人によって違うということを知り、新鮮に感じました。

翻って、では、自分はどんな旅が好きなのか?
夫はどんな旅がすきなのか?考えます。

夫は、目的を明示したら動いてくれる。
これを買いたい、ここに行きたいという目的があると、快くでかけてくれるのです。

対して、私は、ぶらぶら歩きが好き。
歩くなかで見える非日常の景色を、好奇心のままに楽しむのが好きなのだ。

目的重視の夫、プロセス重視の妻なのか。

となると、夫との旅自体を無理!とあきらめるのではなく、目的地をはっきりさせつつも、その途中でここはぶらぶらしたいと一人の時間をもらうか、ここだけは30分付き合ってくれない?などと相談してみるのがよいかもしれない。

夫とわたし、ただタイプが違うだけなんだ。相手にないものを求めない、でも、一緒に旅をするのも勝手にあきらめない。

極端になりがちな私、アイデアに溢れた奈緒さんの本を読み、夫との旅はまだまだ工夫の余地があるなぁと感じた築地日帰り散歩なのでした。

そしてこの本、写真がどれもこれも素晴らしく。

奈緒さんのご主人の高弘さん、イラストレーターということもあるのか、どの写真も構図が絶妙で素敵なのです。奈緒さんが尾道らしい海と山に囲まれた神社への階段を上っている写真や、台湾の市場での写真などなど。

どんな空気感の中で奈緒さんと娘さんが楽しんでいるかが伝わってきて、一枚一枚、一緒に旅をしているような気持ちになる。

いいなぁ、こういう写真とりたいな。


話は元に戻って。

夫は、桜のお花見だけはのんびりと散歩に付き合ってくれます。

そういえば春が1番好きって言ってたなぁ。

残り少ない桜の日々、また一緒にみにいこう。

みなさまもどうぞ、よい春を!


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