この世を理解したかのような傲慢なブログですいません

 大衆のアヘンという言葉をご存じですか。

 ドイツの哲学者であり社会思想家のマルクスの言葉です。

 これは宗教に対する批判が込められた言葉だと捉えられています。宗教は民衆が困難に立ち向かおうとするのを妨げている。弱者を守ろうとする宗教は、どこかで弱者であり続けることを肯定してしまうということなのでしょうか。これはどこかニーチェのルサンチマンの考えに通じるところがあるようなないような。(高校の倫理履修程度の知識で申しております)

 少し変わって、ヘミングウェイという作家の話をしようと思います。本を読むのは好きなのですが、今まではなんかむずそ~という理由で、硬派な海外文学はやんわりと避けてきたのですが、バナナフィッシュの影響で、読もうかな~と思い始めた今日この頃です。(BF履修者はこういう人多いと思います笑)
 この間、海流の中の島々と、勝者に報酬はない・キリマンジャロの雪 の2冊を(正確には3冊)を購入しました。現在は勝者に報酬はないのほうを読んでいます。短編集なのですが、結構淡々とした話で、読者を感動させよう!とかそういう気は一切ない感じの話です。戦争の話とかもあっさりと語られるので、なんか不気味な感じ。明らかに戦争下でメンタルがおかしくなってしまったような人の話とか出てくるんですけど、それがさも当たり前かのような文体で書かれているので、なんかこう、ねぇ・・・(求 語彙力)

 まだ読んでる途中なんですけど、面白かった短編があったので紹介します。

 ギャンブラーと尼僧とラジオ。とある病院でのお話。

 登場人物は主に3人。脚のけがで入院している、ラジオ好きのフレイザー氏。おなかを2発撃たれて重傷のメキシコ人ギャンブラー、そんなギャンブラーの心配をしている、おちゃめな尼さん。

 話は主にフレイザー氏の目線で進んでいく。多分、当時の時代背景(メキシコ革命など)が深く絡んできているとは思うのだが、私は全然近代史に詳しくないので割愛。

 最後のほうで、フレイザー氏は、アヘンの話をする。宗教はアヘンである。そして、愛国心は、ドイツやイタリアの人々にとってのアヘンである。そして、自分にとってのアヘンはラジオである(フレイザー氏は、ラジオ番組を聞きながら、遠い場所の想像をするのがすき)

 アヘンってそもそもなんじゃろなと思って調べてみると、ケシの実から採取される果汁を乾燥させたもの、とあった。つまりモルヒネってことですね。がんの鎮痛剤としても使われています。こういったように、治療に使えることもあれば、麻薬として使われることもある。

 単純に、物事にはいい面も悪い面もある、ってことなんでしょうかね。フレイザー氏にとってのアヘンがラジオ、というのはちょっとわかりにくい感じもしますが。文中には、ラジオで遠い場所を想像するのは好きだけれど、その場所に行くことはないだろう、という風なことが書かれたくだりがある。フレイザー氏は、今はけがをしていて自由に歩き回ることができませんが、退院した後はどうなるのだろう。ラジオがあれば、遠い場所の情報を知ることができる。それに頼りきりで、人々は真実を確かめようともしない、という皮肉なのか。そうなると、フレイザー氏のアヘンがラジオというのにも少し納得がいくようないかないような・・・。

 私ね~時々、自分がちっちゃいころから神様を信じる環境で生まれてたらな~と思うことがあるんですよね。絶対的な心のよりどころがあるって、すごく心強いんじゃないかなと。今更、神様を信じろ!というのは無理がありますから、私は宗教に入ろうとかそういう気は起きないんですけどね。

 でも、宗教を信じている人からしてみたら、いいことばかりじゃないんですかね。まあ、日本人の私から見ても、宗教がらみの戦争なんてしなきゃいいのに、と思うことはありますが、そういったわかりやすいことじゃなくて、もっと心の持ちようというか、自我に影響を及ぼすレベルで信じてる人もいますからね。そう単純ではないのでしょう。

 尼僧が、「私、聖人になれるかしら」とフレイザー氏に質問するシーンがある。聖人になるってどんだけ大変なんだろう。

 高校の修学旅行で、北海道のトラピスチヌ修道院に行ったことがある。実際に修道女が生活している神聖な場所だ。彼女たちの生活は、私の生活と比べたらだいぶストイックなものだ。めったに外の世界には出られないというし(出られない、というより出ない、と言った方が正しいのかな)

 日本の修道女の人たちって、もともとキリスト教に関係のあるおうちの出身の方が多いのかしら。もしそうじゃないのなら、修道女になろうという覚悟は相当なはず。

 あ~なんの話をしたかったのか分からなくなった。まあ、とにかく、この世はギブアンドテイク、絶対に完璧なものなんて存在しないよ~ってことです。(投げやり)

 それでは、この辺で、さようなら。

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