見出し画像

冬と春のあいだの出来事

 コロナに罹った。

それは突然の出来事だったが、忙しい仕事の後、燃え尽きるように感染症に罹るのはこれが初めてではない。もう10年くらい前にはなるが、3年生の担任をほぼ終え、2月に生徒が家庭学習に入った途端インフルエンザに罹ったこともある。今回は群馬県が今まで前期と後期の2回に分けて実施していた高校入試を一本化するという試みにより、2月の半ばに高校入試が行われ、なおかつ3月1日の卒業式に向けた様々な準備、学年末試験や成績処理の管理・運営など複数の重要業務が同時期に押し寄せたため、「仕事のトライアスロン」などと当時は気をつめて乗り切っていたが、結局3月1日を終えたその翌日、見事に感染してしまった。

 しかも、あろうことか妻や子ども3人にも感染が広がってしまい、我が家や大パニック状態となってしまった。これではトレーニングどころではない。一番先に病状が回復した私が給仕役となって各部屋の病人の世話をする日々である。

伝えたいこと

 おそらく私の記事に目を通すであろう人たちはマラソンやトライアスロンなどを趣味として楽しんでいる方々と思われる。そのような人たちに何故我が家の惨状をお伝えしたのかというと、そこから伝えたいことが2つあるからだ。

(1)趣味を楽しむことができる時期もあれば、できない時期もある。

 なんだ、当たり前のことを・・・。と思われるかもしれないが、案外諦めきれないのではないか、トレーニングできない日々というものを。特にトライアスロンのように複数の競技を一週間のメニューに詰め込むような人にとっては苦しいと思われる。場合によっては、そういう状況下においてすら、「どこかにスキマ時間はないか・・・?」と考えそうなものだ。

 しかし、スキマ時間などないし、作るべきでもないだろう、自分だけならともかく、家族も大変という時期に。こういう時は思い切って一切を諦めればよい。普段できていることのありがたさに感謝し、そういう時に頑張れば良いのである。

(2)コロナである今でさえ「ラッキー」と感じられるか。

 モノは捉え方、という言葉のとおり、どんな状況でも「ラッキー」と思うようにしている。先述のように、今回全く新しい入試方式の職員向け取扱要領を作成することになった時も、「なんで教務主任になった1年目にいきなりこんな大変な業務が入ってくるんだ?今まで通りなら、昨年のものを手直しすれば済むのに・・・」と考えればネガティブな思考におちいる(当然、多少なりともこのように感じてはいる・・・)。それを「ラッキー。自分は1年目だから今までのバイアス(先入観)がない分、余計な勘違いをしないで済みそうだぞ。自分の思うように一からプランを立てよう。」と考えることもできるのだ。このコロナだって「もし入試の本番コロナじゃなくてよかった・・・」とか、「娘の受験の時じゃなくて良かった。」あるいは、トライアスロンの大会直前にコロナになるよりはマシだった。」などとポジティブに考えれば、絶妙なタイミング(仕事にも大会にも影響しない)で、コロナの最強免疫をゲットしたようなものであり、ラッキーと言えばラッキーに違いないのである。

 以上2点がこの記事で伝えたかったことである。

(余談)

 もっとも、この待機時間に何もしていないかと言えば、実はそうでもない。知り合いから「はるトラ(※)出ましょうよ〜」と誘われていたのを思い出し、重い腰を上げてエントリーしたのである。榛名湖はバイクがあまり楽ではないし、5〜6月は部活指導が忙しいので、7月の大会はもう少し力がついてから・・・と思っていたのだが、群馬のトライアスリートにとって、まずトライアスロンといえば「はるトラ」なのだ。

※榛名湖リゾート・トライアスロンin群馬のこと。

 やることが増えれば、そのためにしなければならないことも増えていく。

冬も終わりだ。啓蟄とは、冬籠もりの虫がようやく外に出てきる時期をさす二十四節気だが、それが3月5日、一昨日のことである。このコロナパニックがひと段落する頃には、景色はすっかり春模様になり、今の鬱々とした日々のことを遠い過去のものとしていることだろう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?