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シナモンティーとフロランタン         


「シナモンティー飲む?」

キッチンの母親に声をかけると、顔を上げて こう言った。

「パンプキンパイは?」

毎度お決まりのこの会話。
さだまさしさんの歌で
『パンプキン・パイとシナモン・ティー』
という曲があるからなのだが、残念ながら
パンプキンパイはない。

「パンプキンパイはないけど、フロランタンは
 あるよ。」

先日行った習い事の陶芸教室で、Tさんに頂いた
手作りのフロランタン。
フロランタンの絵を描いてから食べようと
決めていた。
上にのっているスライスアーモンドが、
なんともつやつやの照り照りで、絵を描きながら
何度も食べたくなった。

私はシナモンティーの準備をする。
これまた陶芸教室の先生が教えてくれた

Uf-fu(ウーフ)という紅茶専門店だ。

前に教室で頂いた『ブルボン』という甘い香りの
美味しい紅茶が飲みたくて、オンラインショプで買って見た。

白いおしゃれな缶。

ちょっとお試しでシナモンティーのティーバックも買ってみた。

今日は肌寒く身体が冷えていたので、なんとなく
温まりそうなシナモンティーに。

フロランタンを小皿に置いて、
まずはシナモンティーを一口。シナモンの良い香りが鼻に広がるけれど、全くどぎつくなく、
口に入れるとスッキリしている。

そして、フロランタン。
下の生地がサクッとして、アーモンドは香ばしく、 
ほど良い甘さで非常に美味しい。

心の中で私はつぶやく。

「さすがTさん。」

Tさんは本当にすごいのだ。手作りの美味しいお菓子をみんなにくれるのだけど、色とりどりの
マカロンやカヌレなど、職人さんの腕前だし、
そして、陶芸の腕前もすごいのだ。

考えてみたら陶芸の先生もお菓子作りが
すごいのだ。

すごいのだすごいのだと、バカボンのパパみたいに
連呼してしまったけど、陶芸の腕前とお菓子作りの腕前は比例しているのかもしれない。

フムフムなるほど…

のんきに考える私は、そう言えばお菓子作りは
苦手であり、陶芸も下手くそだ。
というかどんどん下手になっている気がする。

フムフムなるほど…

若干の反省をしつつ、お茶を飲み、息をつく。
シナモンティーとフロランタン。
教室に通わなかったら、
出会わなかったであろうこの組み合わせ。

教室に通っていて良かったなぁ。

そんな事を思った、今日のひととき。

シナモンティーとフロランタン

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