映画「ヨーロッパ新世紀」


 
原題:R.M.N.
directed by Cristian Munglu
starring: Marin Grigore, Judith State, Macrina Mardadeanu, Orsolya Moldovan, Andrei Finti, Mark Blenvesi

鉱山の閉鎖によって、経済的に落ち込んだトランシルヴァニア地方の村。出稼ぎ先のドイツで暴力沙汰を起こした粗野な男マティアス(マリン・グリゴーレ)が、この土地に舞い戻ってくる。しかし疎遠だった妻との関係は冷めきっており、森でのあることをきっかけに口がきけなくなった幼い息子、病気で衰弱した高齢の父への接し方にも迷うマティアスは、元恋人のシーラ(エディット・スターテ)に心の安らぎを求める。ところがシーラが責任者を務める地元のパン工場が、スリランカからの外国人労働者を迎え入れたことをきっかけに、よそ者を異端視した村人たちとの間に不穏な空気が流れ出す。やがて、そのささいな諍いは村全体を揺るがす激しい対立へと発展し、マティアスやシーラの人生をも一変させていくのだった・・・
  この土地はヨーロッパ有数の野生動物の生息地であり、大きなクマも棲息しており、さまざまな民族が何度も征服や革命などの歴史を経て、ルーマニア語、ハンガリー語、ドイツ語、英語、フランス語などさまざまな言語が飛び交う。さらに過去の遺恨や現在のさらなる移民流入、低賃金でも働くアジアからの移民も入ってきて、人々のストレスや緊迫感もかなり溜まっているような場所・・・
とはいえ、森で何かを見たことで口を利かなくなってしまった幼い息子の姿に、その息子を守る・庇うばかりの妻との意思疎通が全くできないマティアスは、それでも息子の前で父親らしく振る舞おうとするが、うまくいかない・・・行き場がない・・・そんな想いからの、元カノ・シーラへの付き纏い・・・なんだろうけど、それをまた受け入れちゃってセックスフレンドとして平然としてるシーラも・・・なんやねん??
なんかこのグダグダの男女関係って、どうなん??
ここで私はまったく共感できへんってなっちゃって・・・

人々のフラストレーションがたまりにたまって、それぞれに教会があって・・・神父さんなり牧師さんなりを立てて、村の集会となるわけだけど、もぉこれが・・・
途中から「あ、カメラの角度が変わってない・・・もしかして長回しワンショットなん?」と気づいたけど、村の集会って、自分の妻とかもきてるのに、あいも変わらずシーラにつきまとって、手を握ってくれ・・・とか言い寄ってくるマティアスって、何なん??この男!!! それまた、振り解かず、結局、討論はちっとも進展性がなく・・・というか、もうめいめいが論点ずれまくりの主義主張を繰り返すばかりで・・・
あ〜あ゛・・・もぉ呆れ果てる・・・

そんな中、マティアスの父親がとうとう心労に耐えかねたのか鬱状態になってしまってて、森で首をつって死んでしまうんだけど・・・
その葬儀の夜、マティアスはシーラに銃をむけるが、背後に大きなクマが現れたのを見て、そこへ向けて銃を放つ・・・が・・・
ラストシーンに、まるで亡霊のように、次々と立ち上がる大きなクマ・・
あれって、何??
何の暗示??
結局、クマの姿って、何か大きな闇? 闇の渦?
倒しても倒してもまた現れて、やがて飲み込まれる、闇の奥深さってことなのか?
めっちゃ謎なラストシーンでした。

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