プロのプラカードスタッフだった

過去に私は道ばたでプラカードを持って、派遣先をPR・案内するアルバイトをしていた。
10年程続けたので、この道のプロである。

私が派遣先に案内したお客さんを契約に結び付けたこともあった。

「あなたが看板を持っていたから契約しました」

今となっても忘れない出来事だ。

派遣先から、うちの正社員にならないか、と言われたことも数回ある。

せっかくだけど、お断りした。

当時私ができるのはプラカードスタッフか、サンプリング・ポスティングスタッフのみであると自分に限界を設けていたからである。

理由は「強迫性障害」だから。

自分の一挙手一投足に自信が無い。

そもそも動作に、何回もの確認行為がつきまとうので、やることなすことに時間がかかりすぎる。

被害者意識が強いために、人に言われた、ささいな一言にも傷つく上に、自分が発した言葉を確認・反省してしまうから、神経がひどく疲弊してしまう。

プロの看板持ちとは、どんな人間のことを言うのか。

私みたいな、プラカード持ちを楽しめる人のことを「プロ」と言うんだと思う。

楽しむためにはルールを遵守しなければならない。

ルール1:業務中に携帯をみたり、音楽を聴いたりしてはいけない。

私は「見た目」このルールを守った。
見た目とは?

実際、私は音楽を聴いていた。
パッと見じゃ分からない様に。

どうやったかというと
①右手の上腕の中央を目標に、シャツに缶バッジを付ける。
※缶バッジには片耳用のイヤホンをビニールテープで頑丈に固定する。

②あとはそのコードを当時のMDプレーヤーや携帯ラジオに付ければ完成となる。

上着を着て、曲の再生・停止ボタン等は上着の上から操作する。

右手は高々と看板の棒のずっと上方の所をつかみ、上腕に右耳をピタッと付けると、ちょうどイヤホンの位置にくるのである。

言っておくが、めちゃ腕が疲れる。
でも1日ちゃんとできてしまう。

これを発明するのに試行錯誤した。
これは次回に書いてみる。

自分には看板持ちのプロとしてのプライドが有った。

派遣先の社員や、仕事中に話しかけられた人に笑顔で感じ良く話をする。

堂々と携帯をみたり、音楽を聴いたり、そんな見た目の悪いことはしない。

基本、プラカードは歩道の所で持つので死にかけたこともある。

これも次回以降に書くことにしよう。

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