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衝撃が走った音楽

誰にでも、聴いた時、自分にとって衝撃だった音楽の1曲や2曲あると思う。

私は、そういう自分の心を強く惹き付ける音楽に出会った時、その正体が知りたくて、何度も何度も繰り返し聴く。

何がこんなに、私に快感を与えているのだろう。
どうしてこの曲にこんなに惹かれるんだろう。

また、惹かれる音楽というのは、人によって全く違うというのも不思議である。

私が衝撃を受けた曲の1つに、坂本真綾さんの
「tune the rainbow」がある。

ラジオからたまたまその曲が流れてきた時、私は心底びっくりした。

なんだろうこの曲。聴いたことないような曲だ。
凄く凄く好きだ。
誰が歌ってるんだろう。
もっと聴きたい。ずっと聴いていたい。

今までも、惹かれる曲は沢山あったのだけれど、こんなに強く心を掴まれたのは初めてであった。

tune the rainbowは、初めて聴いたときから、映像が眼に視えるみたいだった。

私に浮かんできた映像は、夜の電車の中で
制服姿の女の子がドアにもたれ掛かりながら、
外を眺めている映像だった。

それは、勝手に私に浮かんできた映像であって、その曲の歌詞とも制作者の意図とも、多分全く関係ないのだけれど、何故かそういう映像が頭に浮かんできたのだ。

それから、私は坂本真綾さんのアルバムを貪るように探した。

当時高校生だった私は、TSUTAYAでレンタルするのが精一杯だったけれど、当時私の住んでいる駅のTSUTAYAには、運良く坂本真綾さんのアルバムの品揃えが良く、私は、初期に発売されたものから、ほとんどを借りることができた。

当時流行っていたMDに落として、外出時にはいつもMDプレイヤーから坂本真綾さんの音楽を流していた。

坂本真綾さんの音楽を聴いていると、脳内から、何か幸せな気分になれる麻薬のようなものが出ているみたいだった。

音楽でこんな気分になれるなんて不思議だった。

特に好きだったのは、「Active Heart」という曲で、
「血管のトンネル 抜け出し」
というところで、いつも、晴れ渡る青い空、キラキラとした海に面した海岸にテトラポッドが立っていて、その上をふわふわと、どこまでも舞上がっていくような、何とも言えない恍惚とした気分になった。

奇跡だと思った。

この透明で清んだ歌声と、天才的で魅惑的な
メロディ、そして完璧な歌詞。

こんなに素晴らしいものが、融合することがあるのだ。

私は本当に本当に驚いていた。
この曲達はこの世のものじゃなくて、
もっと神聖な天界から下ろしてきた音楽じゃないかと思った。

でも、当時の友人達に聞いてみても、私程にハマっている人はおらず、心を捉える曲というのは、人によって違うんだ、というのも驚きの事実だった。

今で言う「推し」に近い感覚だったと思う。

ネット用語で大好きな人や、物に対して、神とか、尊いって言う気持ちと一緒だったと思う。

流石にあれから20年経った今は、あの頃程の情熱は無いけれど、後にも先にもあんなに衝撃を受ける音楽に出会うことはないだろうな、という気がしている。

音楽って不思議だ。

あの3分~5分くらいの間に、人を虜にし、別世界へトリップさせてしまう。

ミュージシャンに熱狂的なファンがつくのも分かる気がする。

人は、肉体と精神と両方を持っているのだなと、
改めて思う。

あなたの衝撃の1曲は何ですか。


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