ミルククラウン・オン・ソーネチカ 歌詞の意味・考察

明るい曲調で早口なアップテンポのボカロ曲「ミルククラウン・オン・ソーネチカ」

パッと聴いただけでは、ドジな女の子の曲かな?と思えるのですが、じっくり歌詞を見るといじめの被害者の気持ちを描いた曲のように聞こえるのは、有名なお話。

でも、私が一番ゾッとしたのはラストの「色づいてく花が今日、微笑んだって」でした。

それはなぜか?私なりの解釈を考察させていただきます。

歌詞(♪)に引き続き、解釈《》を書いていきます。

♪だって笑われてるから 笑ってみたけど 怒らせちゃうのなんで?
いつも妄想するほどうまくいかなくて 「ごめんなさい」ってなんで?
ママに見せられないような くしゃくしゃ頭に 許してくださいって
踏んだ方もそれなり心が痛いとか 言ってたの、嘘ですか

《からかわれて笑われたから、笑い返したのに私だけ怒られた。妄想ではうまくいくのに、ごめんなさいばかり言ってる。ママに見せられないくしゃくしゃ頭になったのは、許してくださいって頭を下げたら、「踏んだ方もそれなりに心が痛い」って言いながら思いっきり踏まれたから。》

♪出来ないそんな才能は無い 出来ないそんな才能も無い
出来ないそんな才能なんて どこのお店でも売ってくれないし
天にまします 神さまだって こんなガラクタ御手汚しですか
わたしだけが知ってる刹那に生まれた 小っちゃな戴冠式
ねぇ 凛とすましてるお姫様にでも 取って代わらせて
ソーニャ ソーニャ

《私には出来ない。そんな才能は無いから。生まれ持った才能は、どこのお店にも売ってないから。天の神様だって、こんなガラクタのような私は救ってくれない。私の中で刹那に小さな戴冠式が生まれた。凛とすましてるお姫様(主犯格の子)と、取って代わらせて欲しい。私はまるで(罪と罰に出てくる娼婦)ソーニャ(ソーネチカ)みたい》

♪だって嘘ばかり tiny tiny 世界に罪とか
放り出したって それを恨んだって 咎めなんかして 損に得に?
愛を説いて 満足気な 教科書の慣用句
禁じてください 間違いでしたって

《だって世界は嘘ばかりで窮屈。罪を放り出した者を恨んでも、逆に咎められたり、損得で動く人ばかり。愛について満足気に説く教科書のありきたりな言葉は、間違いばかりで虚しいから、禁じて欲しい。》

♪待って どうしてこんなにみじめな態度で許しを乞うのかって
これがびっくりするほど馬鹿馬鹿しいので 立ち尽くして泣いて
ちょっと膨れて育った自意識まかせに 斜めに構えてみちゃって
空とか仰いでみたけど カラスが芸術的に台無しにした

《待って、端から見たらどうしてこんなにみじめな態度で謝ってるのかと思われるだろう。びっくりするくらい馬鹿馬鹿しい理由だから、立ち尽くして泣いてほしい。ちょっと膨れて育った自意識にまかせて斜にかまえ(殴られて腫れ上がった身体で真っ直ぐ立てない)、空を仰いだけどカラスの群れに邪魔されて、芸術的な空さえ私は見ることができない。》


♪堂に入った たぬき寝入りで やりすごして 石になって息が止まった
背中に指を指されてる感覚 申し訳ないです 消えちゃいたい!

《暴力を受けて気絶したフリをして、石のようにやりすごしたけど更に蹴られて息が止まった。いつも背中に指を指されてる感覚があって、生きているだけで申し訳ない、消えてしまいたい!》


♪上手に笑うための方法をこそ、教えて?
汚く濁った願望 取り繕って罪悪隠した

《上手に笑うための方法を教えてほしい。汚く濁った願望(殺意)をぎこちない笑顔で取り繕って罪悪感を隠した。》


♪掃いて捨てるほどありふれた 無垢な感情の
何をもってして 浄・不浄だって 振りかざしちゃって
清廉ぶってないで 解をください シスター!
どうかひとつ 平等に見逃してください 石ころ蹴ったって

《掃いて捨てるほど世の中にありふれた無垢な感情の、何をもって浄不浄だとするのか。(殺意や欲だって無垢な感情なのに)人殺しはダメだなんて正義を振りかざしちゃって、シスターだって欲はあるのに清廉ぶらずに答えをください。どうかひとつ、世の中の理不尽が見逃されるように、平等に私のことも見逃してください。石ころ蹴ったって(人を殺したって)》

♪出来損なった愛玩具 色も塗ってくれなかった
膝を折って耐えていたって 助けてもくれなかった!
あんまりじゃないですか 1人ずれてないですか そうですか
持たざる者が懺悔したって 知らんぷりですか

《私は出来損ないの愛玩具。色の付いた服さえ着せてもらえなかった。膝を折って(性暴力に)耐えていても、助けてもくれなかった。あんまりじゃないですか、私だけが世界とずれてませんか?そうですか。持たざる者が懺悔しても、知らんぷりで救ってはくれないのですね》


♪だって嘘ばかり tiny tiny 世界に罪とか
放り出したって それを恨んだって 咎めなんかして 損に得に?
愛の教典 ちんぷんかんぷん 聖人の名文句を
「大げさ」ってつぶやいて 簡単なことでしたって
色づいてく花が 今日、微笑んだって

《だって世界は嘘ばかりで窮屈。罪を放り出した者を恨んでも、逆に咎められたり、損得で動く人ばかり。愛を説く聖書は、私にはちんぷんかんぷん。聖人の名文句は「大げさ」ってつぶやきながら、簡単な事だって気付いた。(あの子に取って代わるにはこうすればよかったんですね)私が刃物で刺して血に色づいていく花(主犯格の子)が今日、初めて私に微笑んだとしても。(私は許さない)》

タイトルの「ミルククラウン」は一瞬だけの儚い王冠。主犯格を刺して、ソーネチカ(ソーニャ、主人公)の頭に王冠がのり、取って代われたと思えたのはほんの一瞬だったのかも。

かなり怖い解釈で、すみません。

更に主犯格は「先生」という、もっと怖い解釈もありえるかなと。(怒られる、ママに見せられない、できない、などのキーワードから)

そして、もう一つの解釈は「両親の虐待」です。

お姫様や花→ママ(母親)

暴力や性虐待の主犯、石ころ→父親

石ころ蹴ったところで、父殺害。虐待をずっと見て見ぬふりをして澄ましていた母を、ラストで殺害…とするのはあまりに過激すぎますかね。

でも娼婦のソーニャ(ソーネチカ)が歌詞やタイトルに使われていること、ママに見せられないという言葉、愛玩具、愛…なんとも。不穏な雰囲気だと思い、こんな解釈もしてしまいました。(愛してる、なんて言われながら虐待されていたとしたら…背筋が凍ります)

不快な気分にさせてしまったら申し訳ありません。単なる私個人の解釈です。

お読みいただき、ありがとうございました。


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