ダムタイプの新作「2020」の配信動画を観ました。

美しい映像、挑戦的な音、高い身体能力から繰り出される表現力、観る者に新たな視点と発想を与える、とても面白い1時間でした。

こちらを観て星占い師としての感想を記したいと思います。ご興味あれば。
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まず、「2020」で表現されていたとわたしが感じたものを列記します。7つの場面転換があったかと思います。

自然の一部としてのわたしの存在、①
そのことを忘れた現代人が、②
自分を表現し始める、③④⑤
未来のコミュニケーションと感情表現の仕方⑥
自然の一部としてのわたしと、時代や社会の一部としての未知なるわたし・さらにその未来⑦

なのかな、と思いました。
直接的な表現の演劇ではないから、抽象画を観るようにわたしはこう感じたとしか言えないのですが。

ところで「風の時代」というワードが先日、Twitterのトレンドに上がっていました。それを見て「なんだよこれ？」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
星占い用語です。星占い界では、最近時代が変わったと考えるのです。先日、土星と木星が重なって見える天体現象があったのですが、あれを200年に一度の節目と捉えるものです。そしてこの節目を、「地の時代」から「風の時代」へ移行するものと、星占いでは考えます。

「地の時代」とは、物質や安定が尊ばれる時代で、最近はじまったとされる「風の時代」は情報や協調性が尊ばれる時代を指します。

その視点で今回の「2020」を観ていました。

まずはじめに表現されたのが、この地上に生まれ落ちた生き物としてのわたしだったと思います。①
荒れた大地があって、高波を上げる海がある、そんな世界を私たちは生きてきました。そんな地球を人間が生きやすいものへと組み立ててきましたが、現代人はなんだか窮屈そうです。②そして黒いスーツを脱いでカラフルなわたしになるのを選びました。③④⑤
そうして「個」を演じ、「YOU」を見つけ、コミュニケーションを模索しはじめます。⑥

この⑥が！これからの風の星座のテーマのひとつです！

正直言って、人類はコミュニケーションのツールを新たにすることには目を見張るものがあったと思いますが、そこではいつも置き去りになってきました。心のひだが。「うまく言えない」が取り残されてきた。
この⑥の場面では、2人のスイミングプールに通う女性がプールサイドで、これまでのように新たに生まれたのであろうコミュニケーション法(まばたきで会話する)を、行います。そして、伝えきれない「想い」についても理解しあいたいことを了解します。

(この心やスイミングプールや想いは、風の次の水の時代に任せることになるのだとおもいますが…)コミュニケーションについて、「理解しあいたい」という小さな宣言が「風の時代」っぽいなあ〜と思ったのです。

これからの「風の時代」とやらは、情報(思考)と協調性の時代です。相互理解がこれらを促進する鍵です。あなたは…コミュ障ですか？いいえ、気にしないでください。わたしもですから。その度合いは人それぞれでも占い師は知っています。多くの人が人間関係で悩んでいることを。でも朗報です。これはわたしの考えなのですが、これからは「コミュニケーション」「理解」に今まで以上に光が当たる分、これらが苦手な人にとってもラクなものになるよう形が変わっていくと占えるからです。自然淘汰するにはコミュニケーションが苦手な人が多すぎるからです。計算が得意な人ばかりなら、人類は電卓を生みださなかったと思うのです。プールサイドに寝そべる2人にあるのは賢さではなく、お互いへの思いやりでした。ささやかな初期衝動が技術を発展させていくのでしょう。

そして最後の⑦では、めくるめく背景の映像で、煉瓦造りの建物や木々の緑から、線や色、数字へと変わっていく前で、白いダンススーツに身を包んだ近未来的な女性が重力を無視するかのような踊りを見せます。わたしたちの愛した温もりや手触りは削がれ、未来では記号へ変わっていくのかもしれません。

でも踊っているのは紛れもない体なのです。
クラシックバレエではその高い身体能力が表現する物語や身につける衣装の美しさに包まれ見えにくくなりますが、コンテンポラリーダンスではむしろ身体性が前に出てくると感じます。体とは何か、人間とは何かを常に語りかけてくるかのように。地の時代の持っていた身体性が、これから風の時代へ移行するにつれ失われていくのかもしれません。映画「マトリックス」「アバター」のように。体を捨て自由に世界を行き来できるようになるのかもしれません。仮想の世界を。でもその先は？

このダムタイプの2020では、これまでとこれからが節目のように語られていたと感じました。まだ未来は決まっていません。占い師にも実際のところはぜんぜん分かりません。
ただ、時代は分断や対立を生み出しています。まるで相互理解への前振りのように。そして人々は自由と移動を求めています。きっと得るのでしょう、これまでそうしてきたように新たな方法で。でも、もし世界が変わっていく中で取りこぼしてきた「さびしさ」も理解し合えるようになるのではないか、そんな希望も感じた舞台でした。配信ありがとう。明日12/27 23:59まで。