貫いた信念を見せつけろ!2019 J1リーグ第13節マリノスVSジュビロ磐田 プレビュー

ルヴァンが終わっても、中3日ですぐにやってくるリーグ戦。ホームでジュビロ磐田を迎え撃ちます。
ルヴァン敗退の実感は秋にならないと感じないでしょう。そんなもの忘れてしまえ。
前にも書きましたが、ここからは順位表でのボトムゾーンとの戦いが続くため、優勝を意識し続けるには、勝たなければなりません。ホーム負けなしは伊達じゃない。

1,【ジュビロ磐田の特徴】

今シーズンのジュビロ磐田は、昨シーズンの終盤を引きずるように躓いています。序盤は4バックに取り組み、アラバロールやったりと、ポジショナルプレーを意識しているようです。5レーンの考え方も持っています。

しかし、まぁ簡単に上手く行くはずないよねという事で、2017年の様な5バックでブロックを組み、まずは守備という方法へ回帰。

画像1

でもサッカーは不可逆性が強く、2018年がそうだったように、川辺ありきだった2017年のカウンターサッカーに戻るわけはなく、攻撃の試行錯誤から、守備の試行錯誤を行ったり来たりというのが今の状態です。

相手チームの分析はしっかりやって来ているので、3421をベースにしているものの、3322や3412をやったり、可変型にして4141にしたりと、

画像2

マイナーチェンジを試合ごとや試合の中でもしてきます。そういう意味では読みづらいです。しかし基本構造は変わらず、どれだけ対策してこようが、名波監督は札幌・大分・湘南・長居・長崎に比べ監督の戦術マネジメント部分の能力は落ちるので、対策されようがあっさりと攻略しなければなりません。守ってカウンターなんて誰でもイメージ出来ますが、そんな落とし込みだけで対策出来るほど、今のマリノスは易くありませんし、しっかりと自チームのモデルからマリノス用に、戦術の幅を用意してきた名前を挙げたチームに失礼です。今回はジュビロ磐田の問題点をしっかり突いて、勝ちましょう。

2,【ジュビロ磐田の守備】

まず、ジュビロ磐田の守備ですが、試合毎に良くなってはいます。基本守備フォーメーションは5221または541です。532になる事もありますが、これは相当問題があるのでやってこないかなと。基本で考えましょう。5バックでブロックを敷いて、ボールサイドにスライドし、中央を固め、人につく守備です。

画像3

マークは厳しめというか少し特殊。特殊性は少しずつ明かしましょう。

ちなみにですが、参考程度に。図には反映していますが、541で言えば4の部分はスライドをしきらないようです。意図的であれば、サイドチェンジ警戒の為でしょうね。アダイウトンが守備に戻り切らない事があるので、いまいち確証が持てていませんので、本当に参考程度に。やる事は変わらないので。


私のプレビューを見てきた方であれば、スライド守備にはサイドチェンジが有効と言うのは既にイメージ出来るでしょう。今回はそこに、特殊性①のWBがWGについてきちゃう問題があり、これが前節やったマリノスの形に綺麗にハマります。もったいない守備にもなってます。

画像4

この様に、サイドまでは攻略できます。しかし、ジュビロは攻略される事に慣れているようで、空いたスペースを使われて、そこからクロスされるとかの予測は既に出来ており、最後の最後で守れるようになっています。出来れば、ハーフスペースからのクロスにこだわって、サイドからは無理にクロスを上げずに変化を加えたいです。

画像5

画像6

常にマークの受け渡しが必要な状態にしてやると、混乱してくれるでしょう。

続いて特殊性②です。ボランチとCBのライン間が狙いどころ問題です。ジュビロのCBは、相手がボランチの死角でボールを受けようとすると、遅れぎみに潰しに来ます。おそらく、CBが食いつくのはこのケースだけだと思いますが、ずらすトラップで交わすことが出来れば、確実にチャンスになります。

画像7

ボールが入るのが速く、潰しが出来ないと判断すると今度はディレイをしてきます。バイタルなのにずるっと下がってくれます。ドリブラーがここで受けるとチャンスを作れるでしょう。

画像8

こういうのは三好の方がうまそうだけど、マルコスで来るかな。特殊性①の延長で中に入ったテルでも有効です。

まだある、特殊性③。①と②の応用ですが、裏のスペースを使われると、そのすぐ後ろの選手がマークする問題があります。これはHVが分かりやすいですね。

画像9

画像10

裏を取られた選手がマークについた選手のスペースの穴を埋めるスイッチング守備のため、結構な時間フリースペースができます。ここまで人につくチームは珍しいです。

ここまで問題点がありながら、失点が少ないのは、前述したとおり予測される攻撃には粘り強く対応しているためで、ひょっとすると守備の決まりの大部分は、この粘りの部分なんじゃないかという疑惑すらあります。いかにサッカーでは気持ちが大事かという事です。

他にも、ネガティブトランジションは、バタつきがち。直角ドリブルにはボールウォッチャーになる。そもそもスライドが下手で、何にせよスペースが空く。CB間、チャンネルとか。タスク処理重視のため、視野が狭く特殊性②で書いたような、ずらすトラップもだが、守備の視線をずらすのがとても有効。この分野に関して、マリノスがずっとやって来ているので、崩せないとダメです。もうマリノスはそのレベルに来ています。

3,【ジュビロ磐田の攻撃】

次に、ジュビロ磐田の攻撃ですが、基本はサイド攻撃です。まずは目が行きがちなロングカウンターですが、これはビルドアップに詰まった時に行うだけで、基本戦術ではありません。精度も低いです。チャンスになっている様に見えるので、目は行きますけどね。やってきても、チアゴの対応やオフサイドトラップで何とかなるでしょう。ただ、ロングカウンターを雑なボールでも成功させる方法はありますし、ジュビロが疑似カウンターをやる可能性もあります。意図的にやってきたら、それこそ名将だと思うけど…しないだろうね。

では、どうビルドアップして、どうサイドを崩そうとするか。前述した4141に可変する方法がありますが、フォーメーション移行に時間がかかるので、3421のWBの上下動が基本になるでしょう。WBとダブルボランチとシャドーが三角形を作ります。

画像11

この考え方はポジショナルプレーそのもので、ローテーションもしてきます。レーンの意識もあります。偽SBは辞めましたが、考え方は活きています。しかし、上手く行ってはいません。そりゃ、チームに専門家がいるわけでは無いので、簡単にはいきません。つまりやろうとしている事は、マリノスと変わらないという事です。特にマリノスの去年の夏の3バックの時に近いです。

じゃあ、上手く行っていない中で形になっているものは何か。それは、やはりアダイウトンとロドリゲスです。アダロドです。しかし、戦術アダロドではありません。敢えて名前を付けるならば、戦術「アダロド使い」。アダロドは自由に動き回ります。そのため、アダやロドがいるべきポジションを周りが使い、ポジションバランスを取り、ローテーションを生み出しています。

画像12

この前線3人に、WBかダブルボランチの4人の内3人は少なくとも絡んできます。前節の仙台戦でもありましたね。

しかしこれは、ユニット戦術です。チーム戦術ではありません。本来はチーム戦術として落とし込みしたいはずですが、精度や頻度が進捗しないので、名波監督の策ではないとみています。そのためユニット戦術として、当事者が醸成させるのを待つしかありません。ポジショナルプレーといい、選手の自主的な成長待ちという状態です。

この様な状態において、対策はあまり意味をなしません。なんせ即興に近いから。ただ、狙いは持てます。ボールを奪ったら常に上がったWBの裏、ダブルボランチの横を狙って攻めたいです。

画像13

4,【最後に】

ではスタメン。

画像14

マリノスは前節から変えないでしょう。上手く行ったからね。

ジュビロはロドリゲスが先発に戻り、アダロドでシャドーを形成すると見ています。ただ、これだと守備強度も落ちるのでこっちとしては有難いです。点を取られても取り返せると思います。ジュビロにとって、川又の怪我は本当に痛いですね。

神戸戦と同じく、なかなか上手くはいっていないチームです。守備の問題点は多いのでそこを足掛かりにして、視線をずらす攻撃をしましょう!勝って中4日で神奈川ダービーしよう!

ここまで読んでいただいた方、読後に何かのアクションを行っていただいた方に感謝いたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?