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ぱーぷる大人の自由研究 第2回「東武のタヌキ達 開園から今日までの道のり」

はじめに
今回は東武動物公園で飼育されているホンドタヌキの飼育歴史について書いていきたいと思います。何故タヌキの飼育歴史についてかと言うと私が東武動物公園のタヌキが大好きだからと言うのは勿論ですが、色々調べている内に東武動物公園がタヌキの飼育を開園から現在まで飼育を長く続けていた出来事を含めて、様々な事を知りました。それらはブログを初めとしてまとめてきました。そして、noteで分かりやすくまとめる事で1つの記録として残したいと思い、書く事を決めました。
※(仮名)が付けられている個体は私が観察しやすい様に付けた名前であり、正式名称ではありません。

東武動物公園のタヌキ達の歴史
1981年3月28日、東武動物公園が開園。この頃のホンドタヌキは小獣舎で飼育されていました。繁殖もされた様ですが他園館には移動すること無く、小獣舎で飼育されていたタヌキは生涯、小獣舎で生活していました。

1990年代、幼い頃に保護された雌のホンドタヌキが東武動物公園で飼育開始。その個体は「ポンちゃん」と命名。ポンちゃんは様々な芸を覚えて、ふれあい動物パレードにも参加。更にはテレビ番組「どうぶつ奇想天外」にも出演した事もあった模様。ポンちゃんが亡くなった年は不明ですが16年間生きていた事は分かっており、日本国内で飼育されているホンドタヌキの中でも長生きした部類に入る個体です。

パレードに参加するポンちゃん(写真は動物園の一日より)
ポンちゃん(動物園の一日より)

2007年11月23日、日本産動物舎がオープン開始。それに伴い、日本産動物舎でのホンドタヌキの飼育も開始。関東地方内にある動物園からやってきた雄の「ムサシ」、茨城県の日立市かみね動物園から雌の「オヒメ」が来園。また、当時の様子を書いたブログには「オトネ」という個体がいる事が確認出来ますが、オヒメを誤認した可能性が強いと思われます。

ムサシ(写真は動物園の一日より)
ムサシ(動物園の一日より)

2008年、東武動物公園の東ゲートにて、2頭の子タヌキが捨て猫の様な状態で見つかり、保護される。2頭の子タヌキは雄、雌であり、雄は「たぬお」、雌は「ミコ」と命名。2頭は一時期、小獣舎で共に飼育されましたが同年内頃、近親交配を避ける為にミコが日本産動物舎へと移動。その頃の日本産動物舎で飼育されていたタヌキはムサシ、ミコのみであり、既に高齢だったオヒメはこの頃に亡くなってしまったと思われます。

2010年6月25日、ミコが2頭の子を出産(雄1頭、雌1頭)。

2010年夏頃、冷たい水が入った入れ物に入って涼んでいる子タヌキを見た飼育担当があるイベントを思い付く。

2010年冬頃~2011年1月頃、2010年6月25日生まれの雌が東京都の多摩動物公園に移動。東武動物公園生まれと言う事で「トウブ」と命名。時には怪我等により入院と退院を繰り返しをしていました。2022年01月13日、死去。

2019年に撮影したトウブ
トウブ

2011年6月12日、ミコが5頭(雄4頭、雌1頭)を出産。この時に日本産動物舎で飼育されていたタヌキの数は8頭であり、東武動物公園のタヌキの飼育頭数としては最多である。

2011年7月、去年夏に冷たい水が入った入れ物に入って涼んでいる子タヌキの様子を参考にして出来たイベント「冷やしたぬき」が開催。(毎年夏には開催されていましたが、新型コロナウィルスの感染防止等により開催しなかった年もありました。)冷たい氷の中にはタヌキの餌があり、氷で涼んでいる様子を見られるのは勿論、氷を噛み砕きながら餌を探して食べている様子が見られるという普段見られない様子が見られるイベントとなっている。

冷やしたぬきが初めて?行われた様子。(写真は動物園の一日より)
最初の冷やしタヌキ(動物園の一日より)

2011年秋頃、子タヌキ全頭が同じ埼玉県内にある狭山市立智光山公園こども動物園に移動。2010年6月25日生まれの雄には「キヌオ」、2011年6月12日生まれの雄4頭には「チャタロウ」、「ハナスケ」、「ポンタ」、「タヌキチ」、2011年6月12日生まれの雌には「ミイコ」と命名。ハナスケの名の由来に関しては、鼻が目立つからとの事。この移動により、智光山公園こども動物園でのホンドタヌキの飼育が再開された。時は流れて、チャタロウは2018年3月23日に死去。それ以降、喧嘩が絶えなくなった様であり、2グループ(1グループはキヌオ、ミイコ、2グループはハナスケ、ポンタ、タヌキチ)に分けての飼育展示が開始。ミイコが2022年06月12日、死去。それに伴い、キヌオ、ハナスケ、ポンタ、タヌキチの4頭の飼育展示を開始。キヌオは2023年03月24日、タヌキチは2023年10月01日、ポンタは2023年12月06日に死去。2024年現在はハナスケのみ。

チャタロウ(狭山市立智光山公園こども動物園の公式Twitterより)
チャタロウ(智光山公園こども動物園の公式Facebookより)
2019年に撮影したキヌオ
タヌキチ
2019年に撮影したミイコ
ミイコ
2020年に撮影したハナスケ
ハナスケ
2020年に撮影したタヌキチ
タヌキチ
2020年に撮影したポンタ
ポンタ

2012年6月21日、ミコが4頭(雄2頭、雌2頭)を出産。

2013年頃、ムサシが死去。

2018年5月頃、小獣舎で飼育されていたたぬおが体調不良の為、一時期展示中止。2週間後に展示再開。

2018年6月17日18時頃、たぬおが死去。死因は老衰。たぬおが死去した事により、小獣舎でのホンドタヌキの飼育歴史に幕を閉じる。

2018年に撮影したたぬおさん
たぬお

2020年7月21日早朝、ミコが死去。

2020年に撮影したミコちゃん
ミコ

2023年09月04日、1頭死去。

亡くなった個体(私含む一部ではミタラシ(仮名)と呼ばれていたが正式名称は無い。)

まとめ
東武動物公園のホンドタヌキは開園から現在まで長く飼育されている動物のうちの1つであり、小獣舎と日本産動物舎で飼育されていた時期もあった。繁殖に関しては小獣舎、日本産動物舎で行われていたが、日本産動物舎で飼育されていたミコは3年間で計9頭を出産、一部の子は他園館に移動して現在に至る。2024年現在、東武動物公園で飼育されているタヌキはムサシ、ミコの子の3頭。兄弟は智光山公園こども動物園のハナスケのみ。

東武動物公園のホンドタヌキ家系図

謝辞
今回のまとめは東武動物公園、多磨動物公園、智光山公園こども動物園の飼育員、獣医を含む多数の職員達から有益な情報をいただきました。この場を借りて深く御礼申し上げます。

追記情報
2024/03/03 情報追加の必要性があると感じた為、追記しました。
2024/03/04 一部訂正、色々な方々から聞いて教えていただいた情報をまとめたものなので、謝辞を追記しました。


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