「昔、人と喋れなかったんです」

コールセンターの仕事場で、SV(スーパーバイザー)の方が、20代前半の男性オペレーターに、お客様との会話の中で、文頭に「えー、、(っと)」というような、英語で言う「well...」のような、「えー」を言い過ぎだと注意した。

因みに、私が聞いていても、そこまで気になるほどではなかったが。。
オペレーターとしては注意しなくてはならない点ではある。

しかし、その注意してきたSVに対して、彼は言った。

「自分、昔、人と喋れなかったんです」「これでもだいぶ、えーが少なくなりました。」

わたしはそれを聞いた瞬間、「彼は強い」「彼は完全に壁を乗り越えている」と思った。

人と喋るのが苦手な彼が、自らコールセンターの仕事を選び、一生懸命頑張っているところ指摘してきたSVに自分でも「えー」と言わないよう必死で頑張っているということを訴えられたのだ。

自分の苦手なことをよく理解し、それを乗り越えるために努力し、周りの人に「自分は〇〇が苦手です」と言うことができる。

正直、そのSVはオペレーターとしては完璧な応対のできる尊敬すべき先輩だが、、、
太っている(笑)
ただのディスりではなく、人には皆、苦手なこと・ものがあるということだ。

私はオペレーターとして、綺麗な日本語を完璧に操るよりも、数倍大変なことを彼は乗り越えていると思う。
コールセンターに電話をして、受け答えが上手くできなくてイライラされる方も、少なくないのではないだろうか。
正直、私も経験がある。

しかし、受け答えがうまく出来なくてもその仕事を頑張ろうとしている証そのものではないだろうか。

もし彼と席が隣になることがあったら、是非とも私も勇気を振り絞り、彼の言葉に勇気をもらったことを伝えようと思う。

そして、皆さん、コールセンターのオペレーターや接客業で不安そうにしている方がいても、一生懸命頑張っているんだと少し見守る気持ちを持ってみてはいかがでしょうか。

一生懸命接客している彼に「丁寧にありがとう」と笑顔で伝える。
そんな風に言ってもらえて嬉しかった彼は、またその仕事を頑張ろうとするかもしれない。

みんな幸せ。そんな世の中なんて難しいかもしれないけれど、ちょっとだけそんな夢のような世界に近づけたなら…

Love u

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