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#69 やらされている子供とやらせる親、吊し上げる大人の話

習い事の話です。
わたしの暮らす地域は子供が多いです。少子化なんて嘘じゃないのと言いたくなるほど。そして当然、保育園も習い事も争奪戦!
結果なんとか滑り込めた保育園でのんびりと6年目を迎える息子は、良くも悪くも「やりたいことしかしない」んだよなぁとまるで他人事の様に思って見ています。
持って生まれた性格、親の影響については「ごめん…」と思うような点が多々ありますが(深く反省)、それも全部ひっくるめて彼。「ほぅ、そう来るか」と感心したり、もちろんキーってなることもあります。

彼は新しい場所や人に対して初めに高い壁を設定してしまう傾向があるようです。まだ小さなうちからキャンプやスキー合宿なんかに放り込んでしまえばよったのかもしれないけれど、ナイーブで神経質気味な彼には苦痛でしかなさそうだったので(わたし自身そういうとこがある)可哀想かなぁと二の足を踏んでいました。とはいえ多少は当たって砕けて傷つきながら学んでいけばいいよな、とあまり熱心な親ではないなりに、なんだかんだチャレンジしました。
実際に行くまでが宥めたりすかしたり盛り上げたりと大変なのですが、行ってしまえば「楽しかったー!またやりたい!」というパターンもあり、そういう時はしばらく続けてみました。反対にダメな時はあっさり諦めました。割合は案外半々くらいかな……本人がせっかく気に入ったのに、現実問題送迎ができませんとかお月謝に目が飛び出したりとか、そんな申し訳ないこともありました。
あとはサッカーや野球などのチームスポーツは親のコミット度が格段に増すので、仕事をしながら完璧に役目を果たせなさそうなので外しました。また、送迎が無理レベルな物や、初期費用がかかりすぎる習い事(バイオリンとか買取のプログラミングとかね)に関しては、家庭を優先して除外していました。偶然なのか息子もそれらに興味があるわけでもなさそうだったので都合が良かっただけですが。
そんな感じでも色々と経験できました。
勉強系は、くもん、学研、しまじろう、スマイルゼミ、Z会、はなまる、オンライン英会話、うんこドリル、ひとりで特訓シリーズ
楽しそうに取り組んだものは少数。やらされてる感バチバチでした。笑
それ以外は、ダンス、テニス、水泳、ピアノ、リトミック、体操教室、などなど
(体験のみで終わったものは省いています)
ちょっとやったけどそんなに楽しくないからもういい、と言われて「あ、そう?じゃ次何する?」みたいに軽く乗り換えていました。

そんな中なぜか続いていたテニス。週末クラスだったので行きたがらないことも少なくなかったのに、行ってしまうと楽しくて続いているようでした。
ところが事件は起きまして。
その日は振替でいつもと違うコーチのレッスンでした。もうすぐ終わろうかという時間になぜか集合させられコートに座る子供たち。叱られるのかなぁと見守っていると(声は全然聞こえない)、息子が何やら手をあげている。しきりにうなづいている。うわ、何かやったんだろうかと嫌な予感。謎のミーティングは5分間ほど続き、そのままレッスン終了。コーチも息子も何も言わないのでわたしからも何も尋ねませんでした。コーチは他の子達に「またな、頑張ろうな」と声をかけていました。
夜きっかけがあって聞いてみると、「コーチにね、テニスやりたくないのにやらされてる人?って聞かれたから手を挙げたの」と。えー?!なんだそれ。
他は誰も手をあげてなかったよ。
ていうか、コーチそんなこと聞く?と意図が図りかねました。別に息子はふざけていたわけでもないし、真面目に取り組んでいたのに。子供のピュアな気持ちを逆手に取って、吊し上げをするなんて大人のエゴじゃないのか、と嫌な気持ちになりました。
あの時、他にも内心手を挙げたかった子はいたんじゃないかなー。息子は思いっきし手を挙げていたけど、その子たちとの違いはなんなんだろうか…と考えてしまいました。

虫の知らせというか、本当に偶然だったのですが
その日の1週間前にお友達のお母さんから誘われて英語のクラスを検討していました。息子はオンラインがいいと言っていたけれど、話し合った結果「体験くらいなら行ってもいい」と。ただ1年生は疲れるだろうから、週末はお休みにしたいという息子の気持ちもよくわかる。
テニスを平日に振り替えてもいいけれど、いつもの大好きなコーチじゃないと行きたくないと言うし、諸々の事情から最早これは継続は厳しいぞということで、その事件の日のレッスンの後に休会届を出そうと2人で決めました。それでもなんとなーくパッとしない息子の表情を見て「今日の振替レッスンが終わってから決めたらいいじゃん」と声をかけると「うん!」と笑顔になりました。

それなのに、こんなことがあったものですから
レッスン後、「ママ、もう英語にするわ」とだけ言ってさっさと自転車に跨ってしまいました。そうして慌てて書いた休会届は受理され、帰宅。あのミーティングの真相を知ったのはその数時間後だったのでした。


不思議なことってあるもんですね。
というかまぁもう息子はやめたかったのかな、ビシッと挙手していたし。
仲良くなってくれたフロントのお姉さんには「○○くん、本当にやめちゃうんですか?大きくなったらまた来てねって言っておいてくださいね!」と言ってもらってなんかホロリ、でしたが
どうかなーまたやりたいっていう日が来るかな。
なんでもいいのだ、やりたいことを見つけられる日まで、母ができることは点をたくさん打つ手伝いくらいだからまた色々やってみよう!と思うのでした。
旅行やキャンプもいいなぁ。コンサートやファームステイも一緒にしてみたいな、それってわたしがしたいだけなのかな?とか堂々巡りしています。

頑張ったね!

るる


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