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#49 クッションに埋めて思い切り叫ぶ日

ぽつん、と滴ったところからじわりじわりと広がるような
微かな違和感があって
もしやと1枚捲ると、すでに乾きかけた大きな染みができていた感じ。

「子育てに向いてないのかもしれない」
とはっきりと思ったのは
出がけに水筒を落として床を抉った息子を叱責してしまった後でした。


「なんで!」と叫んだ声はもはやわたしの口ではない、
どこか別なスピーカーか何かから発せられた音みたいに空々しくて
「もうちょっと注意してリュックに入れたら良くない?なんでいつもそうなの?」
と畳み掛けてしまった(と思う)。
息子の表情は固まっていて
「はい」とだけ言って夫に連れられて扉を出ていきました。

わたしは1人玄関に突っ立ってドアを見てた。


あの「なんで」には修復不能なほど大きくえぐれた床に対する悲しみよりも
たくさんの不満と棘棘したものが混ざっていました
しかもそれは半分、いやもっと多くは夫に対するものでした。(その話は後日書きたい)
隠し持ってたそんな球を息子に直球で投げつけたなんて
わたしはどうかしているのかもしれない。

子育てに向いてない… 
息子にすぐに謝れなかったのもダメだった。


時々、抑えきれなくなってそんな球を投げつけてしまう自分が
ものすごく嫌になることがあります。
投げた後スッキリすることなんてないのに
なぜまた投げてしまうのだろう。

昨日嫌だなと思ったこと、今朝腹が立ったこと、
さっきムッとしたこと
その全ての瞬間に一個ずつは過ぎていった筈なのに
実は一番上の布に染み込んで目立たなくなっただけで
その下の布で染みになっている。

わたしって結構根に持つタイプなのか


一番上の布がもう少し撥水性があれば、なんだって弾き返せてしまわないか。
あるいは珪藻土のようにどんどん吸収してまた乾いてしまえば
涼しい顔でカラリと笑い飛ばせるんじゃないか。


染み込んだやつ捏ねて、丸めて、投げつけるなんてサイテーなやり方だってわかっているのにな。
表面だけ取り繕っていたって、薄い布一枚じゃ色々透けて見えますな、
と情けなくって悲しくってクッションに顔を埋めて叫んだ。

母の資質ってなんなのでしょう。賢い妻ってどうやってモヤモヤを逃してるんでしょう。この辺、わたしは本当うまくできない!

怒らないとかアンガーマネジメントとか、本は沢山読んだけど
性格とか資質を作り替えるのは難しい。また最初からやり直してみようと思います。悩めるお母さん、妻のみなさん、クッション以外のいい方法あったら教えてください。(違うな)

るる


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