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#45 正解を探してしまう人へ ー息子の教育問題から考えたことー

息子の教育について調べていると
「わたし、このままでいいんだろうか?」と
妙な気持ちになる。
アート作品を眺めていると焦ってきて「で、これはなんなの?」と
答えを探してつい解説を読んでしまう。
「これが正解です」と誰かに言ってもらって安心してきたから
わたしには自分で考える・感じるということが
すっぽりと抜け落ちてしまっているらしい

何かこう、しなくてはいけないことを見ないフリしているというか。
教育云々言う前に、自分の学びはどうしたんだっていうのと
「わたしもこんな新しい教育を受けていたら今どんな大人になってただろう」
などと止め処なく考えている。

「関係一時の杖」河口龍夫 の中で


答えは一つじゃない

ということにはっきりと気がついたのは、恥ずかしながら就職を考えていた時で
22歳とかそんな遅い時だったと思う。

正答を常に求め、ベターだと思われる選択をし続け
「正答でないものは全て誤りだ」と疑わなかった。
そうやって走ってきたけれど
初めて就職先を選ぶ時「おや正答がないぞ?」と途方にくれた。
どこが一番いいかなんてわからないし誰も教えてくれない
わたしが行きたいのはどこだろうかと
たぶん初めて自分の頭で考えた

するとこれまで選んでこなかった「正答でない選択肢」だと思っていたものが
無言で背後にひしめいているのに気がついてギョッとした

そこには沢山の意見があった。
正しい、自分に合っているから、と選び取ってきたものよりも
カラフルで色んな形をした意見がじっとこっちを見ていた。

わたしの中で何かがガラガラと崩れた瞬間だった。

なんだ、みんな答えはひとつじゃないって知ってたの?

正か誤か、白か黒かじゃない

世界は本当はそんなに単純じゃない
でも全てを理解して受け入れるのは難しいから、わたしはただシンプルにしたかったのだと思う。
「こちらの方が良い」と言われれば盲目的に信じ
誰かのやり方を真似て1人猪突猛進
(見事に4Cの真逆を行っている)
わたしと違うものを選ぶ人達はたぶん人種が違うのだろうくらいに思っていた。怖

4Cとは今の時代に教育で新たに必要とされる能力で、
Communication(コミュニケーション), Critical thinking(批判的思考), Collaboration(コラボレーション), Creativity(創造性)の4つを指す。

わたしみたいに”ある意味真面目に”取り組んできた人は
少なくないと思う。
自分に似た人を探してそんな人々に囲まれて安心しきっていただけで
実は見ないで来た方の世界の方がずっと大きくて大らかなんだと知らなかっただけか。
性格的にそういった環境は嫌いじゃなかったし、
日本にいる限りそんなに困ることはなかったのも事実で
だからこそ疑ってみること、エンパシーでもって他人の靴を履いてみることを一切避けて通ってこられたのかもしれない。

この「他者の靴を履く」という表現は、ブレイディみかこ氏の本で知ったのだけど英語の定型表現らしい。他人の立場に立ってみるという意味。
脱ぎ散らかされた靴の中から間違えて他人の靴に足を入れてしまった時のえも言われぬあの感じ…!!すごくぴったりな表現だなと感激したからよく使っている

ブレイディみかこ著・ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

ただ意見があるだけ

だけどもうこれからはそんな時代でもないし
息子はきっと、わたしよりずっと早くに頭を打つだろうと思う。

  • こっちの方がいい、と思う物差しは自分の中に常に持っておくこと。

  • どうすれば世界が良くなるかを考えること。

  • いきなり全てを信じないこと。

  • みな「自分にとっての正解」があるということを忘れないこと。

  • そしてそれをそのまま理解すること。

  • 時に理解し難い意見にぶつかっても、一度相手の立場で考える想像力を養うトレーニングをすること。

これは大人でも、いやもうすでに大人だと余計に難しいね。
でもそうやっているうちに
性急に一つの答えを探そうをせずに
だんだんと自分の意見を持って、自身の尺度で物事を判断できる人に
なっていくんじゃないかと
ゆとり世代の母親は思うのです。


そんなことばかり考えていると
IB(国際バカロレア)とか行かせてあげられたらいいんだろうな〜なんて
思うわけですが
自分がそんな教育を受けたいだけなのか。

日本は学びを続ける大人が少ないそうだし
そんな大人を見てこども達はきっと「大人って何にも考えてないんだな」って思うかもしれないから
わたしは学び続けなくてはなぁと思った。

さて、息子の学校はどうしようか。(振り出し)

るる


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