見出し画像

鉄筋コンクリートの巨大ドーム「百年記念会館(Hala Stulecia)」 / ポーランド・ヴロツワフ③

こんにちは。
今日は巨大ポータル〜と勝手に呼んでいる「百年記念会館(Hala Stulecia)」に向かいます。

その前に、市場会館「Dh HALA TARGOWA」に寄る。

ヴロツワフがドイツ領だった1908年に建てられたもの。

見たかったのが、このコンクリートの高い天井。
私はこの旧共産主義ブロックの国が持つ独特の「暗さ」に惹かれる。建築だけではなく影のあるアニメーションや、
(記事「様々なスタイルの建築が混在するウラジオストク②」)

2階には陶器などのお店があるのですが、時間が早すぎたのでまだ開店してなかった。

ファッションもね。
シャネルメティエダールコレクションの中で一番好きなのは「パリーモスクワ」。

Chanel pre-fall 2009 "Paris-Moscou"

なーんて思いながらトラムに乗ってみる。「百年記念会館」は旧市街からトラムで20分くらい離れたところにあるからね。

お向かいが動物園なんだけど、雨のせいか誰もいない。

おー!どっしりとした威圧感。
1911年〜1913年にブレスラウ市の建築家マックス・ベルクの設計により建設された「百年記念会館」。

ドイツ領時代にドイツ人によって建てられた建造物。

鉄筋コンクリート建築における画期的な建造物として2006年にユネスコ世界文化遺産に登録されています。

前にデンとそびえ立つのが Iglica と呼ばれる記念碑。第二次大戦後、ドイツ領からポーランド領に移譲された「回復領」を記念し1948年につくられたもの。

正式なお披露目前に落雷で先端が10mほど吹っ飛んだらしい…

入場料を払って入りまーす。
この建物は6千人を収容できるドームを中心に、左右対称に翼を拡げた四葉型。

天上を覆う円形ドームは直径が65m、高さは42m。完成当時、この規模はローマのパンテオンを上回るものだったそう。

模型を裏から覗くと、天窓の美しさがわかる。

百年記念という名称は、ナポレオンがフランス軍に勝利を収めた1813年のライプツィヒの戦いから100年を記念して建てられたことに由来しています。

展示ブースを後にドームへ。ワクワク〜

わあああ〜

圧倒的量感。自分がいつも接している感覚では捉えきれないボリュームのものに出会った時、どうしようもなく震える。
(記事「巨岩の量感に震え、モニュメントバレーを馬で駆け抜ける / アリゾナ vol.2」)

鋼鉄主流だった当時、鉄筋コンクリートはまだ疑わしい素材だったという。

だからこそ素材選びに一切の妥協がなかったといいます。
オポーレのシレジアセメント工場から供給された特殊セメント、特定の負荷が掛かる箇所にはシフィドニツァ郡Strzegomの花崗岩が使用されました。

窓枠にはオーストラリアから輸入されたアイアンウッドが使用されています。

木型枠の木目が残るコンクリートの表面は、当時斬新なものだったのでしょう。

整然と並べられたオレンジのイスが印象的でした。
これからイベントがあるのかな、見学は2階の限られたスペースのみでした。

スタッフがイスをひとつひとつ丁寧に拭いていました。

ベルクは「素材の真実」を強調するため装飾を拒否。むき出しのコンクリート表面は構造の誠実さの反映。これは鉄筋コンクリート建築の草分け的存在であり、建築におけるモダニズムの始まりとなりました。

なんともカッコイイポータルでした。

またねー

続く。


この記事が参加している募集

旅のフォトアルバム

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?