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普段使いレンズ

高倍率ズームを使いだしてから早20年以上が経つ。
当然、フィルム時代から愛用をしてきた。

最初に買ったのは、確かテフノンというメーカーのもの。
ボディはミノルタのX500。
名機「X700」の弟分になるカメラだ。

未だ若かった私は、体力にも余裕があった。
「色々と撮るには、ワイドレンジのレンズが良かろう」と、中古で高倍率のズームを買い、X500に着けた。
メインでマミヤのレンズ交換型二眼レフと、スリックのグランドマスタースポーツという組み合わせを想定していたので、サブ機としての判断だった。
これにストロボも持参したから、相応の重量になった。
これで真冬の山道を(少しだが)登ろうと言うのだから、我ながら若さの凄さを感じざるをえない。

最初の高倍率ズーム使用となる。
それ以来、時代がAFへと変わり、デジタルへと変わっていくなかでも、使い続けてきたのだ。

しかし…フィルム時代には全く気にならなかったレンズの性能が、デジタルに変わった途端、妙に目立つようになってしまった。
特に望遠端の描写はソフト過ぎていて、コントラストが落ちてしまうのは参った。
メインで使いたいのに納得が出来ない。
自分向きのレンズなのに、性能が足りないと言うのは不満だった。

デジタルはレンズ性能に厳しい。
かといって、高性能なレンズには手が届かない。
それに、大きく重くなってしまえば、手軽に数本分のレンズを持ち運べるような、高倍率ズームのメリットが活かせない。
その齟齬に迷う時期が暫く続いた。

そして今回ようやく気付いた。

「ズーム比が高くない方が全体の性能は高い」

…セットズームよりも僅かにズームレンジが広いレンズを選ぼう。
ちょっとだけ高級な、しかし、大きく重くないレンズを。
そこから導き出したのが
「18-125ミリ」「16-105ミリ」
…の両レンズだった。

18-125ミリは、以前所有していたことがあった。
性能にも特に問題を感じてはいなかったが、当時はレンジが広い方が良いという考え方だったので、望遠側の焦点距離が長い物へと流れる傾向だった。

16-105ミリはSONYの純正レンズで、値段が心配だった。
しかしそれも杞憂で、実は思ったよりもずっと手頃な値段で売っていた。
これは嬉しい誤算だった。

即決で(私にしたら珍しいことだ)購入し、その足でテスト撮影を行った。

思うよりも望遠でのボケ味が良い。
明るくもないレンズなのだが。
自然なボケだ。
最近接では光線によってはフレアっぽくなるが、ピントの芯はちゃんと出ているので問題ない。

広角側は35ミリ換算で24ミリ程度だが、気になるほどの流れはない。
ボディがα55なので、補正が行われないはずだが、嫌な歪み方にはならない。
唯一気になるのが、普通枠のフィルターだと四隅がケラレがちになるので、薄枠のフィルターが要だと言うことくらいか。
また、逆光耐性は優れているという程でも無いが、悪くもない。少し木の枝などにパープルフリンジが出るが、これも許容範囲だ。

うん、これで十分。デジタルへ変わってから、ようやく「普段使いレンズ」に出会えた。
目出度し!!。

これで例えば紅葉を撮りつつ、石仏を撮ったり、面白いブツを見つけたりしても、記録をしておける。
セットの標準レンズでは足りなかったボケが、焦点距離がアップすることで、背景処理が可能になった。

ズーム比7倍程度のレンズは、使い心地が良い。
これなら少し高価にはなっても、明るいレンズがリリースされれば、オススメもしたいところだ。


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