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夏みかん

夏みかんをお裾分けして頂いた。なんと自宅のお庭から収穫されたそう。
昔20年くらい前に子供が食べた夏みかんの種を庭に植えていいか?と聞かれて試しに植えたら今は年によって差はあるもののたわわに実がなるのだそう。
まるで寄席か絵本にでもありそうなノンフィクションで味もしっかりしてて大きくておいしい。

あまりに立派だったので
お正月飾りに

おいしくいただいた後やはり物語を続けるべく小さなベランダの鉢に植えた。その後春になり発芽したのだけど(これから箱庭ブームになり長野のりんごの種やら拾ったどんぐりやら無差別に発芽チャレンジがはじまる)

双葉から本葉とすくすく育ち出した頃からそれは始まった。アゲハの幼虫を育てるかミカンを守るか。どこからともなく現れたアゲハチョウが卵を産みつけていく。一個だけではない。そしてその後に鳥の糞に擬態したみたいなシロクロの子が現れる。この子達はこちらが心配になるほど食が細い。そしてここからなのだ。いわゆるイメージしやすいアオムシに変態する。途中経過を見る事ができなかったけど急に鮮やかなグリーンになる。まさに腹ペコあおむし。すんごい食欲であっという間に葉っぱはなくなる。そしてアゲハチョウのアオムシは他の葉っぱを食べない白菜とか小松菜じゃだめ。柑橘系のそれも生まれ時に食べたやつしかだめなのだ。これは完全にバグ。何でも食べれる方がいいのにw
葉っぱの無くなったもはや針の筵のように小枝に止まっていると目立ってしまう、、、そのうちスズメバチや鳥に捕食されてしまう。その後アオムシがいなくなって葉が出てくる。ぼうぼうのジャングルみたいになってないのにまたアゲハチョウが遊びにくる。おかぁーさまー!やめてください!お子様を育てるにはウチの夏みかんは足りません!ウチのキャパじゃ無理なんですーせめて来年とかなら!ウチじゃムリですってばー!!
という思いもむなしくアゲハチョウのお母さん達が3.4回ほど産卵しにきましたが一度もサナギにさせてあげれませんでした。ごめんなさい。
夏が終わり冬の気配がする中でベランダの小さな鉢は葉っぱは少ないけど茎は少したくましく根を張った小さい夏みかんが生きている。その一進一退の日々を見守る時間は私にとって潤い彩りをくれる。次の春にはサナギからチョウになるのを見れるといいのだけど。また冬に図々しく夏みかんをおねだりして株を増やさなければ。


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