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同調率99%の少女1~13

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那珂が主人公のオリジナル小説。 鎮守府Aの物語 1~13巻分まで
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同調率99%の少女(13) :まとめ

--- 6 まとめ  川内たちが出て行った後の執務室、那珂は秘書艦席に座り、カリキュラム調整の作業を再開していた。すでに17時を回っている。那珂はさきほどの川内と神通の運動神経の違いを頭に浮かべていた。ハッキリ言って全然違う。凄まじく違う。  次に提督が言っていたことを反芻する。  艤装は腕力や俊敏性は増すが、基礎体力や持久力は増えない。艤装を装備して同調すれば大抵の作業はその超絶パワーアップした身体能力でもってラクラクこなせる。それは那珂自身、これまで経験ですでにわか

同調率99%の少女(13) :基本訓練(導入)

--- 5 基本訓練(導入)  昼食が終わって那珂たちは本館へ帰ってきた後、それぞれの作業の続きをした。那珂は訓練のカリキュラムの調整の続きを、川内と神通はカリキュラムの中の座学たる"一般教養"と"艤装装着者概要"を、教科書を使っての独学を再開した。  二人は那珂と提督から、教科書を繰り返し読めと指示を受けたため、一旦その本をコピーしにコンビニに出かけ、必要と思われるページをコピーしたのち、二人で分けて読書を再開した。原本は川内の強い勧めにより、神通が持ち帰ることとなった

同調率99%の少女(13) :幕間:将来

--- 4 幕間:将来  那珂たち3人を連れた提督は近くの居酒屋に連れて行った。まだお昼の定食メニューは続いている時間だ。4人は店に入り座敷席に案内された後、それぞれ好みのメニューを頼み待つことにした。  冷水をコクッと口にした後、那珂が喋り始めた。 「提督はこの店よく来るの?」 「あぁ。お昼もよく使うし、夜もたまに明石さんたちと……って何言わすんだ。」 「自分で言ったんじゃん!へぇ~明石さんたちとここでよろしくしちゃうんだぁ~」  わざとらしくニヤケ顔で提督を茶

同調率99%の少女(13) :訓練に向けて

--- 3 訓練に向けて  翌日火曜日、夏休み初日となって気分が一新された那美恵は流留と幸に連絡を取り、今日は鎮守府へ行くと伝えた。 「おはー!今日はあたし朝から鎮守府行くよ。二人はだいじょーぶ?」  すぐに流留と幸から返信が来た。 「おはようございます!あたしも朝から行けますよ~」 「おはようございます。私もこれから出発します。どこかで待ち合わせでもしますか?」 「それじゃー、○○駅の改札出たとこにしよ?10時半でいいかな?」 「OKです。」 「はい。了解い

同調率99%の少女(13) :平穏な初日

--- 2 平穏な初日  鎮守府に一番近いコンビニで昼食を買って川内と神通は鎮守府の艦娘待機室へと戻ってきた。するとそこには先ほどいなかった村雨がおり、夕立と不知火に何かを伝えていた。 「……というわけよ。二人とも大丈夫?」 「はい。問題ないです。」 「はーい。おっけーおっけーっぽい~」  村雨は二通りの反応を目にして、最後の夕立に対しては額を抑えて再度言った。 「ゆう……本当にあなた大丈夫なのね?」 「え~なんで疑うの~?」片方の頬をふくらませて不満げに夕立は

同調率99%の少女(13) :夏休み開始

--- 1 夏休み開始  川内と神通の着任式を終えた翌週月曜日は那美恵たちの高校の終業式の日だった。翌日からは、1ヶ月と少しの長い夏季休暇が始まる。那美恵はもちろんのこと、流留と幸の二人も、この夏休みを艦娘の活動に費やそうと考えていた。  終業式が終わると、生徒会は一学期の生徒たちの総まとめとしての申請書類・報告書の整理や教職員への報告に追われることになる。普通の生徒たちが午前中で早々に帰るのに対し、お昼すぎまで残ることになっている那美恵たち。さすがに艦娘部のほうに気が回

同調率99%の少女(12) :終演

--- 6 終演 「さて、宴もたけなわではございますが、このあたりで懇親会を一旦閉めさせていただきます。」  提督の音頭の声が響き渡る。  時間にして16時。夕方にさしかかっている。片付けの時間や、主婦組の妙高と大鳥夫人からすると、家事に戻らないといけないため、タイミング的にはちょうどよい。 「ねぇてーとくさん!余ったお料理はどうするのぉ?」  夕立が声を張って質問した。 「そうだなぁ。食べられそうなものは食べきってもらって、あとは処分するか。」 「もったいなー

同調率99%の少女(12) :提督と艦娘たち

--- 5 提督と艦娘たち 「今の…聞かれちゃったかな?」 「どうだろ?うちら小声だったから大丈夫なんじゃない?」  普段の様子と裏腹に本気でさきほどの自分の発言に対する反応を気にする那珂。三千花は無事であるだろうと想像して平然と適当なフォローをする。  五十鈴は何度かチラチラと背後の提督を見るが彼と川内や神通たち5人が気づいた様子はないとふんで一息つく。 「って、なんで私までドキドキしなきゃいけないのよ!」  努めて小声で那珂に怒鳴る五十鈴。 「知らないよぉ~

同調率99%の少女(12) :川内・神通・不知火たち

--- 4 川内・神通・不知火たち  川内と神通は三戸と和子、そして不知火と話していた。川内は夕立と同じく皿いっぱいに料理を盛って手に持って食べながら会話に参加している。 「内田さん結構食べるよなぁ。女の子でその量って珍しくない?」  三戸は同意を他の女子3人に求めると、その意見に賛同したのか3人共コクコクと頷いた。 「え~そうかなぁ~。あたしは普通に食べてるつもりなんだけどなぁ。てか三戸くんもっと食べなよ。君だって食べるでしょ?」 「いやまあそりゃ食べるけどさ、さ

同調率99%の少女(12) :那珂と五十鈴

--- 3 那珂と五十鈴  那珂も五月雨たちの場から離れて三千花らのところに戻った。 「なんだったの、西脇さんと五月雨ちゃんたち?」 「うん。ちょっとね。艦娘の装備についての話だった。」 「ふ~ん。」  特に細かく言う必要もないだろうとふんだ那珂は三千花の質問に簡単に答えるだけにした。  那珂たちはやはり身内の高校生で固まって会話に興じている。五十鈴も少し話すうちに同学年の三千花とも打ち解けあい、お互いの学校のことや趣味のことについて喋り合っている。  一方で1

同調率99%の少女(12) :五月雨・時雨・夕立・村雨たち

--- 2 五月雨・時雨・夕立・村雨たち  五月雨達は大鳥婦人の娘を取り囲んでおしゃべりに興じている。 「ねぇさつきちゃん。」 「え?なぁに高子ちゃん?」  大鳥婦人の娘が五月雨を本名で呼ぶ。最初の艦娘であり大鳥親子とは提督ともども他の皆より面識がある五月雨は彼女と最も親しい。五月雨は大鳥婦人の娘へ向いた。 「みんなお友達同士で艦娘のお仕事って、どう?楽しい? 学校では人気とかある?」  一般人の純粋な質問を受け、五月雨は時雨たちと顔を見合わせて答え始める。 「

同調率99%の少女(12) :懇親会開始

--- 1 懇親会開始  懇親会会場に移動した一行は、会議室で色とりどりの料理と飲み物が用意されていることに驚いた。 「うわぁ~すんごい料理とお菓子の数。提督よくこんなに用意したねぇ?」  那珂が感心すると、提督は皆を手招きでテーブルの周囲に案内しつつ答えた。 「半分は買ってきたお菓子や料理で、もう半分は、妙高さ……黒崎さんと大鳥さんのお二方のお手製料理だ。お二人がうちの近所にいてくださってよかったよ。本当にありがとうございます。」  提督は那珂たちに向かって答えた

同調率99%の少女(11) :着任式

--- 5 着任式  那珂がふと時計を見ると、あと2~3分で14時という時間になっていた。ほどなくして近くの階段を提督と阿賀奈を連れて五月雨が降りてきた。 「みなさーん。お待たせしました。これから着任式を行います~。内田さんと神先さんはこっち来てくださーい。」  ロビーに足を踏み入れた五月雨が号令をかける。提督は五月雨に合図をして着任式の行われるロビーの一角、先ほど五月雨たちが準備をしていたテーブル付近に立つ。  そこは、那珂が着任式をしてもらったときと同じ場所だった

同調率99%の少女(11) :着任式直前

--- 4 着任式直前  鎮守府Aの本館に着いた那美恵たちはひとまず暑さを逃れるため早々にロビーに入った。那美恵は提督を呼ぶために執務室へと向かった。この日の主役である流留と幸はどうすればいいのか手持ち無沙汰でボーっとするか、友人たちと雑談するしかなかった。  那美恵が行こうとすると、阿賀奈が呼び止めた。 「ちょっと待って光主さん。挨拶しなくちゃいけないから先生も一緒に行くわぁ。」 「はい、お願いします先生。」  5人を待たせて那美恵は阿賀奈を連れて執務室へと向かっ