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同調率99%の少女1~13

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那珂が主人公のオリジナル小説。 鎮守府Aの物語 1~13巻分まで
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2016年9月の記事一覧

同調率99%の少女(10) :三人で行く鎮守府

--- 6 三人で行く鎮守府  ついに那美恵の高校から3人の艦娘が揃うということで、那美恵は翌日の放課後に鎮守府に行こうと流留と幸を誘った。流留は一度行っているので別にいいと言ったが、那美恵はそんな意見は無視して流留を強制参加させた。一方の幸は初めての鎮守府ということで、どもりながらも行く意思を伝える。  三千花らは艦娘部の勧誘活動から解放されたため、先日をもって艦娘部と生徒会の協力関係は一旦終了と区切りをつけて那美恵たちとは以後別行動をすることになる。その後は親友の那美

同調率99%の少女(10) :艦娘になろうとする少女

--- 5 艦娘になろうとする少女  那美恵と流留はお昼時、約40分弱かけて鎮守府から高校へと登校してきた。艦娘たる少女たちが自身の学校に遅刻しても怒られずに済むのは、大本営(防衛省・厚生労働省・総務省の艤装装着者制度の担当部署をまとめた呼称)および鎮守府と、各学校の制度内における提携により、少女たちの学生生活の保障がされるからである。  そのため二人は堂々と午後登校をすることができた。  那美恵は手に紙袋をぶら下げている。それは午前中に同調の試験をして合格した神通の艤

同調率99%の少女(10) :神通受け取り

--- 4 神通受け取り  翌日、那美恵と流留は9時手前に鎮守府のある町の駅の改札口付近で待ち合わせした。 「おはよ、内田さん!準備おっけぃ?」 「はい。問題ないでっす!」  軽く言葉を交わし合った後鎮守府に向けて歩いて行く。鎮守府に到着した二人はまず本館に入り、執務室を目指す。後ろから流留がついてくる。  コンコンとノックをする。すると、中からは男性の声が聞こえてきた。 「失礼します。」  那美恵は丁寧に言い扉を開けて中に入る。 「おはよ、提督!」 「おぉ

同調率99%の少女(10) :二人で行く鎮守府

--- 3 二人で行く鎮守府  那美恵は神通の艤装のコアユニットを、流留は川内の艤装のコアユニットをそれぞれ紙袋に入れて手に下げて、高校から駅までの道をテクテクと歩いている。高校~駅間は、歩きでおよそ10分。途中にはアーケード街があり、通学路の一つはその中を突っ切って設定されている。様々な店が構えるアーケード街、学生たちにとっては誘惑も多い。買い食いはもちろん、ガッツリと買い物をして帰宅の途につく学生も多い。  すっかり仲良くなった那美恵と流留は、ペチャクチャとおしゃべり

同調率99%の少女(10) :神通の艤装

--- 2 神通の艤装  明石から(こっそりと)神通の艤装のコアユニットを受け取った那美恵。これで生徒会室には艤装が2つ存在することになる。時間も時間なので那美恵たちはそれぞれの教室に戻り、午後の授業を受け始めた。  その日の放課後。夕方、那美恵達は生徒会室へと集まった。流留は生徒会メンバーではないのでそう何度も生徒会室に行くのをためらって校内をぶらぶらしつつ、三戸とメッセンジャーにて会話をしていた。だが部室のない艦娘部としては今は仮に生徒会室を使おうと那美恵から言われて

同調率99%の少女(10) :川内の艤装

--- 1 川内の艤装  流留の問題が一応の収束を見た次の日。生徒会本来の仕事も適当に片付いて落ち着きを取り戻した生徒会室。那美恵は大事なことを思い出した。それは、エネルギー切れを起こした川内の艤装のことである。  明石には学校から来校の許可をもらっておくから待っててと伝えたその日から数日経っていた。これはまずいと思い、那美恵は学年主任を経由して教頭・校長に明石の来校の許可を貰いに行った。  教頭から許可をもらい、改めて明石が来る予定の日程を聞くように言われたので、那美