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一番最後に感じる季節


やっと秋が見えてきた気がする。

今日で9月の平日が終わるけど、昨日も真夏日だったし、明らかに秋の比重が少なくなっている。大問題である。

秋が短いのは困るので、私は9月に入った時点で暫定的に「今日から秋だ」と仮定した。

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これでも、もう20年も生きているので、地球温暖化が進んでいることも知っているし、秋が短くなっていることもわかる。

季節を気温に合わせてしまうと、いくらなんでも秋は短すぎるのである。

だから、9月になってからは金木犀の香水もカメリアの香水も解禁した。だって暫定秋だから、もう使っていいことにした。

そりゃ願わくば、もう少し乾燥した空気とともに使いたい。けれど、金木犀の香水を纏って堂々とできるのは秋だけなのである。

春に金木犀の香りを纏うのは、なんて言うか、なにかが違う。旬じゃない感じがするのだ。

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人生において、四季の中で一番最後に感じる季節は何なのだろうと思う。

私は2月生まれなので、生まれて初めて経験した季節は、紛れもない冬であった。

赤子が寒がらないようにと考えた祖父は、常に私のことをストーブの前に置いていたらしい。そりゃあ生まれてすぐに汗疹ができるはずである。まぁつまり、それくらい寒い季節に生まれた。

そう考えると、私は秋が一番最後なのだ。
一番最後に感じた季節で、経験回数がいつも最後まで少ない、そういう季節なのだ。


いま、20回目の秋を迎える。
寒くなれば、21回目の冬を迎えることになる。

季節の始まりはいつだって春だと思い込んでいたけれど、季節の始まりは人によって違うのだ。

アニバーサリーイヤーの20歳のフィナーレに一番好きな季節が来るように仕向けられていたとは、中々巧妙である。

成人式で合法的にお酒飲めないんかい!と思っていたけれど、秋を最後に感じられるのなら、冬に生まれるのも案外悪くなかったのかも知れない。



p.s.
12月とかに産んでくれればよくない?
そしたら冬生まれだったし成人式お酒飲めたわ

よろしければぜひ♡