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クロアゲハ

朝、なんとなく神社へ行ってみたい気になり、
電車で3駅先の産土様に行ってみた。
龍がたくさんいることで有名な神社だ。
御神木のイチョウの木に、手を触れて帰って来た。

暑さもあり、人が少ない境内で、
嬉しいことがあった。
すぐそばにクロアゲハが飛んできた。

黒い蝶は、"良いことが起こる前触れ"と言われ、
昔から神社の境内など、神様が祀られている場所の近くで見かけることが多いので、「神様の使い」と考えられている、と何かで読んだ。
神様が歓迎してくださっている、という"知らせ"を黒い蝶が伝えにきたのだというのだ。
朝の気分からして、この偶然は嬉しい。

クロアゲハについて調べてみると、戦国武将は蝶を好んだという話に行き着いた。
蝶は再生・復活のシンボルで、兜や鎧、戦の時に着る陣羽織には蝶の模様があしらわれたという。
織田信長も、陣羽織に蝶を入れていた。
転生してこの世に復活するという願いを、蝶に託したらしい。
そういえば、濃姫は帰蝶とも呼ばれる。

「鎧蝶」という言葉は、現代では家紋くらいにしか残っていないようだが、これは、クロアゲハのことだという。
蝶の家紋を調べると、いくつもある。
揚羽の蝶から始まり、蝶車、揚羽飛び蝶、三つ飛び蝶・・・と綺麗な家紋が揃っている。
戦国時代の甲冑の多くは黒い色をしており、クロアゲハの黒が重厚な甲冑を思わせたためらしい。

クロアゲハは、武将たちのお気に入りの蝶だったようだ。

死を恐れず勇敢に戦った結果、手柄を立てることができたことから、
鎧蝶=クロアゲハ
武士の守神というように考えられたらしい。
クロアゲハは、勝負運、仕事運のシンボルとなったそうだ。


死と再生は、ユング心理学のテーマにもある。
「今までの古い自分が死ぬことにより、新しい自分として生まれ変わる」
新しい価値観や生き方を持った自分になる、というテーマだ。



少し休憩して動き出すと、再び、頭の横をクロアゲハがかすめた。
大きくて立派なクロアゲハだった。





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