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「トワイライトゾーン」の中の『イェーツ』

「トワイライトゾーンに、イェーツの詩を朗読するシーンがあるんだ。」
そんな素敵な話を聞いて、見ないわけにはいきません。

『Her Pilgrim Soul』

1日に10年分成長してしまう女性ノーラ。年老いて、いよいよ旅立つとき、ずっと側にいたケビンがイェーツの詩を朗読する・・・。
紹介してくれた友人は、その場面を見ると、「歯磨きしていても嗚咽しちゃう!」と。

映画にもなったフィッツジェラルドの小説「ベンジャミン・バトン」は、80歳で生まれ、若返っていく中で最愛の人に出逢う数奇な人生でした。

こちらは、赤ちゃんから少女へ。そして、あっという間に最愛の人の年齢を超えていく美しい女性ノーラのお話。
ノーラは、あるきっかけで思い出すのです。
自分の過去世で何があったのかを・・・。
そして、ケビンが最愛の人であったことを。
なぜ、ケビンが現世で子供を欲しがらないのかも・・・。

いつも私が思っていること・・・。
人の本質の美しさ、魂の純粋さを見ていたい。
見た目やステイタスではなくて、その人だけが持つ内面の素晴らしいところを。
滲み出てくるようなものを。
その空気感を伝えたいときに、どう表現したらいいのかしら?と迷う時があります。
それを、問われている気がしました。

朗読の場面は、しっとりと切ない。
歳を重ねても美しく素敵なノーラ。

あの懐かしいトワイライトゾーンの中に、こんなお話があったなんて。

イェーツ。
不思議な偶然で、感覚的に鋭い方に、その美しい声で聞かれたことがありました。
「今、イェーツが浮かびました。あなたは詩を書かれますか?」
私は、その時にはイェーツを読んでいませんでした。

あなたの内の巡礼の魂を愛した・・・。
深く心に残ります。




「あなたが老いる時」

あなたが老いて 灰色の髪で眠りに満ちて
炉のもとで揺られる時 この本を手にしてくれ
ゆっくりと読みながら 夢見てくれ
在りし日あなたの目にやどった 優しいまなざしを
深い翳りを
どれほどの者があなたの嬉しげな微笑を愛し
愛の偽りや真で あなたの美しさを愛したかを
だが一人の男が あなたの内の巡礼の魂を愛し
移ろいゆくあなたの顔の悲しみを愛したことを
あなたは燃える薪のそばで身を屈め
つぶやいてくれ 小さく悲しげな声で
どのように「愛」が逃れ 山の彼方へ歩み去り
その顔を星の群れの中へ隠してしまったかを



When You are Old

When you are old and gray and full of sleep,
And nodding by the fire, take down this book,
And slowly read, and  dream of the soft look
Your eyes had once, and of their shadows deep,
How many loved your moments of glad grace,
And loved your beauty with love false or true,
But one man loved the pilgrim Soul in you,
And loved the sorrows of your changing face,
And bending down beside the glowing bars,
Murmur, a little sadly, how love fled
And paced upon the mountains overhead
And hid his face amid a crowd of stars.












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