金柑と備前焼

画像1 金柑は木からもいできたので、大きさもまちまち。喉にいいので毎年煮ることにしている。備前焼の大皿に盛ると、金柑の色が鮮やかに引き立つ。緋襷の部分が隠れてしまうけれど。緋襷とは、焼くときに藁があたった箇所が緋色に発色した模様。窯の中の温度や松割木の灰、窯入れの際に入れた藁などが作品と重なりあって現れる。計算と偶然によってできる焼き色は神秘的だ。でも、大皿はのせるものを引き立ててこそ。大らかに受け止めて主役を引き立てる度量がある皿。人間も、そういう人は温かくて魅力的だと感じる。備前焼の大皿のような。土のような。

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