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【ショートショート】ほんとに天動説

大地は巨大なゾウの背中に乗っており星空は天井から吊るされている。
波打ち際から岸と垂直方向に船を進め何日も何日も行くと大地の果てに辿り着く。
そこは滝のように海の水が流れ落ちその先は、どうなっているかわからない。
 
冒険者は、敢えてそこに突っ込んで行き、船ごと落ちて行く。どこまでもどこまでも落ちていく。
どんどん加速してゆくに従い、空気が薄くなり、真空に近付いて行く。
酸素が薄くなり皆気を失う。
重力だけはそのままなので更に加速してゆき
長い時間をかけ、ついには光の速さと同じになる。

時空が歪む。

そこには無数の船の残骸や乗組員が存在しているが、人はそこでは生きられないので、その様子を見ることはできない。

実は、そこから横を見ると巨大なゾウを見ることができる。

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