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4/6 子どもたちへ



君の行く道は 果てしなく遠い
だのに なぜ 歯を食いしばり
君は行くのか そんなにしてまで

これは「若者たち」という歌のはじまりの歌詞である。坂本九さんの歌だ。

先月、「若者たち2014」というドラマを観終わった。この作品は、父母を亡くした長男を演じる妻夫木聡が、次男の瑛太、長女の満島ひかり、三男の柄本佑、四男の野村周平、を養うため、家族の幸せのために、がむしゃらに社会を生きる泥臭い作品である。登場する若者たち全員が、罪を償う重さや、命の尊さ、守る愛、などさまざまな現実と向き合い、自分と闘って、生きていく熱い熱い物語である。ここで流れる曲が、森山直太朗が歌う「若者たち」。何度も流れる。鼻歌verもあるくらい。またそれが、作品のストーリーに寄り添っているというか、合っているというか、すっごく良いんだよね。だから今も頭から離れないで、この冒頭のように流れてくる(笑)


続きはね、


君のあの人は 今はもういない
だのに なぜ なにを探して
君は行くのか あてもないのに

君の行く道は 希望へと続く
空に また 陽が昇るとき
若者はまた 歩き始める
空に また 陽が昇るとき
若者は また 歩き始める

こんな歌詞なんだ~。
この歌詞が私に「」を感じさせてくれてさ~、日々送る生活の先には「希望」があるんだよ~、見えるんだよ~、大丈夫だよ~、だから頑張りなね~って誰かが上から微笑んで見てくれているような気持ちになる。

私は22年度、担任を務めたクラスのみんなに
学年修了おめでとう」と「進級おめでとう」の気持ちを込めて、
この歌の最後の歌詞をプレゼントしたんだ。


残念なことに、私は6月から休職して22年度中に復職できず、時が経って現在に至るわけです。悔しいですよ。子どもたち(生徒)の成長を通信や写真、動画で見てきて、自分はその場にいない、でも子どもたちは自分たちの力で22年度を頑張って終えたんだ、誇りだ、でもなんでこんな素敵な子どもたちや先生に恵まれているのに私は頑張れなかったんだ、って感情がぐちゃぐちゃですよ。「私たち、とても成長しました!」「学年最終日に催し物をするから見に来てください!」ってお手紙をもらっても、行きたい気持ちは山々なのに今の自分では行くことは叶わなくて。だから、せめて「頑張ったね!そして次でも頑張ってね!」の気持ちだけは届けたいと、紙に歌詞を書いて届けてもらいました。伝わったかな?伝わってるといいな。



先日、子どもたちからメッセージと動画をもらった。

わたし、あの子たちと初めて会って、一緒に成し遂げたことって「学級目標を全員で決めたこと」なんです。でも、それだけなんです。本当序盤の序盤でしょ?4月に新しく採用された学校で出会って、約2か月も一緒に過ごせてないんです。これからいっしょに頑張ろうって時に現場を離れてから、一度も会っていないんです。

なのに、メッセージの言葉を読んで、動画を見て、涙が止まりませんでした。ただの子どもたちの「ありがとうございました」ではなかったから。あの短時間で私のこと、よく見てたんだな、って。あの意図に気づいてくれたんだな、って。あのことがあって頑張れているんだな、って。ふつふつ。
子どもたち全員に認めてもらおうなんて傲慢です。だれか一人「自分が大切にしたかったこと」に気づいてもらえたらそれで十分なんです。
たった2か月だったけど、そう逆に気づかせてくれる生徒が一人でもいたことにとても勇気と自信をもらったような気がします。ありがとう。



君の行く道は 希望へと続く
空に また 陽が昇るとき
若者はまた 歩き始める


私の目標は「希望を胸に元気な姿で夏に復職すること」
その日が来るまで、今を懸命に生きていきたい。

こどもたちへ
私と出会ってくれて本当にありがとう。
必ず戻ってくるからね。それまでお互い成長して再会しようね。
進級おめでとう。これからの未来もきっと大丈夫だよ。