Synology NAS "DS218" のHDD交換

導入録はこちら

背景と反省

ストレージの空き容量が20%を切ったので、低用量通知が来た。
そろそろ交換だと思い調べたところ、SynologyのSHR (RAID構成)の仕様を勘違いしていたことを理解した。いやはや説明が4ベイ以上のものを前提に記載されており、容量大きいのを追加するだけでは増えない(普通に考えてみれば、確かにその通りだ。

この教訓を活かし、最初に以下を確認しよう!
https://www.synology.com/ja-jp/support/RAID_calculator
SHRで組む場合には4ベイ以上の製品をお勧めする。

どのみち、データ整理して削減する時間が惜しいので、2台とも交換する方針で決めた。

価格調査

相場を確認すると、想定よりも全くHDDの価格が下がっていなかったことに驚き。そこまでデータ量が必要なユーザーは少ないし、M.2 NVMe SSDが主流になり、下がらなかったのだろう。

6 → 8 TBにしたところで、どうせ1TBちょっとしか増えない。2台交換となると費用もかかるので、スプレッドシートで簡単にデータ使用量実績から各々のHDD容量でデータ不足となる日を見積もり、減価償却っぽい金額を算出してみると、16TBあたりが一番コスパが良かった。
しかし、2台ともなると10万前後と高すぎる。。。12TBか14TBあたりが現実的か。

HDD容量と減価償却費

グラフは、データ使用ペースが実績と同じ1倍が青線、カメラ性能の向上とか色々と使用ペースも変わると思い 1.2 / 1.5倍も併記。14TBの例で、1.5倍のデータ消費ペースで年間15000円だ。まだまだクラウドよりは安い(Google Cloud Starge: $0.023 [GB/月] => 14TB=$3864/年)。
1年
(NAS選択肢として無い)/3年/5年保証と色々流通しているのもあって、中々に判断が難しい。

HDD交換手順について

公式ガイドはこちら。

故障や不良ではなく、2ベイ全て使用中のため、ページ下部の以下項目記載の手順だ。

「ドライブを交換してストレージ プールの容量を増やす」

ドライブを交換する(未使用のドライブまたは空のドライブスロットがない場合):

https://kb.synology.com/ja-jp/DSM/help/DSM/StorageManager/storage_pool_expand_replace_disk?version=7

故障・不良時は同じページの上のほうだと思う。
どっちにしてもホットスワップがついているため、単純にHDDを順に交換していくだけだ。
自分の場合、Data Scrubbingの実行履歴がなかったため、取り掛かる前に、念のため実行しておいた。1.7日ぐらいかかった。これも後でスケジュール設定しておく。

手順① - DSM 1/2

  1. [ストレージ マネージャー] [ストレージ]を選択、
    ストレージ プールの右上のメニューを開くアイコン(下三角)をクリック

  2. [ドライブ情報]より最小の容量のドライブをチェック

  3. ドライブを無効化

    1. [HDD/SSD] ページに移動します。

    2. ドライブを選択します。

    3. [操作] > [ドライブを無効化] をクリックします。
      (ここから手順③の修復をかけるまでビープ音が鳴り続けるので、
      お気を確かに!)

手順② - Synology NAS本体 - HDDの換装

(ホットスワップ未対応の場合、この作業前後でSynology NASの電源OFF/ONする)

  1. HDDトレイを抜く

  2. トレイのHDDを新しいものに換装

  3. HDDトレイを戻す

手順③ - DSM 2/2

  1. [ストレージ マネージャ] > [HDD/SSD] の順に進み、新しいドライブが認識されているか確認

  2. [ストレージ] ページに戻り、
    [劣化] のステータスにあるストレージ プールを修復

    1. ストレージ プールの右上のその他メニューアイコン(3点リーダー)をクリックして、[修復] を選択

    2. 交換するドライブを選択してストレージ プールを増設

    3. ウィザードに従って終了

交換するドライブをすべて交換できるまで上記の手順①~③を繰り返す。
当然、修復には大変時間がかかり、自分の場合だと12時間強はかかっていた。

反省2 - 低用量通知

前述の[修復] 、実は高速修復という機能がSynology NASにはある模様。
しかし、使用量が80%を超えるとこのモードは使えず、デフォルトの低用量通知は20%切った時なので、故障時を除いてほぼデフォルトで使えない。
単純に未使用領域をスキップするだけみたいだけど、どのくらい違うのか…低用量通知は21%とか数%上に設定しておくとよいかもしれない。

修理プロセスの短縮

従来の再構築方法と比較すると、高速修復はストレージ プール内の未使用スペースをスキップして、修復速度を加速し、RAID 保護をできるだけ速く再開します。このオプションは、デフォルトにより有効になっています。
… 注: … 
・ストレージ プールは、修復プロセスを加速するために、高速修復用の十分な未使用スペースを必要とします。ストレージ プールの使用量が80%を超過すると、システムは自動的に通常修理に修復モードを変更します。

https://kb.synology.com/ja-jp/DSM/help/DSM/StorageManager/storage_pool_repair?version=7
  • 低用量通知の変更方法

    1. [ストレージ マネージャ] > [ストレージ] ページ

    2. ストレージ プール > ボリューム 右上のその他メニューアイコン(3点リーダー)をクリックし、[設定]を選択

    3. ポップアップした[設定]画面から、低用量通知の数字を変更する

低用量通知設定 ステップ2
低用量通知設定 ステップ3

反省3

実は、公式ガイドの読み込み不足で、
1台目HDD交換は、ドライブの無効化を忘れ、故障対応よろしく いきなりHDDトレイを抜き、修復をかけました。。。特に問題はありませんでしたが。

似た手順が同じページや他のページにも載っていて、取り違えました。SynologyのHPは大変良くできていて丁寧ですが、大分冗長に見えるので、結構目が滑ります。
皆さんも、一文一文しっかりと読んで、見つけたらページ保存だけでなくて、ページ内のどの部分かまでメモして進めるとよいと思います。
(私の場合、このnoteがメモです笑)


Data Scrubbingのスケジューリング

特に難しいことはないです。

  • Data Scrubbingスケジューリングの設定方法

    1. [ストレージ マネージャ] > [ストレージ] ページ

    2. ストレージ プール 上段の[Data Scrubbingを実行する]ボタンをクリック

    3. 下図の通り、以下項目にチェック

      • Data Scrubbingスケジュールの有効化

      • ストレージプール

      • 頻度: (任意に選択)

      • 特定の期間のみ~ > [時間グリッドの設定]: (パフォーマンス影響がない時間枠を指定できる。気にしなければ、チェック不要)

自分は気づかず、設定完了後に即時実行してしまいましたが、
[今すぐ実行]の部分を変えれば、次回に回せるのではないかと思います。

Data Scrubbingスケジューリングの設定方法

以上、終わり

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