見出し画像

モデルまたはモデリング (1)

モデル。。この言葉ほど、使う人、使われる対象・文脈によって千変万化なものも珍しいのではないでしょうか。私は産業(特に製造業・設計開発)の視点で「モデル」という言葉を使うことが多いですが、そのような使われ方は決して一般的ではないということは自覚しております。

ちなみに上の画像はすべてデジタルモデル(実在しない人物)です。

「モデル」という言葉の使われ方ですが、少し挙げてみても以下のような例があります。

ファッションモデル

こちらの説明は不要でしょうが、ヘアカットモデルやメークモデルなど、練習台としてのモデルもありますね。

画像1


ミニチュアモデル (モデルを作成すること=モデリング)

個人が趣味で作るプラモなどもこれですね。フィギュアを作る造形師と呼ばれる方は「モデラー」とも呼ばれます。

製造業ではスケールモデル、1:1モデルを物理的に作成することがあり、見栄えの検証などの目的で用いられます。

画像2


数式モデル(学術/工学領域)

下は力とバネ・ダンパーの系の数理モデルですが、世の中の物理現象は、凡そ数式で表現可能です。単純な例でいえば、ボールを投げると、おおよそ放物線の軌跡を描いて自然落下しますね。

画像3


ビジネスモデル

ビジネスのマーケティング、顧客のセールスジャーニー、商流などを図示したものです。

画像4


バーチャル(CAD/CG)モデル

コンピュータ内の仮想空間に3次元形状を定義したものがバーチャルモデルです。目的が建築/機械設計の設計図であればCADと呼ばれるツールが使われ、アニメーションやマーケティング用途であればCG(Computer Graphics)が使われます。このような3Dモデルを作成する過程もモデリングと呼ばれます。

最近は3Dモデルが多いですが、業種によってはまだ2次元図面で設計している場合もあり、あまりモデリングとは呼ばれませんが本質的な作業内容と目的は同じです。

画像5


モデルベース開発で用いられるモデル

電気電子/制御/通信/ソフトウェアなど複雑なシステムを開発する上で、システム解析のために必要な、要求(Requirements)、振る舞い(Behavior)、構造(Structure)、パラメトリック(Parametric)といった情報を含むシステムモデルを作成します。

画像6


シミュレーションモデル

上記のバーチャルな3Dモデル、またモデルベース開発内のモデルもそうですが、性能要件や目標を満たすかどうか、検証できるようにすることもモデルを作成する重要な目的です。下の例は、強度性能をバーチャル(仮想実験)で行っています。

画像7



元来、モデルとは「模範」「模型」という意味です。人間は神様ではないので観察事象だけで今後起こること(新しい製品の性能など)を予測することはできません。また、複数のチームが関わる製品開発において、全てのチームが同一認識に至ることも困難です。そこで重要となるのが「モデル化」となるわけです。

今回は文章は余り書いていませんが、ここまでの紹介にしたいと思います、、次回以降で、製造業に関係の深い以下の項目

数式モデル 
バーチャルモデル 
モデルベース開発 
シミュレーションモデル

について、またモデルと現実世界との関連について、更に深く述べたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?