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自分で選べる

私は、早く大人になりたかった。あなたはどう思う?大人になんかなりたくないと思う人もいるかもね。大変そうに見える大人はたくさんいる。でもだからといって、ずっと子どもでいるのもきゅうくつ、かもしれない。
それでは悲観的すぎるかな。あるいは、もうほんと今が一番幸せで、予測のつかない未来のことを考えるのも、将来のことを尋ねられるのも嫌、って感じてるかもしれないね。
はたまた、、、、

あなたと今直接話せないのに想像ばかりめぐらせていても、話が進まないので、私が早く大人になりたかった、そして大人になってよかった話をするね。

私は、自分でいろんなことを決めたい人。今も、10代のころも、そうだった。でも、10代のころには、自分で決められる範囲は狭かった。
親の許可をもらったり、親からお金をもらったりしないと、何もできなかった。すごくしたいことなのに許可が得られなかったり、許可をとらずに実行して怒られたこともたくさんあった。
例えば、エレキギターが欲しくて、お昼ごはんのパン代を貯めた。(昼を抜いて夕方友人宅へ遊びに行くと、よくおやつにちらし寿司とかの食事的なものをふるまってくれるおばあちゃんがいた。今考えると、友人がおばあちゃんに頼んでくれてたんだろうな)
貯めたお金で、通販の安いギターを買って、母に怒られた。なんで怒られたのかいまだに理解できてないんだけど、まあ大きい買い物・通信販売を勝手に利用した、ってことだったのかな。当時は理由なんてあんまり伝えられずに一方的に怒られた記憶しか残っていない。

高校受験のとき、うちは貧しい母子家庭で、公立高校の受験に失敗したら、私立に行くのは無理だと思った。行けたとしても、通っているあいだじゅう「私立は金がかかる」と言われ続けるだろうな、と思って気が重すぎて、私立の願書を出さなかった。落ちたら昼間働いて、定時制高校に通うつもりだった。
公立の志望校も、担任に「あなたならこっちを狙えるのに」と何度も説得されたけど、安全圏の、しかも「修学旅行のない」学校に決めて、変更しなかった。修学旅行がなければ、その分のお金かかからなくて、「お金がない」っていう愚痴をきかされなくても済むからね。

高校受験当日は、当時珍しかった花粉症の重度の反応で鼻水とじんましんを出しながら途中から保健室で受験したけれどなんとか合格できた。進学率99パーセントの進学校だったけれど、私の希望は最初から就職。とにかく家を出たい、自分で生活したい、と思っていた。高校生活の途中で、辞めたいとか何度か思ったけど、卒業したほうがそのあとの自由度は上がりそうだと判断してそのうちに高校生活も楽しめるようになって、卒業した。

就職先は、とにかく東京に出たかったけれど心配性の親からは「大企業か公務員ならOK」ということだった。進学率99パーセントの学校で早く担当のしごとを終わらせたい就職係の教師からは「きみは欠損家庭(←!)なんだから選り好みせずに地元の企業も受けなさい」「眼鏡だと採用されにくいからコンタクトレンズにしなさい」などの差別発言を真に受けながら、頑張った結果、見事に地元の民間企業は落ち、東京の大手民間も落ち、東京の公務員試験に合格し、上京・自立を果たした。

上京するにもお金がないので、前述のちらし寿司をおばあちゃんが作ってくれた友人とシェアで住むことにした。当時はシェアハウスなんて言葉もあったかな?っていう時代だったけれど、友人家族がほとんどの家電を買ってくれて、私は無事家を出ることができた。

この後転職したり早い結婚をしたりいろいろあるんだけれど、この記事で何を言いたいのかというと、「選べない」ことってストレス。とくに、思春期以降、自分でこうしたい、これが好き、あれが嫌、という感覚が際立ってくるころ、いろんな選べなさに直面すると思う。
学校の規則や、家族との価値観のずれ、理解してもらえなさ。
でも、その中でも選べることは、ある。
それをあなたに伝えたくてこれを書きました。

好きなこと、っていうのは人間にとってものすごく大事なこと。興味のあることに、ちゃんと興味を向けることを、まず自分がゆるしてあげよう。最初は、「なんでそんなことが好きなの?」「へんなの」「それが何になるの?」とか言う人がいても大丈夫。あなたを大切に思ってくれてる人なら、やってるうちに理解してくれます。価値観によっては、応援まではしてくれなくても、受容はしてくれようとする。できなくても、それは、その人の精一杯だと思ったらいい。あなたは、あなたの好きなこと、興味のあることに進んで、続けば続ける。興味が移れば、変える。それでいいの。

たまに、周りの反対を押し切って始めたことを、途中で降りられなくなっている人もいる。それは、降りていいんだよ。

私は公務員の2年目から、夜間の専門学校に行き、そこでとれた資格をもって、別業種に転職。転職先で異動があり、資格は生かせず、副業でアルバイトを始め、バイト先で知り合った人と結婚、その後離婚。。。。と、いろいろ想定外の道を進んできたけれど、その都度、自分が「選んだ」という感覚が、わたし自身を強く、誇りを持てる存在にしていった。

写真は、鶏肉とトウモロコシをトマト缶とともに煮込んだやつを、3日くらい食べ続けて、最終的にマカロニグラタンにしたものなんだけど、作って、食べて、アレンジして、食べて、これ全部自分で選んで行動していることで、そのたびに私は満たされていく感じがするんだよね。
高校生のころ、母が新聞配達をしていて、朝刊が終って家に帰るのが私の登校に間に合わないから、私が朝ごはんやお弁当を作るようになって、でもその頃は買い物は母が担当だったからいろいろ足りないものに不満があった。早く自活して、自分の好みのバランスの食事を買い物して作るぞ!という希望を持っていた。

だから、上京してから、友人とルームシェアしながら、自炊して2人分のお弁当も作るのが楽しかった。自分で選んで、行動して、その結果を味わうことの満足。

大人になることの最大のよさは、自分で選べる範囲が広がるっていうことだと私は思ってる。
でも、あなたに伝えておきたいのは、今から選べることがあるっていうこと。自分がどうしたいか、いつも何度でも考えて、そのために選択する、工夫していったら、楽しいことはいっぱいあるから。そして、実際にすべて自分で決められる大人になった時にも、試行錯誤しながら進めばいいから。一度で決めなくていいから。

力を貯めて、大人になって、選ぶことを楽しもう。

※この記事は、14歳くらいのあなたに、または14歳だったころのあなたに向けて書いています。


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