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【編入試験】京都工芸繊維大学デザイン・建築学課程 令和5年度編入学試験(一般)合格体験記

はじめに

 こんにちは、浅倉です。僕は京都工芸繊維大学デザイン・建築学課程の編入学試験を受験し、合格することができました。今回はこれから受験する、或いは受験を考えている方に向けて、僕が合格するまでの一連の経緯をここに書き残していこうと思います。
 一つ断らせていただくと、僕は個人的な経験を書くことも、不特定多数の人を応援することも本来得意な方ではありません。それでもやはり筆を取ろうと思ったのは、僕自身がネット上の数少ない体験記に助けられてきたからです。編入試験というのは一般に情報が少なく、使うべき参考書も、合格するために必要な点数すらも分からないことがよくあります。その中で先輩方が残してくれた体験記を読み、時にはそれを励みにしてきた感覚すらあります。
 自分がその"バトン"を受け取ったと解釈するならば、この記事を残すことも意義のあることだと思えます。この記事がかつての僕のような誰かの参考になり、勇気づけるようなことがあれば、これ以上のことはありません。

それではいきましょう!

自己紹介

出身:地方国立大学
受験校:京都工芸繊維大学(併願なし)
合格時の学年:学部2年
家:一人暮らし
アルバイト:なし

 工繊の編入試験は高専生だけでなく、学部2年以上の大学生なども受けることができます(詳しくは募集要項をご覧ください)。特に大学生で受験を考えている方は、周りに同じような友達がいなくて、孤独に勉強している人も多いのではないでしょうか。Twitterなどで繋がれることもあるかもしれませんが、僕は結局、ずっとひとりで勉強していました。
 アルバイトは「編入試験が終わるまで勉強に専念させてほしい」と親に頼み込み、試験が終わるまでしませんでした。これはそれぞれの事情によって異なるとは思いますが、高校生が大学受験するのと違い、家事やアルバイト、大学の講義など基本的に"何かしながら"勉強時間を捻出するというのが編入試験の特徴の一つだと思います。これはやはり大変だと感じました。
(時間・タスク管理についての記事は、今後執筆予定です)

志望動機

 周りを説得したり、面接があるような場合は真っ当な志望動機を揃える必要がありそうですが、一般募集のデザ建の試験には面接がないため(地域創生tech を除く)、どのような理由でもいいように思います。僕自身の志望動機も大したものではなく、
・より良い環境で勉強できるから
・京都に住みたいから
などが主な理由です。編入のいかんにかかわらず、大学院まで進学するつもりでいたので学歴ロンダリングの意識は薄く、周りに大学が多いことなど、研究環境を重視していたように思います。

TOEIC

ここでは主にスコア推移について書こうと思います。
(TOEICの具体的な勉強法については、今後執筆予定です)

540(2021/04/10, IP)
→625(2021/08/22, 公開)
→720(2022/02/27, 公開)
→855(2022/03/20, 公開)

 TOEICは約1年間継続的に勉強していて、他の方の体験記を参考に、約8割である790点を目標としていました。これは他の科目についても言えるのですが、合格最低点がわからないので、自分で目標点を設定し、それに向かって勉強するというのが良いと思われます。自分もその方法で勉強し、「それでダメなら仕方がないじゃないか」と言い聞かせていました。また、TOEICについては他の体験記でも書かれているように、専門適性検査と比べて配点比率が1/2と低いので、見た目の点数が低いことを悲観しすぎることはないと思います(それでも気になる気持ちもよくわかるのですが…)。むしろ早めに切り上げ、他の科目に集中して合計点を上げるというのは十分あり得る戦略です。

受験に際しての移動・宿泊

 ここでは京都に受験に向かう際、僕が行っていた工夫や注意点について紹介しようと思います。特に京都が慣れない土地である場合、移動などでトラブルが起こる可能性があります。それによる混乱や心配が試験に悪影響を及ぼす、という事態はできれば避けたいものです。
 僕も府外からの受験だったので、前日に飛行機で京都入りしました。僕が行っていた工夫は以下になります。

①飛行機、ホテルを早めに予約する
②荷物をコンパクトにまとめる
③モバイルSuikaを利用する
④日程表を作っておく
⑤地下鉄烏丸線の近くのホテルに宿泊する

 ①は出費を抑えるための一般的な工夫です。受験日が決まるのは割と早いので、受験する意思が固まっている人は早めに予約をするのが良いと思います。
 ②と③は移動の際の工夫です。機内持ち込みできるくらい荷物をコンパクトにすることで、荷物を預けたり、到着後に荷物を待つ必要がなくなり、移動がスムーズになります。また忘れ物の心配が減り、心理的な負担も減ります。僕はリュックサック(機内持ち込みできる大きさと重さ)とサコッシュ、試験には折り畳み式のリュックに必要な荷物を入れ替えて持っていきました。またモバイルSuikaも便利です。スマホだけで改札を通ることができ、スマホから残金を確認、チャージすることもできます。
 ④は僕が旅行をする際によくしている癖なのですが、時刻や場所、手段を記した日程表を事前に作るというものです。移動中の心配を減らすための工夫で、正直少しやり過ぎの感もありますが、ここまではしなくても、事前に移動手段を調べたり、調べるためのサイトをブックマークに追加するくらいの準備はしておいてもよさそうです。

実際の日程表の一部

 ⑤は宿泊場所についてです。工繊は最寄駅が松ヶ崎駅なので、地下鉄烏丸線付近のホテルなどに泊まると、乗り換える必要がなく便利です。僕は四条駅近くの三井ガーデンホテル京都四条に宿泊しました。

https://www.gardenhotels.co.jp/kyoto-shijo/

数学

当日の数学について、試験内容のネタバレをなるべく抑えて書いていこうと思います。
(数学の具体的な勉強法については、今後執筆予定です)

 数学の試験は例年、大問が4つあります。まず僕は目標として「3問完答、1問途中まで」を設定していました。減点も考慮して、大体得点率が8割になるという作戦です。こちらも他の体験談を見たり、自分と相談して目標点を決めるのが良いと思います。
 時間配分は1問20分を目安にしていて、残りの10分で見直しなどをするようにしていました。
 当日の試験では大問4に30分ほど使ってしまい、見直しに使えた時間は5分程度だったと思いますが、4問全てを完答しました。僕は元々ケアレスミスがすごく多く、それに苦労していたので、見直しには特に気を遣っていました。
 大問1の(2)の途中と(3)は間違えている感じがあるので、感覚としてはやはり8割程度の得点率だったような気がします。ただ一つ言っておくと、今回の数学や専門適性検査においては、僕は自分を含めた"自己採点"というものをあまり信用していません。採点基準も、採点方法もわからないし、自分が当日書いた具体的な回答も、今では不明瞭だからです。さらに体験記に書かれている点数が、合格最低点である保証はありません。ここは難しいところですが、体験記を参考にしつつ、信用しすぎない。あくまで昨日の自分より点数を伸ばせるように努力をする、そういった態度が重要なのかもしれません。

専門適性検査

当日の専門適性検査について、試験内容のネタバレをなるべく抑えて書いていこうと思います。
(専門適性検査の具体的な勉強法については、今後執筆予定です)

 デザ建の専門適性検査は例年、実技と論述から一つを選んで回答します。僕は論述を選択しました。目標としては「図解を示す問題以外は確実に回答する」としていました。減点を考慮して、得点率は7割を目安にしていました。最近の傾向として論述でも図解を示す問題が出る可能性があったので、それを捨て問として、他の回答の精度高めようと考えていました。
 また、例年建築とデザインについて大問が1つずつ出題されていたので、それぞれ60分ずつで回答し、残りの30分でできていない箇所を回答するようにしていたのですが、今年は傾向が変わってしまい、時間配分が大きく乱されることになりました。問題を見た瞬間はやはり慌てましたが、他の論述選択者も同じだと考え、うまく切り替えることができたような気がします。結局10分程度を残して図解を示す問題以外を回答し、残りの時間で図解を示す問題に取り組みました。後で確認して図解の問題を間違えていたことがわかったので、感覚としては7割程度の得点率だったような気がします。

さいごに

まずここまでの得点をまとめます(あくまで参考までに)。

TOEIC       : 86/100
数学       : 80/100
専門適性検査   : 140/200
合計       : 306/400(76.5%)

 今回の記事はこれで終わりとなります。いかがでしたでしょうか。編入試験に関してはまだいくつかまとめたいことがあり、今後もしばらくは執筆を続けていく予定です。
 この記事を自分の編入試験の、一旦の区切りとするならば、これまでの道のりはやはり苦しいことの連続だったように思います。ただそれらは今の時点から眺めてみると、ある必然性を伴って、嘘みたいに鮮やかに見えてくるのです。小説『マチネの終わりに』から引用するならば「過去は変えられる」と。もちろんそれは悪い方向に過去が変わってしまう可能性も同時に孕んでいるけれど、過去に対しても希望を持つことができる、それが実感できたことは、僕にとってとても大きな"体験"でした。そしてそれは個人の努力によるものだけではありませんでした。サポートしてくれた家族、友人には感謝してもしきれません。
 これを見ている皆さんは、どういう思いで勉強しているのでしょうか。どういう思いで、これまで過ごされてきたのでしょうか。時々、自分なりに想像してみることがあります。はじめにでも書いた通り、この記事が"あなた"の参考になるようなことがあればこれ以上の喜びはありません。編入試験を通して頑張っている、いずれ過去になるその時が、より良いものになることを心から祈っています。

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