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ゲーム作家の一歩踏み出すきっかけに!「Unityの寺小屋」いたのくまんぼうさんに話を聞いてみよう📚 UnityBook ライターズトーク (その2)

こちらの記事は「Unity本の著者に話を聞いてみよう!UnityBook ライターズトーク」書き起こし記事の2本目です。今回は「Unityの寺子屋 定番スマホゲーム開発入門」を執筆された いたのくまんぼうさん とのお話を紹介します。

▲ UnityBookライターズトーク YouTubeLiveアーカイブ

▲ UnitBookライターズトーク 書き起こし記事 (その1)
「Unity2019入門 最新開発環境による簡単3D&2Dゲーム制作」
通称『ひよこ本』を執筆された荒川さんとのお話


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ーー続きまして「Unityの寺小屋」のいたのくまんぼうさんにお話をお伺いしていきます。よろしくお願いします。

くまんぼう: よろしくお願いします。

ーー早速ですが、自己紹介をお願いします。

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くまんぼう: 「いたのくまんぼう」と申します。元々コンシューマゲームのプログラマーをやっていましたが、独立後はゲーム作家として個人で主にスマホアプリをリリースしています。

私は常々、ゲーム作家を増やしたいと思っており、ゲーム作家になりたい人を手助けするためにUnity初心者本を執筆したり、それ以外にも神奈川工科大学の非常勤講師、富山県魚津市でゲーム制作のメンターなどを行っています。周りからは何故か『和尚』なんて呼ばれています。

ーーありがとうございます。こちらが制作中のゲームですよね。

くまんぼう: 「TapTripTown」という街を育てるゲームです。個人制作では今一番長い期間が掛かっちゃっているものになっていますので、今年中にはとは思っているんですけど、それだけ自分の好きを詰め込んで含めているのでぜひ期待して待っていただけると嬉しいです。

ーー富山県魚津市のプロジェクトに関してもご紹介お願いできますか?

くまんぼう: 富山県の神戸市が実施しているゲームクリエイター育成のプロジェクトがありまして、そちらでゲーム制作のメンターをさせていただいています。ゲームジャムやeスポーツ大会、現役ゲームクリエイターの方を招いての講演会、勉強会など、毎月何かしらのイベントを行っています。

ゲームブートキャンプという名前で、参加者の皆さんが作ったゲームがより面白くなるようにメンタリングをさせていただいています。今年でメンタリングをさせていただいてから3年目になります。

私が知る限り行政がゲームのイベントを毎月行っているような所は他に無いんじゃ無いかなと思います。初めて講演で呼ばれて行った時にお話しして、システムとか箱だけ作ってやっているのではなく「魚津からゲームクリエイターが生まれてほしい」と現場の人が本気でやっていてすごい感動しました。

ーーこちらは魚津以外の人も参加して良いのでしょうか?

くまんぼう: はい、日本全国どこからでも参加できます。今はメンタリングもオンラインメインでやっていますね。

(オフラインイベントの実施時に) 大阪から来てくださっている方がいまして、6年間ずっとゲームを作っていて最後の仕上げにこのプロジェクトに参加してくれて、今はそれもリリースされたんですけども。6年間なかなか大変だったらしいんですけど、最後に勇気を出して会ったことない人ばかりのところに大阪からわざわざ来てですね。その方のTwitterを見てみると帰りに「行ってよかった」と呟かれていて、本当にこのイベントをやってよかったと思っています。

ーーここからは改めて書籍の紹介に入っていこうと思います。「Unityの寺小屋」は、ゲームを作る過程でUnityを学ぶことができる書籍になっているんですよね。

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くまんぼう: はい。「放置ゲーム」と「アクションゲーム」という2つの大きいジャンルを今回は扱っているのですが、アクションゲームにスクロールを付けたり、放置ゲームをクリッカーゲームに改造したりという感じに一度作った物を改造してまた別ジャンルのゲームに仕上げたりと1粒で2度美味しい的な感じになっています。先ほど荒川さんもおっしゃっていましたが、挫折しないで「ゲームを完成させる」という体験をすごくして欲しくて、ジャンルを選んで作っています。

ーーこちらの書籍はどんな人にオススメでしょうか?

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くまんぼう: 初心者本を1冊読み終えた方が次のステップとして、自分のオリジナルのゲームを作ってみたいとか思った時に読むのにちょうどいいレベルになっているんですよね。初心者の方は和尚本の第1弾の「UnityではじめるC# 基礎編」でもいいですし、もう1冊は「ひよこ本」でも読んでいただいた上での次の書籍としておすすめです。ちなみに僕もUnity入門したのは「ひよこ本」なので(笑) 今日は一緒に並んで出演できて光栄です。

荒川: ありがとうございます。私もすごく嬉しいです。和尚本は買わせていただいてます(笑)

くまんぼう: それでですね、2冊目に読むのにちょうどいいかなというレベルになっているのですが、1.5冊目くらいの難易度になるようにはしています。とにかくゲームを完成させてみた人とかですね、ゲーム作家として食べていく生き方をしてみたい人にオススメさせていただいてます。

ーー特にオススメなポイントはどういう点ですか?

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くまんぼう: サンプルゲームを改造して自分のゲームとしてリリースすることを推奨しています。実際ストアでも正確には数えていないのですが10~20くらいは和尚本から出ています。絵に関しては差し替えていただく必要があるのですが、ソースはそのまま使ってくださっても、改造して使ってくださっても大丈夫です。あと「アプリ販売の寺小屋」という章が1つあるんですよね。それは 作ったゲームの宣伝方法とかゲームで収益を上げる方法、無料広告アプリの場合の広告の入れ方などを解説している章がある ので、作り方とはまた別なところなんですけども、ゲーム作家として1歩を踏み出したい方に最適な書籍となっております。

ーーその辺り初心者の方は行き当たりばったりになりがちな情報もまとまっていると。

くまんぼう: 意外と探しづらい情報ですしね。スマートフォン市場が立ち上がった頃はお互いに切磋琢磨しながら情報交換してきたのですが、ある程度固まってくるとそういった情報がなかなか今度は逆にみつけづらくなってきたので、そこにちょっと危機感がありました。


ーーここでサンプルプロジェクトとして放置ゲームの事例を見ていきましょう。時間が経つと"徳"が出てくるので、"徳"を集めてお寺を大きく育てていく放置ゲームのシステムになっていますね。この次の段階に行く閾値などは簡単に設定できるようになっているのですか?

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くまんぼう: そうですね、簡単に設定できますし、それ以上の色々な修正がかけやすいようになっているはずです。

ーーこれをクッキークリッカー、いわゆる自分でタップしても"徳"が稼げるものにも改造が出来るのですよね。

くまんぼう: ジャンル的には似ているので2種類のゲームを一挙に説明してしまおうかなと思いまして。

ーー良いですね。こちらのサンプルをブラッシュアップして製品版のような形にしたものをストアに出されているのですよね。

くまんぼう: 和尚本の特別付録的なつもりで作ってリリースしました。パワーアップ版として色々演出を入れたり、広告を入れたものをリリースしています。書籍のサンプルとこのアプリを比較すると製品としてアプリをリリースするためにはどのようなところを工夫したり、手を入れる必要があるかというのが良く分かると思います。書籍のサンプルと製品版を見比べる経験ってあまりない と思うので、ゲーム作家志望者にはきっと役に立つんじゃないかと思っています。


ーー ここからは和尚さんにエピソード紹介ということでいくつかインタビューをしていこうと思います。執筆に至った経緯/バックグラウンドを教えてください。

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くまんぼう: 和尚本第1弾の「UnityではじめるC# 基礎編」執筆のきっかけは出版社の方からお話を頂いたっていうところなんですけど、初心者向けにC#の初歩的なところから簡単なゲームを作れるように解説してます。

第2弾の「Unityの寺小屋」はゲーム作家としてデビューできるようにと思い、色々なサンプルゲームを選びました。「放置ゲーム」というのはスマホゲームの中では収益性の高いジャンルでプログラムもそれほど複雑ではなく、他の書籍ではあまり解説されていないということもあり、初めからサンプルに含めることを考えていました。

もう1本のアクションゲームのサンプルは、Twitter上で作り方を知りたいゲームのジャンルのアンケートを取り、それを基に決めました。結構票が分かれましたが、最終的に「シューティング/アクション」が一番票を伸ばしたので、アクションゲームを選びました。

くまんぼう: ちなみに「Unityの寺小屋」から始めたいという人のために、和尚本第1弾「UnityではじめるC# 基礎編」の最初3章分くらいの初心者向けの説明を実は無償で公開しています。それを読んでから寺小屋を始めるといいかもしれないです。

ーーなるほど、実際に動くものがみたい人は寺小屋からUnityを始めて、何か分からないことがあれば初心者向けの書籍に戻るみたいな動きもできますね。続いて、書籍やサンプルゲームを用意される上で大変だった点はありますか?

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くまんぼう: 和尚本は共著となっていて大槻さんという方と二人で作っているのですが、まず私の方でサンプルゲームを作ってですね、どの順番で説明するかというコンテ的なものを作り、説明段階毎のソースコードも用意して、それを元に大槻さんに解説を書いていただきました。

大槻さんは元々分かりやすい解説書を書かれる方として知られていたのですが、私の方で更に分かりやすくなるように監修/修正をしまして。専門用語の出す順番や一度書いたコードでも繰り返し説明するなど、そういったことを注意しながらやり取りしました。やり取りは1回で終わりではなく大体3往復ぐらいやっているのですが、結構時間が掛かり大変でした。けど、2人の人間がそれぞれの視線で分かりやすくなるように考えて作られているので、より分かりやすくなっているんじゃないかな と思います。

ーー「Unityの寺小屋」を読まれた方からはどのような反応がありますでしょうか?

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くまんぼう: 「書籍のおかげで初めてゲームをリリースできた」という感想をたくさん頂けて嬉しかったですね。中には 和尚本から初めてゲーム作家としてデビューして実際に食べられるようになった という方も何名かいらっしゃいまして、ゲーム作家の第一歩のお手伝いができて本当に良かったと思っています。それで、あんまり嬉しかったので和尚本の感想をTogetterにまとめました(笑) 結構いい話もあったりするので、是非見てください。

くまんぼう: あと一つエピソードを紹介するとしたら、2年ほど前に中国でのインディーゲームのコンストがありまして、僕は審査員として呼んでいただいたんですけども、そこで入賞した方が和尚本からUnity始め、自分のオリジナルのゲームを作って、それがコンテストで入賞して中国で初めてお会いしたということがあったんですよ。もちろんその方自身が凄いのですが、和尚本がきっかけになったのであれば良かったなとすごく思います。

ーー素晴らしいエピソードですね!では最後となりますが、これから和尚本を読まれる方にメッセージをお願いします。

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くまんぼう: ちょっと前まではゲームを作って生計を立てていこうと思ってもゲーム会社に入る以外の選択肢はほぼ無かった時代が結構長かったのですが、今はその個人でゲームを制作/販売して食べていける「ゲーム作家」と僕は呼んでいるのですけど、そういう生き方が出来るようになってきているんですね。ゲーム作家は画家、小説家、漫画家と同じような生き方としての職業名だと思ってまして。

そのゲーム作家という生き方が広まったらいいなと思い、続く世代、若い人たちのためにゲーム作家という道を確立していくことが僕らの世代に課せられた一つの使命なのかもしれない と思っています。そんなゲーム作家への一歩を和尚本で踏み出してみませんか。

ーーありがとうございます。実際にゲーム作家への踏み出している方が大勢いらっしゃるというのも一つ安心感とあると思うので、気になった方は是非手に取ってもらえたら良いと思いました。

▲ 紙の本は正直現在は手に入りにくくなっているが
電子版も発売しているので是非チェックして欲しい


次回 一條 貴彰さん による「Unityサウンド エキスパート養成講座」のお話を掲載する予定です。「気になる!」という方は YouTubeLive のアーカイブも残している ので、合わせてチェックしてみてくださいね!

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