「入梅」と「梅雨入り」についてのちょっと長い追記
「そろそろか。ほら来た、奴が。(奴って梅雨です)」という記事の中に、
「入梅」という言葉が出て来ます。
この「入梅」について、ちょっとまとめてみました。
「入梅」は「八十八夜」や「二百十日」とおなじ、
「雑節」という暦の中での季節の区分名です。
この頃になると、梅雨がはじまるぞという目安ですね。
ややこしいのですが、
暦の上での「入梅」と気象庁の発表する「梅雨入り」は別物です。
「入梅」は太陽の黄道が90度になった時、と定められています。
(昔は、立春から数えて135日目とされていましたが。)
一方で気象庁の梅雨入りは、実際の天気をもとに発表されます。
なので、暦の上で「入梅」を迎えても
まだ梅雨入りしていない、という年や地域もあります。
更にややこしいのですが、
俳句の季語にある「梅雨入り(ついり)」は、「入梅」の方です。
歳時記でも「天文」ではなく「時候」に載っています。
大寺のうしろ明るき梅雨入りかな 前田普羅
樹も草もしづかにて梅雨はじまりぬ 日野草城
先人の句にも晴れを思わせる句もあれば、雨の気配の句もありました。
ちなみに2021年の「入梅」は、6月11日だそうです。
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