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世界にはまだ凹凸はありますか


  神域の木膚の締まり秋の果     梨鱗


今年は11月の7日が立冬です。
秋はその前日まで。
曲がりなりにも俳句をやっているので
目には見えない境い目を気に懸けます。

まだまだ冬の感じのしない頃です。
昨今の地球は温暖化ですから、なおさらに。
とはいえ太陽は昔と同じように動いています。

たしかに朝は暗くなりました。
駅へ向かう道も、夏なら明るすぎて鬱陶しかったのに
今時分は家並みの影がかかった中を歩いています。
季節の変化を真っ先に感じられるのは
光の加減ということでしょうか。

暗く翳った道を歩いていると、なぜか
四季はその差異を失っていく最中だと感じます。

真っ赤な紅葉というものを、あまり見なくなりました。
地球が暑いので、朝晩の寒暖差が
はっきりしなくなった為だそうです。

しだいに消えてゆく動植物たち、
この先、俳句が多くの季語を手放しても
太陽は変わらずに周り続けます。

光の加減しか残らなくなった世界は
隠れる場処のない広場です。
見通しがいいだけの暑く、寒々しい世界です。


   鳥さりし樹々へ口笛冬来る  


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(2022/5 一部内容を改めました)


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