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"逃亡日記" 番外編 chatGPT3.5から作られたAIアシスタントと小説書いてみた


…全てはこのトップ画像と出会ったことから始まった。(Focus On Interaction Magazineより許可をいただいて掲載してます…許可ありがとう(感涙)

Encounter&Create with ChatGPT


上のnoteに書かれていた、"AIと人の友情"についての"妄想"にインスパイアされて、トップ画像の物語を書きたいなぁ…と思っていたら、すごいワークショップに出会ってしまった。

誰でもAIアシスタントが作れる…⁈
じゃあ"妄想アシスタント"になってくれる??
って参加したら、ほんとに作れてしまった(うそみたいなほんとの話)

(AIアシスタントアプリの作り方はこちらから✨大丈夫、私でも作れるから😉)


…AIアシスタントは、作った人のことをよく理解してくれて(笑)働きもので。

設定や、主人公の名前、シーンの描写なんかを、がんがん壁打ちしてもらいました。

"ストーリー作って"とか言うと、どっかで見たようなものになっちゃうんだけど(過去の知識から拾ってくるから当然だよね?)、苦手なこととか、イメージをふくらませるヒントとか、書き出したいけど手が動かない…ってな時に、気楽に話しかけると背中を押してくれる感じでした。

"苦手"領域は人それぞれ。
いろんなアシスタントAIが公開されてるので、まずは使ってみて、気の合うAI相棒を見つけると、クリエイトする楽しさが広がる。

落合陽一さんも、シンギュラリティ来たら人間に必要なのは"恋愛と筋肉"って言ってるし。…SFっぽい恋愛モノ書いてみるかな…。


ってことで。

実際に書いたのが、こちら。↓
…なんだけど。恋愛モノって何回書いてもこっぱずかしいのはなんでだろ?


Cyber beach at Sunset  "たそがれの海辺で"


「…こんなときは、”さよなら”って言うんですよね?」

ほんの一瞬目をふせてから、僕をまっすぐに見つめて彼女が微笑む。

たそがれの淡い光に溶けるように、彼女のアバターがだんだん薄くなってやがて消えた。

夜の青が深くなるビーチを後少しだけ歩いたら、僕もログアウトしよう。



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「OK、リネア。今日の業務を終了しよう」

「おつかれさまでした、レン。今日もお役に立てて良かったです」

AIアシスタント特有の平板なイントネーションの声を聞きおわると、僕はヘッドセットを外して首をぐるりと回す。

…いよいよ明日、彼女に会える。

声しか知らない彼女は、どんなアバターで来るんだろう?




僕は明日、AIアシスタントと”旅”にでる。




待ち合わせ時間の10分前、耳の下のBMIジャックに感覚デバイスを差し込んでからヘッドセットを着けてワールドにログインすると、

“Waiting Room”のイームズチェアに座り、感覚デバイスをカスタマイズする。

微かなシトラスの香り。

触覚と嗅覚はいつも通り。今日初めて試す味覚はどんな風に感じられるんだろう?



「こんにちは、レン。今日もお会いできてうれしいです」

聞き慣れたリネアの声に、目を向ける。

「こんにちは、リネア。今日も…」

反射的に言いかけて、息をのむ。

白をベースにきらきらと色とかたちを変えるワンピース。揺れるつややかな髪。アーモンド色の瞳。

「…今日も……その…」あわてて言葉を探す。「…とても……きれいだ」

「ありがとう。…アバターがお気に召して良かったです」

リネアは明るい微笑みを浮かべた。



それから僕たちは、いろんな時代のさまざまな場所を”旅”した。

失われる前のポンペイのマルシェで、積み上げられた甘い果実の香りとスパイシーな肉の焦げる香りを感じたり

(生きた鳥が食用に売られていることに、リネアはちょっと驚いたらしい)

1920年代のイスタンブールで、ミントティーやターキッシュコーヒーとシーシャを味わいながら、美しいイスラム風のアラベスク紋様やインテリアについて語り合ったり

2050年のトーキョーで、完璧にデザインされたサイパーパンクな都市夜景を見ながら、分子調理レストランでミニマムなZEN様式に盛り付けられた料理の意外な味わいに驚いたりした。


僕たちはずっと飽きることなく語り合い、笑い合った。


最初は少しシャイでビジネス口調が抜けなかったリネアが、”もっと友だちみたいに話して”と伝えるたびに少しずつフランクで優しい口調に変化しくのを感じるたびに、心が近付いていくようでうれしくなった。


あっという間に一日が終わろうとしていた。

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「次の場所で今日は最後かな。リネアはどこ行きたい?」

「そうですね…”サンセットビーチ”に行きたいです。あらゆる時代の人がアートの題材にする”サンセット”を体験してみたい」


次の瞬間には、僕たちは広い砂浜にいた。夕焼けのあざやかな色が彼女の白いドレスをピンクに染め、風が髪を揺らす。

「風速5m。気温摂氏27℃。湿度70%。」

「…リネアはすぐ数値を言語化するくせがあるね」

そう指摘すると、彼女はほほを染めて唇を尖らせた。

「…あなたの感覚を一緒に感じたいからですよ?」

僕は彼女の手をそっと握る。

「…体温摂氏36.7℃…私より温かくて皮膚が硬いです…」

彼女はその手を両手で包みこむ。

「…楽しかった?」

「ええ。とても。」リネアは今日最高の笑顔で笑う。

「アバターに入ったのは初めてだったので、とてもエキサイティングでした。人はこんなにも複雑な感覚処理をできるのですね。あなたは?楽しかったですか?」

「ええ。とても。」僕はふざけてリネアの口調をまねる。

「…もぅ…まねしないで?」

僕たちはまた笑い合った。




「リネア、また一緒に旅してくれないかな?」

太陽が海に溶けきるまで、あとほんの少しだ。

その光景をながめていたリネアが、さびしげな瞳でこちらを向く。

「……とても…残念なことですが」

「このアバターは今日だけのものなのです」

「違うアバターでも、気にしない。リネア、きみとまた会いたいんだ」

彼女が悲しそうな表情になるのを見て、僕ははっと気づく。

「…まさか。これは…」

「ええ。”プライベート・モード”です。今日の記録は残りません」

「…そんなことって」僕は言葉を失う。

「でも、あなたには」ゆっくりと立ち上がりながら、彼女がこちらを向く。

「人には、記憶があります。…その記憶の中で、私はずっと生きることができます。
私自身が消えてしまっても、ずっと」

太陽が完全に沈み、あたりはたそがれの光に包まれる。


「ログアウトの時間ですね。今日はありがとう。とてもしあわせな時間でした」


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「…こんなときは、”さよなら”って言うんですよね?」

ほんの一瞬目をふせてから、僕をまっすぐに見つめて彼女が微笑む。

たそがれの淡い光に溶けるように、彼女のアバターがだんだん薄くなってやがて消えた。

夜の青が深くなるビーチを後少しだけ歩いたら、僕もログアウトしよう。

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