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家族内でのチャットツール利用の実際

仕事上で使う場合には、相手が既に利用していたり、利用できる環境があることという制約がある。一方で、私的に使う場合には、利用目的に応じて使いやすさと費用を考えれば良い。特に家族内でのやり取りの場合には、デファクトスタンダードである必要はない。

ここでは、私的な利用の中でも家族内での利用について見ていきたい。

各種チャットツールを実際に使ってみて得られた特徴については、別の記事に書いてある。

先に書いておくと、家族内ではChatworkとTeamsを使っている。

この記事の主旨から外れるが、友人・知人との間では主に、Facebook Messenger, Discord, LINE, Twitter DMなどを使っている。仕事では、Slack, Skype, Teams, Google Chatを使っている。LINE WORKSは使ったことがない。Googleの個人向けサービスのHangoutsも使ったことがない。仕事上では、相手を選ばない場合にはメールが主体になっているのは変わらない。

利用目的

我が家の場合、我々夫婦とその子たち(中学生と小学生)がいる。小学校高学年以降の子どもには、安いノートPCを渡してある。その他に、中学生はスマートフォンを持っている。夫婦は、少なくともノートPCを1台と、スマートフォンを持っている。タブレットもある。

主に夫婦間で、チャットを使っている。雑談から、様々な家庭内の案件、共有すべき備忘録などが日常的に流れている。これは、家にいるときだけでなく外出先や仕事中でも行われている。子どもたちとは、関係する情報を一部共有するために使っている。使用頻度は高くない。

したがって、複数の機器で使えなければならず、仕事中から家庭内までで様々な機器を使う中で一貫してコミュニケーションできなければならない。

実際の選択

10年弱前に選択した際には、Teams, Google Chat, LINE WORKSはなかった。その代わりに、同じ会社のSkype, Hangouts, LINEはあったが、後述の要件に合わなかった。また、Discordは存在を知らなかった。

また、その頃には夫婦間だけのことをとりあえず考えれば良かった。当時の想定は、帰宅時間を職場を出るときに伝えることと、子どもも含めた家族に関係することを気づいたときに出し合う用途だった。そのため、いつでもどこでも書けることが望まれた。

そこで選択したのは、Chatworkだった。無料でも2者間であればほとんど機能制限がない。今でメインで使っている。

Chatworkで秀逸なのは、引用が非常に容易に使えることだ。メッセージ中に自分や他人のメッセージを引用しつつ書くことができる。当然、その引用元のメッセージにも跳べる。過去の発言を示したいときに遡らせることなく引用でリンクして示せる。文字修飾が弱いが、記号を使ってプレーンテキストで書けば良い。例えば、Markdown形式風に書いておけば、プレーンテキストでも強調や列挙は示せる。

数年前にTeamsも併用し始めた。最初は、ゆくゆくはChatworkからTeamsに移行しようと思っていたが、当初はTeamsの仕様が安定していなくて、使い勝手も劣ることから併用したままになっている。

Teamsでは、夫婦だけのチームと家族全員のチームを作って分けている。チームを分けることで、子どもの目に触れさせる情報を制限ができる。たとえば、サンタさん案件など。実際、Chatworkへの書き込みにサンタさん案件があって、それを見られてあわやということも過去にはあった。それ以外でも、意見の摺り合わせや行事の調整などは、見せる必要もない情報と考えている。

各チームに対してのチャンネルは、適宜用意した。夫婦間では、物品購入関係が話題として多いのでそれを別チャンネルにし、それ以外にも子ども関係のことをチャンネルにしている程度であとは雑談の一般チャンネルになっている。家族全員のチームでは、まだ本格的に動かしていないが、学校からのメールを転送するチャンネルや、予定を伝え合うチャンネルが実働している。

Chatworkは無料のまま使っている。TeamsはMicrosoft 365のビジネスプランを契約している。Microsoft 365 Business Basic(旧称 Office 365 Business Essentials)かMicrosoft 365 Business Standard(旧称 Office 365 Business Premium)の契約をしている。

Microsoft 365 Business BasicにはPC版のOfficeソフトは付いてこないが、月額540円(年払いの場合)で、オンラインサービス群がほとんどが利用できる。つまり、Teamsを始めとして、OneDrive for Business (1TB)、共有ストレージのSharePoint、メール、Teams, ToDoなどが使える。圧倒的なコストパフォーマンスだと思う。

ただし、どれもMicrosoftらしいモッサリ感が伴うのはいつものこと。本当に全てがあの調子というのは、なかなかすごい。ソフトウェア開発の考え方が違うのだろう。

チャットツールの要件

まず、情報が簡便に伝えられることが重要になる。即時性と容易性が指標になると言えるだろう。すべてのチャットツールが当てはまるはずだ。

その次に、全ての機器で使えなければならない。特に複数のPCで利用できることは絶対条件だった。移動中以外は職場でも家でもPCを使っていて、その方が入力がしやすかったからだ。そこで、PC版のアプリがあることは望ましいが、Webブラウザで使えるのであれば問題ないとした。スマートフォン前提のサービスは落とされる。LINEがそれにあたるため除かれる。

もうひとつ重要なことは、検索性だ。単なるおしゃべりをしているのではなく、情報を共有しているのだ。過去に書いたものを確認したくなることは多い。ここで落とされるのは、Skype, LINE, Facebook Messengerになる。

さらに、情報の閲覧性の容易さも求めた。別記事にも書いたように、バルーン形状でのやり取りは「自分かそれ以外の誰かが書いたか」の区別に注目するもので、情報の確認の容易さには寄与しない。自分以外にもいる可能性があれば、この分け方では不十分で、2人しかいない夫婦の場合は、分ける必要がそもそもない。自分が書いたものは自分でわかるのだから。

そうすると、バルーン形式のものが落とされる。Skype, LINE, Facebook Messengerなどがそれにあたる。Teamsのチャット(ダイレクトメッセージ)同様になる。

残ったのは、Chatwork, Microsoft Teams, Google Chat, Discord, LINE WORKSになった。

まとめ

我が家の場合、Chatworkで十分だったが、Teamsが便利そうに見えたため乗り換えも視野に入れながら利用を始めた。その際の要件として、即時性・簡便性は当然として、検索性や閲覧性も重視した。その他に、PCでの利用の用意さも考慮した。

細かいところでは不満もなくはないが、全体として使用を取りやめたり、他のサービスに乗り換えるほどの問題はなく使っている。

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