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ディスプレイ広告の表示ロジック改善プロジェクト

エムスリーが運営する「m3.com」は、日本の医師の約9割、薬剤師の7割以上が利用する国内最大級の医療従事者専用サイトです。本プロジェクトにおいてデータ分析グループでは、「m3.com」上のアドテクノロジーの運用と改善を担っています。これまでに最適な分析技術を取り入れながら仕組みの見直しを重ねてきました。その結果、ユーザー満足度の向上とエムスリーグループ全体に対する利益貢献を実現しています。


信頼できるデータに根ざした
「m3.com」上のアドテクノロジー

「m3.com」では医療従事者に対してさまざまなサービス(※1)を提供しています。それと同時にユーザー側のニーズを特定して最適な広告を配信する仕組みをご用意。「m3.com」上の行動履歴を機械学習モデルに学習させディスプレイ広告のCTRやコンバージョン金額を予測し、広告表示優先度に反映しています。
“広告主” =エムスリーグループ各社からの有用な情報をアドネットワークにのせ、情報を必要としている方を見極めてお届けしているわけです。「m3.com」のコンテンツ閲覧には原則として会員登録・ログインが必須なので、ユーザーの行動履歴を反映させやすい点が一般のメディアとは大きく異なります。
※1. ニュース配信、MR君、Web講演会、治験参加の募集、物品販売、転職支援など。

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ミッション=
「m3.com」アドテクノロジーの精度向上

我々のミッションは個々のユーザーにより最適な有用情報をお届けするために、「m3.com」アドテクノロジーの精度を高めることです。エムスリーグループの事業領域は年々拡大しており、取得可能な行動履歴も増え続けています(※2)。そのためデータの前処理を適切に行ったうえで、予測モデルの改善を繰り返しています。予測モデルを変更する際はA/Bテストを行い、改善効果を確認してから全ユーザーに適用します。場合によってはエンジニアと協力してデータ取得のための追加開発を行うこともあります。
※2. 2019年度は前年度比35%増

ミッション・バリュー・プロセス

予測モデル改善のための二つのアプローチ

前提として「m3.com」では 広告価値=「CTR × 1クリック当たりの利益」と定義しており、より価値の高い広告をユーザーに表示するため日々それぞれの精度向上を追究しています。これに対し我々が抱えていた課題は次の二点です。

2つの課題

データ分析グループではこれらの課題に対してそれぞれプロジェクトを発足し、改善施策を検討、実行してきました。

CTR改善プロジェクト

CTRの予測モデルをランダムフォレストからスタッキングを用いた手法へと変更し、予測精度の向上に成功。全体のコンバージョン金額を9%上昇させ、大きな成果をあげることができました。

「1クリック当たりの利益」精度向上プロジェクト

1クリック当たりの利益=「ユーザー × 広告」ごとに予測するようにパーソナライズを実施。ユーザーごとに最適な広告が表示される仕組みを構築し、全体のコンバージョン金額を7%上昇させることに成功しました。

深くかかわり専門性を発揮
本質的な仕事を通じてやりがいを実感

本プロジェクトの直接的な改善対象は「m3.com」のアドテクノロジーです。しかし間接的にエムスリーグループ全体のサービス改善につながっています。影響範囲が広いのでプロジェクトの推進にはさまざまな部署との協力関係が不可欠です。進めていく過程で必然的にエムスリーグループのさまざまな事業・サービスへの理解が深まり、より深いレベルで仕事の意義を感じられるようになります。

データサイエンティストはエムスリーグループが保有する豊富なデータを活用し、専門性を発揮して課題抽出〜開発、ビジネス推進まであらゆるプロセスに携わります。実際にアサインされたメンバーは影響力を発揮し、大きな成果をあげています。その点でデータサイエンティストとしての存在意義を大いに感じることができ、やりがいにつながっているという声も多くあがっています。

テーラーメイド開発事例

アドテクノロジーはエムスリーグループのさまざまなサービスに影響を及ぼすため、サービスごとの事情やビジネス特性に合わせたテーラーメイドな開発が必要となるケースも多々あります。常に状況に応じてフレキシブルな判断が求められるわけですが、言い換えると大きな裁量がデータサイエンティストに与えられているということです。本質的な仕事に注力できる環境が整っており、主体的に仕事を進めたいという人には最適です。さらに「m3.com」は国内最大級の医療従事者専用サイトであり非常に影響力の大きいサービスです。仕事の成果=社会問題解決の一端に貢献することにもつながり、その点も大きな魅力の一つです。