見出し画像

【週末のバロック】ヴィヴァルディの『ラ・ストラヴァガンッァ』より(2)

【今日のバロック】

九條です。

週末の夜のひとときを、優雅なバロック音楽でお楽しみいただければ嬉しく思います。^_^

今日ご紹介する曲は、2023年9月16日にご紹介した曲と同じくヴィヴァルディ(1678〜1741年/イタリア)のヴァイオリン協奏曲集『ラ・ストラヴァガンッァ』の中に収められている短い1曲です。

今日ご紹介するのは『ラ・ストラヴァガンッァ』のうちの『ヴァイオリン協奏曲第12番』の第1楽章です(9月16日にご紹介したのは第2楽章でした)。


【作曲者】
アントニオ・ヴィヴァルディ(1678〜1741年/イタリア)

【収録アルバム】
ヴァイオリン協奏曲集 第4集『ラ・ストラヴァガンッア』(1716年発表)より

【お聴きいただく曲】
協奏曲第12番 ト長調(RV298)の第1楽章 (2分50秒)

【ポイント】
ヴィヴァルディの音楽らしく、穏やかな明るさに満ちた曲です。明るくキラキラとした合奏部分のメロディと、緊張感あふれる職人技的なヴァイオリンの独奏(ソロ)部分との対比の繰り返しが聴きどころだと思います。

聴いていると何だか嬉しくなってくるような、元気が出てくるような曲です。私が大好きな曲のひとつです。


【豆知識】
ポリフォニー/ホモフォニー/モノフォニー
今日ご紹介する『ヴァイオリン協奏曲第12番』第1楽章の合奏部分には「ポリフォニー様式」という、ルネサンス期以前からの非常に古い音楽様式がほんの少しだけ継承されています。

ポリフォニー様式
同時に複数の旋律が主従の関係なく複雑かつ絶妙に絡み合いながら(すなわち不可分の関係となって)ひとつのメロディを構築しているという音楽です。

「ホモフォニー様式」
主としてモーツァルト(1759〜1791年)以降の音楽では、現代に至るまであらゆるジャンルの音楽において主旋律とそれ以下のパート(副旋律/伴奏)とに分かれる(分解することが可能な)単純で明快な「ホモフォニー様式」が一般的となりました。

モノフォニー様式
たった1つの旋律しか存在しない音楽のことです(たとえば『グレゴリオ聖歌』など)。


アントニオ・ヴィヴァルディ作
ヴァイオリン協奏曲集 第4集『ラ・ストラヴァガンッァ』より協奏曲第12番 ト長調(RV298)の第1楽章(2分50秒)

※音が鳴り出すまで数秒かかります。


それでは皆さま、佳き週末の夜、そして明日は素敵な日曜日をお過ごしください。^_^

※この『週末バロック』のシリーズは毎週土曜日の夕方か夜に投稿する予定です。

©2023 九條正博(Masahiro Kujoh)
剽窃・無断引用・無断転載等を禁じます。