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好きになった人の顔、もちろん好き

わたしは彼らの何を好きなんだろう、と考えたとき、思いつくものはいくつもある。

芸人さんであればまず、ネタが面白い。もちろんそれ以外にも、フリートークが面白い。大喜利が面白い。リアクションが面白い。感性が面白い。「面白い」以外にも、文章に知性を感じる。芸に向き合うストイックさ。ファンへの優しい心遣い。見た目がかっこいい。とか。

わたしの場合、「面白い」要素だけで応援したくなることはまああっても、「面白い」以外の要素だけで応援したくなるってことはあまりない。芸人さんの活動における成果物は何らかの「面白さ」だと思っているので。あくまでもわたしの場合だけれど、面白さをキッカケにその他の面を知って、複合的にいいなと思って「ファン」になるような気がしている。

はるか昔──もう15年くらい前から、今も「顔がめちゃくちゃタイプだ……」と思っている芸人さんがいるけど、その人のファンかと言われれば正直全く違う。少なくともわたしは、顔が好きだからといって簡単にファンになれるタイプではない。いくら顔が好きでもそれだけをモチベーションに面白いと思えないネタをたくさん観たり、劇場に足を運んだりする気にはなれないし、やっぱりその人が提供するエンタメそのものを楽しめない状態では応援したいとはならない。


本当にあくまでもわたしの場合に過ぎないけど、自分の中の一定のラインを超えるまで好きになって、その気持ちを自分で認めてしまったらその後はもう「こういうところが好き」とか一言で言えるほど簡単なことではなくなってしまう。恋じゃないんだけど、似てるなとは思う。ある意味宗教かなとも思う。もう「わたしは彼が(彼らが)好き」と認識したときから、どんどんどんどん「すべてが好き」になり、そうなるともう口を開けば「何をしていてもかっこいい、かわいい、大好き!」みたいなことになってしまうのである。別に顔が整ってなくても、その人の姿が、一挙手一投足が、わたしにとっては世界一可愛かったり宇宙一かっこよかったりする。


だんだん細かくどこが好きとか言わなくなっちゃって、SNSに雑な「かっこいい」「好き」だけをつぶやいたりするけど、本当はたくさんの好きなところがあって、めちゃくちゃ愛していて、心から応援している。

その中のひとつとして顔も好きだし、素敵に撮れてる写真を見たときは嬉しくなる。そりゃ好きな人なんだから当たり前だろ、とも思う。

仮にあんまりかっこいいわけじゃなくても、好きな人の顔は「好き」ではあるし、何より、わたしがいつも心揺さぶられてるその人の表情はその顔でしかつくれない表情で、好きな人の「大好きなところ」のひとつだと、思う。


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