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ワンコインで文楽に触れる

昔から舞台を観るのが好きで、初めて観た舞台は劇団四季の「アイーダ」だった。わからないなりにも、冒頭と最後のシーンが今でも記憶に焼き付いている。

関ジャニ∞を好きになってからは、メンバー出演の舞台はもちろん、同事務所の気になるタレントが出ている舞台も積極的に観に行っていた。

あとは祖母の希望で家族総出で歌舞伎を観に行ったりもした。この時だって内容はそこまでわかっていなかった。ただ伝統芸能を生で観るというのは、贅沢な体験だ。

なので舞台には馴染みがあったし、そして伝統芸能というものに興味があった。ただどこのコンテンツでもそうだけど、見知らぬ世界に足を踏み入れるのはなかなかハードルが高い。

特段知識があったほうが楽しいのはもちろんである。でもわからなくてもまず体験してみるというのは大事だと改めて思う。(もちろん最低限のマナーは学んでからいこうね)

そんなアラサーが文楽を初めて観てきたレポです。

Instagramの広告ってすごい

リールやよく見ているものを元に出てくる広告の精度が一番高いのは、Instagramだと思っている。アカウントによって用途を分けているが、Xと違って混ざることもなく変な広告も少ないし(悪口)

そんな中で流れてきた『ワンコイン文楽』の広告には、思わず手が止まった。

親しみ持てるデザインがまた良い

ワンコインとかいいつつ、なんだかんだ込みで払わされるんだろうな〜とあまり期待はしないままに、サイトへアクセスした。

本当にワンコインでした。

まずはざざっと参加条件と当日の流れを。(公式ホームページから持ってきてます)

参加条件
・近畿在住、在学、在勤の15歳~35歳の方
または、近畿圏にある大学や専門学校に
通っている学生
・お一人からでも申し込み可能。
※何度でも参加可能※

当日の流れ
①開演時刻の約1時間前に国立文楽劇場(大阪・日本橋)に集合・受付。
集合場所は国立文楽劇場1F通用口(劇場西側)
②受付の際に、参加費500円を支払い。
ご希望の方には、公演パンフレットやイヤホンガイドに利用できる割引券を受付時にお渡し。
③別室で30分間のレクチャーがあり。
④レクチャーの後は客席へ移動し、文楽を観劇。
⑤終演後はそのまま解散。
別途メールにてwebアンケートが送られてくる。

いやお得すぎんか?

まじで500円ポッキリで文楽が観られるだけでなく、演者の方直々にレクチャーいただく。そんな機会ないぞ。。。

人数が規定に満たなかったり、逆に埋まっている時は予約は不可。
あと無断キャンセルは以後一切参加できなくなるので行けなくなったら絶対に連絡しようね!

服装や当日の模様

服装:舞台観賞する時は綺麗めなものを心がけてます。基本近くの座席の人に迷惑かからなければなんでもいいとは思うけど、個人的にジーパンサンダルよりも襟付きのシャツとかセットアップ着る方が、今から芸術に触れるぞ〜!という心構えができるから好き。

アクセス:国立文楽劇場の最寄駅は日本橋駅。
なんば駅からは徒歩10分なので、歩ける人は徒歩ルートもあり。
日本橋駅からまっすぐ歩いて左側見てたら劇場はすぐに見つけられます。

受付〜事前レクチャー:西側通用口にてワンコイン文楽の受付を済ませる。(本人確認書が必要なので忘れずに)
チケットが売ってる中央入口では受付はできないので注意。

受付後は別室にて30分程度のレクチャーあり。
これが当日観る演目に出演される方直々にレクチャーいただくという大変貴重なもの。

そもそも文楽とは?の定義から成り立ちや作中に出てくる土地はどのあたりなのか、使用機材の素材やどこからきたものであるのかなどなど、本当に文楽初心者でもわかる基本的な内容を、喋りひとつで教えていただける。
(日本で0から生まれたものではなくシルクロードを通って日本に辿り着いたものを独自にブラッシュアップしたというお話が強烈に記憶に焼きついている)

最後に本日観劇する演目のあらすじを教えていただき、レクチャーは終了。またレクチャー中の写真撮影、SNSアップ大歓迎とのこと。

当日の演目と感想

11月10日(金)第3部演目:「冥途の飛脚」
公演時間は17時45分〜20時20分まで
(三幕構成。一幕と二幕の間に15分休憩あり)
レクチャー枠で席を取っていただいていて、これが前から三列目というありがたさ。
一幕は45分、二幕は1時間、三幕は20分ぐらいの長さ。飲食は禁止なので、休憩時間に外の待合スペースで食べるのがいいかも。

「冥途の飛脚」は惚れた遊女のため預かっていたお金を手付金に使ってしまい、最後はほぼ駆け落ちのようにして2人飛び出していくお話で(超絶端折ってます)悲劇といえば悲劇なのだが、途中笑えるところもあって最後まで楽しめた。
(言えばこれからどうしよう?という不安とこの人がいれば…という期待と情が混ざった雰囲気を纏いながら幕が降りる)
事前に聴いたあらすじの解説は登場人物の名前、流れを丁寧に説明してくださったので混乱することなく観れた。

セリフはもちろん昔の口語なので耳にしただけではわかりづらいのだが、舞台上に字幕が出るスクリーンがあり、これが物語を理解するのにとても助かった。あれもっとたくさんの施設で取り入れられたらいいだろうな。。。

人形の顔つきや服装でその人形がどういう性格なのか、また立ち振る舞いで何を感じているのかがわかり、陳腐な表現だが本当に生きているように感じた。
1人の人形につき3人ほど付いているのだけど(1人メイン、あとの2人は黒子で補佐的な役割)人形が集まるシーンの時は人間も密集していて、とてもシュールな光景だった。

近畿圏在住の人間は観た方がいい

演者の方もおっしゃっていたがやはりこういった伝統芸能は、成り手も観客も新しい衆を欲している。だからこそこういった機会を設けているのだろうし、気になっている方はぜひ参加してほしい。

ちなみにレクチャーに来ていた方は女性9割男性1割で、年齢層は学生から社会人まで幅広い。
普通に観ればチケット5500円の文楽。(それでも舞台のジャンルの中ではだいぶお手頃な価格だと思う……)

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