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女の子だから浪人はしなくていいよ

「女の子だし浪人はしなくていいんじゃない」

ずっと前から、いつから言われていたか覚えていないほど前から、母がよく言っていた。
私と姉についても、他の身の回りの女の子たちについても。

リベラルな価値観の家庭で育ったと自分では思っているつもりだけど、この言葉だけは今思えばあまりリベラルじゃないような感じがする。

何で女の子だと浪人しなくていいんだろう。高学歴でなくても困らないから?早く社会に出た方が若いうちに結婚できるから?出産までに働ける年数が長くなるから?

言われ始めたのがあまりにも昔だったので何の反発もなく自然に受け入れていたが、今になって考えてみると全然理由がわからない。私がどのくらい自然にこれを受け入れていたかというと、高2や高3の時に学校で友達と浪人するかしないかという話になったときに「女の子だし浪人はしないかな」と言い放ったくらいだ。もちろん周りには第一志望に受からなかったら一浪はするという女の子もたくさんいた。

一方で両親が娘たち(私は姉との2人姉妹)の進学先に過剰に期待しないタイプだったのは私の気持ちとしては助かっていた。「そんなに必死に受験勉強しなくても、ピアノとか楽しいこと続けながらできる範囲で勉強して、それで受かる範囲の大学に行ったらいいんじゃない」と高3の春に言われたくらいだ。

「絶対◯◯大学に受からなくちゃダメよ」なんて言われて育ったら確実に受験にたどり着く前に精神が参るタイプなので、両親のおおらかな姿勢はとても助かった。

しかし。これは私が「女の子だから」だったのだろうか。もし息子だったら両親がもう少し学歴に期待して育てただろうか。分からない。私は学歴に対してうるさく言わない両親しか知らないから、たとえ息子でも両親は同じままのような気もする。

「女の子だから」期待されすぎなくて助かった。でも、「女の子だから」の刷り込みは強力だ。

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