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焦ると逆に急げなくなる話


今学期の演技の授業のワークの一つに、「自分がなくし物を探しているところを再現する」というワークがあった。ワークの狙いはキャラクター自身は結末(どこで最終的にその探しものが見つかるのか)を知らないが、役者自身は結末を知ってしまっているというジレンマを解決することだった。

一人ずつみんなの前で演じて見せたのだが、クラスメイトの大半(ほぼ全員だったかもしれない)の探し方が自分と違うことに驚いた。
みんなガサガサするのだ。ガサガサ。(説明が下手すぎてうける)

ほとんどの生徒が焦れば焦るほど乱雑に動き回った。探せば探すほど探し方は乱雑になり、カバンの中身を思い切りひっくり返したり、プリントの束をザバッと広げたり、とにかく大きく速く動くようになる。

いやザバザバしたら見逃しやすくなるやん。新しくまた違うもの埋もれたり無くしたりしそうやん。

私の探し方は焦れば焦るほどゆっくりだった。異常にゆっくりだ。あるかもと思ったが入ってなかったジップロックのことを、「本当に入ってないの?」と自分に問いかけながら5秒くらい見つめたりする。明らかにお目当てのものが入っていない透明のジップロックを。
ものを動かす時も異常に慎重になる。カバンの中身をひっくり返すなんて怖くてできない。

このことは私が数年前から自覚している自分の癖を思い出させた。
「焦ると却って急げなくなる」のだ。探し物の時もそうだけど、特に日々感じていたのは遅刻しそうになりながら家で出かける準備をしている時。

出かける準備をする時の自分が少し神経質すぎるのは自覚している。忘れ物恐怖症はもう染み付いた癖みたいなもので、出かける時にいつも持っていく基本の貴重品類を指差し確認するための自作の語呂合わせを毎回唱えているくらいだ。

焦るのがとにかく嫌いなのかもしれない。授業に遅れそうな時、友達との待ち合わせに遅れそうな時、焦ったまま急いで家を飛び出すってことができない。そんなことしたら絶対いろんなものを忘れるに違いないと思っているからだろうか。焦りそうになった時こそゆっくり何度も荷物を確認したり、絶対必要ではないかもしれないくらいのものをわざわざ取りに行ったりする。

焦りそうになると一旦思考と動きを止める。意識的にそうして落ち着こうとしているというより、たぶん無意識でやってる。

こうして今日も授業に待ち合わせに微遅刻するのであった。。。



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