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子離れの本当の意味〜さよならマエストロ ドラマレビュー〜

 いつも全部ではないが、なるべくシーズンごとのドラマは見るようにしている。時代に寄り添った最先端の考え方、文化、ファッションを知ることができるからだ。今期のドラマの中で、あまり期待していなかったのに、本当に色々なことを考えさせられたドラマが、芦田愛菜さんと西島秀俊さんの出ている”さよならマエストロ”だ。私の考えだが、主役ではないものの、私の大好きな西田敏行さんの演技力とキャラクターがかなりいい味を出し、物語全体の軸になっている気がする。
 
 物語は、割と音楽ものではありがちな、音楽を通じて壊れていた関係が修復されていく、というストーリーではあるものの、親としての子育てへの考え方がかなり色濃く語られている。芦田愛菜さん演じる響が、世界的指揮者の父、西島秀俊さん演じる夏目を酷く嫌っているのだが、今の所まだ理由がわからないので、そこまで嫌わなくてもいいのに、と思うところなのだが、実は心を通わせたがっているような素振りもあり、いじらしくて続きが気になっていた。
夏目自身も何らかの理由で指揮者からは離れて、海外で音大の職員をしていたのが、離婚寸前の妻から、子供2人の面倒を見てと頼まれ帰国して、色々あり、地元のオーケストラの指揮を任され、そこでオーケストラのメンバーとも心を通わせいくところもとても感動的だった。

 そんな感じで終わるのかな、と思っていた、前回。舞台は夏目の実家になり、高校以来30年も絶縁状態の柄本明さん演じる父親に会うことになる。出身高校の吹奏楽部の1日指揮者として指導を頼まれたからだ。ここで初めて、高校まで、野球の監督をしていた父親とともに甲子園を目指して小さな頃から野球ばかりして過ごしてきたということがわかり、驚く。でも甲子園予選の直前に音楽に出会い、その情熱が消せず、実家を勘当され離れたということなのだった。野球一筋の父親は未だ許しておらず、連絡をとっていた母は、一緒に来ていたオケのメンバーと娘と息子をもてなしてくれるものの、父親が気になる様子。

 たまたま次の日、父親の監督最後の日と吹奏楽部を指導する日が重なり、試合をしている校庭にもその音楽が流れてくる。それを耳にする父親。
試合も指導も終わり、夏目が父親のいる校庭に来て、お疲れ様、と、あなたの望むような息子になれなくてごめんなさい。でも、これからもこの道で頑張っていくから見守って欲しい、ということを話すのだが、その時、父親の頭の中で、小さい頃から一緒に野球に打ち込んで泣いたり喜んだりしてきた息子との思い出がダーッと走馬灯のように流れてくる。まさに、ここで私はグッときた。そう、期待していたのだと思う。父親として、野球監督として、これからもずっと一緒に野球をして過ごしていきたいという期待。一緒に泣いて、悔しがって、喜んで、そうやって逞しく期待通りに順調に成長していく息子。でも、そうはならなかった。この期待を諦めざるを得なかった状況をどこにぶつけたらいいのか、息子しかない。でも、息子が悪いわけではないこともわかっている。という状態だったのだろうと思う。そのもどかしい状況を30年も。泣けてくる。そして、その後の答えがまた良かった!ネタバレになるから書かないが、シンプルで、でも、自分も辛いけど応援してるんだ、と強く伝わってくるようなすごいパワーを持った言葉。

 この回は他にも、高校生が周りに無理だと言われて夢を諦めてしまいそうになっているのを、夏目の素晴らしい講演で奮い立たせたりもする、号泣ポイントが満載だった。私は2回見て2回とも号泣!

 私も子育て中だけど、期待というのはついしてしまうもので、ほぼ無意識なので、それをしないというのはなかなかできないことだと思う。つい子供に言いすぎたり、先回りして世話を焼いてしまうのは、まさに、”期待”しているからなんだろうな、とこのドラマを見て思った。子離れとは”期待”を捨てること、これに違いない。そして、親のこうして欲しい、こうなって欲しい、という期待を捨てて、本当に子供の好きなようにやっていい!と覚悟を決めることをなるべく早くできると、子供も自立が早くなるはず。
全国のお母様、お父様、一緒に頑張りましょう!

 

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