マガジンのカバー画像

記憶の記録

20
記憶は不確かで不明瞭だ。 どんなに印象的な記憶もいつしか忘れてしまう、変容してしまう。 その頼りない記憶を留めておくために、その時の心を忘れてしまわないように。
運営しているクリエイター

記事一覧

固定された記事

コンプレックスだらけの女がサロンモデルをした。

 心の底から胸を張れなかった。  他者からの評価が全てであった。  お前はダメな人間だと…

あの日、満員電車で思いやりを捨てた

平日の17時30分。すぐに満席になった札幌駅から網走駅へ向かう特急の自由席車両。運良く先頭席…

鹿児島女、北海道美唄市に移住する。

2023年5月13日。 大好きな地元鹿児島を離れ、北海道美唄市に移住した。 先日、6月13日を迎え、…

学食で出会った金髪のお兄さんが人生を変えた。

初めて髪を染めたのは、大学二年の秋。 きっかけは学食で話しかけてきた金髪のお兄さんだった…

三つ子じゃない「私」で表現する

私は、一卵性三つ子として生まれた。 一つの受精卵が細胞分裂したんだ、そりゃ、顔も背も体重…

なんだそのテレビとかいう箱は

今のデジタル社会でこんなことを言うのは時代錯誤というか、もはやジョークとして市民権を得て…

社会人一年目、はじめての仕事が一周年を迎えて思うこと

今でもしっかり覚えている。 2021年3月1日。はじめての本社で直接社長と会った日。 ガッチガチに緊張しながら向かい合ったときに出された紙。 入社1か月前。 物語をつくる企画を提案された。 イワシとわたしという会社の商品を物語ベースで伝える企画だった。 小学校時代から物語を書くのが好きで、今でも書いているという経験を社長が仕事に換えてくれた。 最初の物語を書いたあの日。 noteに投稿したあの日から、2022年3月15日に一周年を迎えた。 今回は、今の自分のこの感覚

早朝、凛と溺れる

いつも通り何回目かのアラームでのっそりと体を起こし、ぼーっと白湯を飲みながらむくんだ顔に…

なんちゃってチャイ

スティックシナモンにカルダモン、そしてクローブ。 気分でスライスした生姜も入れて煮出して…

パン屋でパンを買う

パン屋でパンを買う。 このとき、買っているものは、本当にパンなのか? 小さい頃は、魚はお…

インタビューは贅沢で苦しい私を好きにさせてくれたもの。

仕事でインタビューをすることがあった。 入社してから、度々インタビューをする機会があるの…

手帳に香りを挟む

ご縁で、香水をつくることがあった。 自分で香りをつくれるなんて思ってもいなかったから、そ…

頑張ります…!の頼りなさ

11月30日のこと。 出演しているラジオ番組のトークテーマが「2021年の新語・流行語」だった。 …

新生活半年経ってみて、空虚な羨望を抱いて生きていた。

新生活は、毎晩お気に入りの飲み物を飲みながら、映画を観たり、本を読んだり、文を書いたり。 そういう時間を作るんだと確固たる思いを持っていた。 忙しい日々の中でも自分労る時間を絶対に取るんだと。 自分が好きな空間を作るのだと。 そんな生活を送るんだと考えていた。 そうして現在、新社会人生活が半年過ぎた。 帰ったらほぼすぐベッドに突っ伏する生活。 美味しいものを食べるのは好きだが、咀嚼さえも面倒に思うこともしばしば。 買ってある茶葉や珈琲は想像していた消費スピードを素晴らし