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【書評】成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝 ― 世界一、億万長者を生んだ男 マクドナルド創業者/レイ. A. クロック著

コロナで家にいることが増えたため、この機に断捨離を決行。色々思い切って捨てていき、最後は積ん読(つんどく)状態になっていた何十冊もの本に着手。処分する前にいくつか読んでみて、この本が面白かったのでアウトプットします。

世界中で愛されているマクドナルドは、一人の男のひらめきから始まった。

ミルクセーキ用のミキサーを販売するやり手のセールスマンだったレイ・クロックが、52歳の時に出会ったマクドナルド兄弟が経営するハンバーガー・レストランに魅了され、「マクドナルドの店舗を全米の主要道路に展開させる」という、ひらめきが生まれたところから物語が始まります。

事業拡大に伴う様々なトラブルや社内での派閥争い、そして、時には失恋で仕事も手につかなくなる場面もあり(レイ・クロックは当時、既婚者)、ハラハラドキドキの展開に、どんどん引き込まれていきます。

マクドナルドは創業当時から「QSC&V(品質、サービス、清潔さ、価値)」の公約を掲げており、品質を保つため作業を標準化し、クルーを始めとする社員教育に力を入れ、すばやくおいしい商品を提供するために、パンの改良を重ねたりお肉の重さを定めたりと、基本原則を守ってきたそうです。

基本に忠実だからこそ、どの店舗にいってもすぐに商品が出てくるし、いつも同じ味のハンバーガーやポテトが食べられる。当たり前に思えるかもしれないけれど、これって本当に凄いことだと思います。だからこそ、世界中に広がり愛されている。「こうした基本的なルールが成功を約束する」とレイ・クロックが文中で語っており、成功するには他との差別化も必要だと思いますが、何より基本が大切なんだと実感しました。

この本は成功するためのノウハウだけではなく、レイ・クロックの生い立ちから晩年までが事細かく書かれており、ひとりの人生の映画を見ているような感じでした。(実際に映画化もされています。)何より驚いたのは52歳で事業を始めたこと!マクドナルド兄弟から権利を買い取ったとは言え、体力的にも精神的にも衰えを感じる始めるこの歳で、普通は起業しようとは思わないのではないでしょうか。フランチャイズ化によって事業を拡大し、多くの雇用を生み出し、晩年は寄付や慈善事業を熱心に行ったり、球団を買収したりと、精力的に活動しながら、最後までマクドナルドに人生を捧げた男。

まさにアメリカン・ドリームと言える、壮大で素晴らしい物語でした。

読後の感想

面白かった!読んでよかった!
読み始める前は、レイ・クロックは雲の上の存在でしたが、読み終えた後にはとても親しみを感じ、彼の生き方や人生観に胸が熱くなりました。私も歳を重ねても人生を諦めず、夢と希望を持って生きていきたい、と強く思いました。また、マクドナルドはもともと好きでしたが、もっと好きになりました!

<余談>
ひとつだけモヤっとしたのが、本のタイトル「成功はゴミ箱の中に」。どんな秘密が隠されてるんだろう(ワクワク)と思って読み進めましたが、このことに触れられてるのはたった数行で話の核心ではなかったので、ガッカリでした。ただ、本を面白く見せるための編集者やコピーライターの技術力の高さに関心しました。

また、本の最後に日本を代表する成功者であるユニクロの柳井正さんとソフトバンクの孫正義さんの豪華な対談が収録されており、スペシャル感満載です。興味のある方はぜひ、読んでみてください!



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