『ら』いふ いず すとれんじ〜人生の話〜

 人生というものは思い通りいかないようで、望み通りに事が転んだり、結果としてある地点にたどり着いたり、全てを失ったりする。人生、マジで何もわからん。一個も理解できていないまま無駄に歳を重ねている。そのくせして人生の終わらせ方だけは思いつくから困ったものである。「今このバカみたいに首曲げてスマホいじくってるマヌケを蹴り落としたらさぞ大変なことになるのだろうな」とか帰りの駅のホームで週3は思っている。もうコイツは電車に乗らないほうがいい。

 そんな具合の日常を送るし、飯のクオリティは日に日にディストピアに近づくし、人生の選択をことごとく外すしで一刻もさよなら人類といたしたいところだが、こういう時に限って変な方向からアメが飛んでくるのでなんとかギリギリ生きる方向にハンドルを傾け続けている。もっと甘やかしてくれ。

 人生の奇妙さは己のみにあらず。色んな人が上手くいったり、しくじったり、調子づいてはそこからプッツリと聞かなくなったり、死んだりする。いやぁ本当に人生はままならない。少し前に顔を出した友人の結婚式後の酒の席で、後ろ暗い話を2、3小耳に挟んだが話した本人らは気にしてるんだか気にしてないんだかという感じであった。対岸の火事はエンタメとしちゃ酒のすすむものだが、かといって友人が減るのは困るので本当にどうしようもなくなる前に一声かけてほしいものである。金以外なら出す。

 青い芝生の隣人も案外、上手くいってるようで行ってないのかもしれない。としみじみ思う。そらネットの二束三文のカス広告もあたかも全て成功した人間像を描くわけだ。だって、そんなものは存在しないから。誰もが完全なる成功を求めてるとすれば、そら幅広く広告バラ撒いてるわけである。あほらし。

 人生、上手くいかないから面白い。とは言わない。誰だって上手くいったほうが面白いし、下手くそズタボロボンボンな人生を送ろうものならこの世の全てを恨むだろう。ただまぁ、地べたを這いずり回っていたと思ったらいつの間にかちょっと立ってたり、快速急行に乗れたと思ったら次が終点だったりするのが人生のようなので、見切りをつけるにはまだちょっと早いんじゃねぇかな。と思ったり。

 いやでもホントに上手くいかねぇな、人生。人生の長さだけが無駄に伸びていく。