少女前線(ドールズフロントライン)の今。

こんにちは。

さて、今回のお話は私が大陸版でのリリース初期から応援しており、日本版もリリースされている少女前線というソーシャルゲームのお話です。ネタバレ全開です。

・少女前線/ドルフロって?

まず、簡単にご説明すると2016年に中国・台湾でリリースされた、MICA TeamおよびSunborn社が製作している武器の擬人化キャラクターゲーム、戦略シミュレーションゲームのIPの総称です。著作権の関係で日本でのみドールズフロントラインという名前ですが本来は少女前線、およびGirls Frontlineです。擬人化の文化は日本で言うところの艦これ(DMM)から影響を強く受けているようで、あちらはWW1~WW2期の艦船の擬人化ですが、こちらは近代~現代の銃器の擬人化となっております。現在は中国・台湾・韓国・北米・日本で展開されており、日本では2021年度冬アニメにて深夜アニメも放送されています。競合他社に『アズールレーン』『アークナイツ』『雀魂』などのYoster社、『原神』『崩壊3rd』などのMihoYo社があげられます。

・少女前線の今。

早速本題で、これは分からない人は分からないままだと思うのですが、続けてお話をさせてもらうと、ソーシャルゲームというのはどれほど人気の高いゲームでも5年とたてば迷走が始まります。少女前線も例にもれず、迷走をしていると感じています。特にYosterのゲームであるアズールレーンなどはシナリオよりもゲーム要素が強く、アークナイツはまだ2年程度ですので比較しづらいのですが、シナリオ要素が大きいうえ戦闘が半自動の少女前線はそのストーリーの組み立てもだんだんと煩雑なものになっています。当初は鉄血対グリフィンという直線構造だったものが、パラデウスや正規軍といった多角構造に変貌し、胡蝶事件の首謀者とされるウィリアムを巡って、仲間内でも裏切りが発生したりと随分と展開が多くなっていますが肝心の主人公M4A1についての物語が終息する様子は5年たった今もありません。それどころか、OGASとの一体化によって余計にこじれているのが現状です。ストーリーはいつも多重の伏線が張られ、高い筆致で描かれた良くできた物語なのですが、ゲーム面で言うと半年に1回のストーリー進行、繰り返しの作業など艦これにもあったことですが、艦これを改良したものとして扱いながらも、いまいち流動性がないというか鈍足なゲームなのが悩みどころだったりします。

その打開策としてか、少女前線は1IPとして設立し、他方展開をするようになりました。その一つが『少女前線2』と呼ばれる10年後の物語をベースにした3Dゲームなどですが、そもそも本作が完結していないのに10年後が出るというのも不思議なもので、しかしながら本作を完結させるとソーシャルゲームとしては終わりですからそうもいかないというのが実際で、苦悩が伺えます。売上高で考えても当時中国国内でアズールレーンと1位争いをしていたものも、現在はタワーディフェンスのアークナイツやオープンワールドの原神などに追い抜かれ、さらに中国ゲームの設定に多い題材として人工知能があり、それに特化したニューラルクラウドなども人気を出しています。それゆえ、少女前線IPが現代でどこまで強いかというと疑問を抱くところもあります。私はAK-12というキャラクターが傑出して好きなのでこのゲームを追いかけ続けていたりしますが、前ほどのログイン率ではなくなっています。

・日本での展開。

日本で展開するまでに時間がかかったのも敗因です。中国でのゲーム会社同士のローカライズ戦争は非常に高速かつ狡猾で、ドルフロが少女前線を名乗れないのは少女前線の名義を他の会社が日本での命名権を買収しているからです。当然そのあと参入したサンボーンは少女前線では売りだせないので苦渋の決断としてドルフロになったのです。以降、ドルフロとして定着させたい思いもあったのか、本土の展開でもDOLL'S FRONTLINE名義を併用する例を見かけます。日本では2.3年遅れで展開を取り戻しているので必然的に等間隔の展開差が空いてしまい、なかなかうまく定着できないまま客が離れてしまう例も少なくないようです。また中華ゲー全般ですがローカライズに対して日本語が不自由な場合も多いです。ストーリーを大事に思うならこの点ももう少し改良してほしいなというところです。声優さんはみな日本の方なので、キャラソンCDが出たり、ライブがあったりもしました。少女前線自体はストーリーは先も申しあげたとおりカッティングエッジなSF戦争作品でAI同士の代理戦争と人の心を問う、重厚感のあるストーリー、多元菌先生をはじめ、多くの絵師さんが参加された可愛い、カッコいいキャラクターデザインなどがあげられます。

・愛ゆえに。

厳しいことを書いていますが、これは私にとっては愛ゆえと言いたいところです。それだけ熱心に追いかけ続けた魅力的なコンテンツであるからこそ、競合するゲームに負けず戦い続けてほしい念があり、没個性にならないでいてほしいのです。今、大陸版はRPKの叛逆、AK-12の喪失という大きな転換期を迎えています。これからもストーリーは続きますがそのたびにゲームとしてもよりクリエイティブなものであってほしい、進化を止めないでほしいと思う次第です。いいニュースとしてはAN-94、AK-15のメンタルアップデートが次回実装されることでしょうか。国内でもワーナー配給でのアニメ化をしているほどです。サンボーンさんには頑張ってもらいたいですね。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?