三連休の初日。

予定していたミッションを果たすため、隣県に住む親戚のもとへ。
甥っ子に子どもが誕生したのでそのお祝いに。ついでに実家にも寄って両親の顔も見て来よう。

お天気はいまひとつだけど、久々の日帰りドライブ。
行きは夫、帰りは私が運転する予定で早めに出発。
今回は高速を使わず、のんびりいこう！ということで、お土産は、途中にあるお気に入りの店や道の駅で調達することに。年齢を重ねると、どうしてもトイレが近い。
なので休憩も兼ねて買い物も楽しめる場所がいい。（だいたい三か所は頭のメモに入れておく）

出発して一時間ほどで、まず最初の目的地へ。
和菓子と洋菓子がたくさん並ぶ店。
買い物をすると試食品が必ず付いてくる。朝九時からの開店なので、自宅からだと一番最初に立ち寄るにはちょうど良い地点にある。
お店は、いつ行っても満杯状態だが、早い時間だったら混雑は避けられるので、ゆっくり吟味もできる。

店の前の駐車場はそれでもほぼ埋まっていたが、トイレに近い場所がちょうど一台分空いていた。

ここでは豆菓子は絶対外せない。
菓子箱プラスお米大福、いちご大福などをお土産用に。会計時には試食品のパイ菓子と桜餅までいただいた。
トイレも済ませて次の目的地へ。

次は、隣県にある道の駅。
いちごを箱買いするつもり。値段も安くて甘い。昨年の今頃、ここで当たりのいちごに出会った。
地元のいちご農家さんが卸しているので、入荷時間も量もその日によってまちまち。今日は並んでるといいな。

昼前に道の駅到着。
「買い物する前にトイレを済ませた方が良いよね…」
そう言いながら、車を降りようとした時、

あれ？

ずっと肩から下げていたのに？
お尻の下敷きになってないか？
さっき、後部座席にお土産と一緒に放り込んだのか？
いやいや、そんなはずは…

バッグを探すけど見当たらない。
夫もつられてキョロキョロ、ゴソゴソ。

あっ！あそこに…忘れたかも

そう気付くまで…意外と早かった。
前にもこんな感じの騒動があったんだ。
あ〜またやってしまった…

バッグの中には財布もスマホも。
肌身離さないようにと小さめのポシェットにした。今日に限って現金も多めに入れて、いつもの仕事バッグから御守りまで外して付け替えた。
よりによって、県をまたぐまで気付かないなんて…

「袋の後ろに電話番号あるでしょ、まず連絡！」

そう言いながら、上着の内ポケットからスマホを取り出した夫。
動揺しながらも、豆菓子の後ろに表示されている番号を慌てて告げる。

呼び出し音がなる間、

そうだった！
トイレの棚にバッグを置いたんだ…

はっきり思い出した。

電話に出てくれた店員さんに一部始終を説明する。

「あっ！はい😊それなら、早い時間にお届けあってますよ。どんなバッグですか？」


バッグの色から中身の全てを説明したところ、店員さんの手元にあるのは、紛れもなく私のバッグ。
電話の向こうで、良かった良かった！という店員さんの反応に、こちらもだんだんと安堵感が広がってくるのがわかる。

落とし主だということは容易に証明できた。何より免許証や保険証も入れていたので本人確認も早い。最悪の事態は回避できたようだ。
親切な方に届けていただいて良かった。
こちらの事情を説明し、夕方まで預かっていただくことにした。私たちは、そのままミッションを続行することに。

置き去りにしたのは、これで2回目。
しかも同じバッグで同じ失敗。
初回は、遠く離れた関西の駅のトイレ。
親切な方に見つけていただいたおかげで、難を逃れた。

「一年も経ってないのに…お母さん、ちょっと気をつけた方がいいよ。」
と、神妙な面持ちの夫。

「いやいや、ホント…もう自分でも呆れるわ〜」

生後間もない赤ちゃんを抱かせてもらう頃には、すっかり気持ちも切り替わっていたが、早送りのようにチャチャっと済ませなければならなかったので、訪問先に迷惑をかけてしまった。
実家でもゆっくり話している時間はなかった。

15分も居ただろうか。

「もう、帰るんか？」

夫と一杯飲もう…と思っていた父に申し訳ないことをした。

「今回はごめんね。また来るから！」

そう言いながらも、玄関口に用意されたお米や野菜などのお土産はどっさりいただいて帰った。

閉店までにバッグを取りに行かないと！

免許証がないので、申し訳ないが帰りも夫の運転で。
お店に着いた頃には、私より夫の方が疲れ切っていた。

閉店まで、まだ充分時間があったせいか、店内はお客さんで溢れていた。レジが空いたのを待って店員さんに声を掛けた。事情を説明すると笑みを浮かべながら

「コレですね。よかったです！」

とても気さくな対応で、レジ横の棚から取り出したバッグと共に試食品まで。

バッグが戻ってきただけでも嬉しいのにさらにハッピーな気持ちに。
まずは親切に届けてくださった方に
そして優しく対応して下さったお店の方に感謝。

夫も一緒に頭を下げてくれた。

ついでに自分たち用に買って帰ろう！

やっぱりそうなるよね。

店員さんの笑顔と大繁盛している店の雰囲気にもテンションが上がる。豆菓子はもちろん、いちご大福と栗大福を買って帰った。

連休の初日にバタバタしたけど…
みんなに心配や迷惑をかけたけど…
置き去りにしたバッグのおかげで、いろんな人の優しさに触れることができた。

長時間の運転お疲れ様。
夫がいてくれたから心強かった。ミッションも無事クリアできたし。

母が持たせてくれた、かしわ飯もほんのり甘くて懐かしい味。
夫が撮ってくれた赤ちゃんとの写真にほっこり。

みんな本当にありがとう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。