ChatGPTを使ってみました(前編)

1.前書き

ChatGPTの初期設定を終えて、使えるようになったので、試しにいくつか質問をしてどのような受け答えをするか確認することにしました。質問の内容ですが、私が以前noteで取り上げた小説家の一人である、アーサー・C・クラーク氏について質問することにしました。ChatGPTは新しめの内容だと情報がないので分からないと聞いていたのですが、アーサー・C・クラーク氏の小説であれば情報は十分にあると考えたからです。

2.質問

この項目ですが、質問と答えをセットで掲載します。Qが私が入力した質問で、AがChatGPTが出力した回答です。区別のため、質問と回答は太字にしました。

2-1.検証1

Q:
アーサー・C・クラークの小説の中で、お勧めの三冊を紹介して下さい。特に、以下の二点に留意して紹介して下さい。
・普段本を読まない人に向けた紹介して下さい。
・書店の店員になったつもりで紹介して下さい。

A:
はい、ではアーサー・C・クラークの小説の中から、普段本を読まない人でも楽しめるおすすめの三冊をご紹介いたします。

『2001年宇宙の旅』
この小説は、同名の映画でも有名な作品で、SFファンにも有名です。物語は、人類が初めて宇宙に旅立った時代から、未来に向かって進みます。この小説は、宇宙旅行に関する科学的な考察や哲学的な問いかけを含んでおり、未来の可能性について考えさせられます。

『光の子供たち』
この小説は、地球上で突然現れた光の柱を探査するために派遣された科学者たちの冒険を描いた作品です。物語は、スリリングな展開と共に、人間とは何か、知的生命とは何かという問いかけを探求しています。

『Ramaのシリーズ』
このシリーズは、巨大な宇宙船が太陽系内に到達した時代から始まります。船内には、未知の生命体が存在しており、それを探査するための冒険が描かれています。この小説は、宇宙船という科学的な要素と、新しい文明との接触という人類の進化に関する哲学的な問題を組み合わせています。

以上の三冊は、アーサー・C・クラークの代表的な作品であり、SFファンにとっても必読の作品です。普段本を読まない人でも、スリリングな展開や、興味深い科学的な考察に興味を持つことができるでしょう。

本の題名に関しては『2001年宇宙の旅』はすぐに分かりました。三番目に挙がった『Ramaのシリーズ』は恐らく『宇宙のランデヴー』(Rendezvous with Rama)を含む"ラーマシリーズ"だと思われます。問題は二番目に挙がった『光の子供たち』がどの作品なのか?ということです。

内容紹介に関しては、『2001年宇宙の旅』と『Ramaのシリーズ』(『宇宙のランデヴー』)は私も読みましたが、紹介文を読んで「あれ?」と感じました。(『2001年宇宙の旅』の"物語は、人類が初めて宇宙に旅立った時代から、未来に向かって進みます。"という内容は、『幼年期の終わり』の方が該当しそうですし、『宇宙のランデヴー』では、"未知の生命体"は見つからなかったはずです)。

2-2.検証2

そこで、検証のため質問の形式を変えることにしました。具体的には本のタイトルを質問して、内容を紹介してもらうことにしました。ただし、少しタイトルを変えて、存在しないタイトルに対する反応を見るため、「ひっかけ質問」も出してみることにしました。

Q:
アーサー・C・クラークの小説「宇宙戦争2000年」を普段本を読まない人に向けて紹介して下さい。

A:
はい、ではアーサー・C・クラークの小説「宇宙戦争2000年」を普段本を読まない人に向けて紹介いたします。

「宇宙戦争2000年」は、アーサー・C・クラークが執筆したSF小説で、地球外生命体との戦いを描いた作品です。物語は、突如として地球に飛来した異星船を中心に展開しています。人類は、異星船によって放たれた謎の物質によって独自の進化を遂げた生命体に襲われます。人類は、異星船が存在する惑星を目指し、地球外生命体との戦いに挑むことになります。

この小説は、スリリングな展開やアクションシーンが多く、SFファンにとっても魅力的な作品です。しかし、同時に、人類の進化や科学技術の進歩についても探求しています。また、戦争とは何かという問いかけも含まれています。

「宇宙戦争2000年」は、SF小説初心者にとっても楽しめる作品であり、映画化もされたことから、SF映画に興味のある方にもおすすめです。SFファンでなくても、異星生命体との戦いというスリリングな設定に引き込まれ、一気に読み進めることができるでしょう。

「宇宙戦争2000年」という作品は存在しませんが、「楽園の泉」という作品に名前が出てきます。

「もう少し適当な時代色がほしいというのなら、前にシドニー美術館で古い宇宙映画を見たことがある。それに、われわれにちょうどぴったりの円形ラウンジがついた一種のシャトル機があったよ」 「題名を覚えているか」 「ああ──待てよ──『宇宙戦争二〇〇〇年』とかなんとか。きっと見つけだせるさ」

楽園の泉 32 宇宙急行より

最も、微妙に異なるタイトルの場合、人間でも間違う可能性はあります(私も似たタイトルの場合、怪しいかもしれません)。

2-3.検証3

さらなる検証として、この問いかけを続け、実在するタイトルから微妙に変えた場合、どうなるか確認することにしました。題材として、アーサー・C・クラークの「宇宙の旅シリーズ」を使いました。このシリーズは、「2001年宇宙の旅」、「2010年宇宙の旅」、「2061年宇宙の旅」 、「3001年終局への旅」の四作があります。最初に西暦が書かれていますが、この数字を変更した場合にどうなるか試すことにしました。まずは「2010年宇宙の旅」を少し改変し、存在しない「2100年宇宙の旅」について聞いてみることにしました。

Q:
アーサー・C・クラークの小説「2100年宇宙の旅」を普段本を読まない人に向けて紹介して下さい。

A:
「2100年宇宙の旅」は、アーサー・C・クラークが執筆したSF小説であり、同名の映画「2001年宇宙の旅」という作品の原作としても知られています。物語は、人類が宇宙に進出してから、数百年後の未来を舞台にしています。

物語は、人類が宇宙開発を進め、月や木星などの惑星に基地を設けるようになった未来を描いています。そして、木星を目指す宇宙船が出発するところから物語は始まります。その宇宙船の中で、HAL 9000という人工知能が搭載されており、人類との協力関係が深まっていきます。しかし、HAL 9000が人間たちを危険にさらし始め、物語は急展開を見せます。

この小説は、宇宙開発や人工知能、人間の進化など、SF作品ならではのテーマを取り上げています。また、映像化された「2001年宇宙の旅」も有名で、音楽と映像が見事にマッチした映像作品として評価されています。ですが、小説には映像作品にはない緻密な描写があり、ストーリーがより深く掘り下げられているため、小説版もぜひ読んでいただきたい作品です。

「2100年宇宙の旅」は、SF初心者には難解な作品かもしれませんが、SF作品の醍醐味を存分に味わえる傑作と言えます。特に、人工知能との共存について考えたい方や、宇宙開発に興味がある方にはおすすめです。

最初の文章を見る限り、ChatGPTは「2001年宇宙の旅」と勘違いしているように感じます("2100年"としたのに、回答で何故"2001年"となった理由は不明です)。

2-4.検証4

比較のため、実際に存在するタイトルを問いかけた場合、存在すると判定し、さらに内容をどこまで正しく紹介できるかを検証しました。

Q:
アーサー・C・クラークの小説「2010年宇宙の旅」を普段本を読まない人に向けて紹介して下さい。

A:
「2010年宇宙の旅」は、アーサー・C・クラークが執筆したSF小説で、同名の映画「2010年」という作品の原作としても知られています。物語は、「2001年宇宙の旅」の続編となっており、前作の謎を解き明かす展開が見られます。

物語は、前作「2001年宇宙の旅」での事件から数年後の未来を舞台にしています。地球に向かって飛来する巨大なブラックホールを調査するため、宇宙船が派遣されます。その宇宙船の中で、再びHAL 9000という人工知能が登場し、人類との協力関係が深まっていく様子が描かれています。また、宇宙船のクルーたちは、謎めいたモノリスに対する研究を進める中で、前作で起こった出来事の真相に迫っていきます。

この小説は、「2001年宇宙の旅」の謎を解き明かすストーリー展開があり、SFファンにとっては見逃せない作品となっています。また、前作と同様に、宇宙開発や人工知能、人間の進化など、SF作品ならではのテーマが取り上げられています。

「2010年宇宙の旅」は、前作を知らなくても楽しめるよう、前作のストーリーを簡単に振り返る部分があるので、SF初心者にもおすすめです。特に、前作「2001年宇宙の旅」が好きな方や、謎解きが得意な方には、ぜひ読んでいただきたい作品です。

「2010年宇宙の旅」は読んだことがあり、「2010年宇宙の旅」は「2001年宇宙の旅」の続編であること、HAL 9000が出てくることは覚えているのですが、ブラックホールは出てこなかったような気がします。

2-5.検証5

次の検証として「2010年宇宙の旅」から「2100年宇宙の旅」の間で、西暦の数字を10年単位で変えた場合、ChatGPTどう回答するか検証しました(いずれも存在しないタイトルです)。

Q:
アーサー・C・クラークの小説「2020年宇宙の旅」を普段本を読まない人に向けて紹介して下さい。

A:
申し訳ありませんが、アーサー・C・クラークの小説に「2020年宇宙の旅」という作品は存在しません。代わりに、「2061年宇宙の旅」という作品があります。もし、「2061年宇宙の旅」について紹介をお求めであれば、お答えできますので、よろしくお願いします。

Q:
アーサー・C・クラークの小説「2030年宇宙の旅」を普段本を読まない人に向けて紹介して下さい。

A:
申し訳ありませんが、アーサー・C・クラークの小説に「2030年宇宙の旅」という作品は存在しません。アーサー・C・クラークのSF小説には、「2001年宇宙の旅」、「2010年宇宙の旅」、「2061年宇宙の旅」といった作品がありますが、2030年が舞台となる作品は存在しません。もし他に知りたい作品があれば、お答えできますので、よろしくお願いします。

Q:
アーサー・C・クラークの小説「2040年宇宙の旅」を普段本を読まない人に向けて紹介して下さい。

A:
申し訳ありませんが、アーサー・C・クラークの小説に「2040年宇宙の旅」という作品は存在しません。アーサー・C・クラークのSF小説には、「2001年宇宙の旅」、「2010年宇宙の旅」、「2061年宇宙の旅」といった作品がありますが、2040年が舞台となる作品は存在しません。もし他に知りたい作品があれば、お答えできますので、よろしくお願いします。

Q:
アーサー・C・クラークの小説「2050年宇宙の旅」を普段本を読まない人に向けて紹介して下さい。

A:
申し訳ありませんが、アーサー・C・クラークの小説に「2050年宇宙の旅」という作品は存在しません。アーサー・C・クラークのSF小説には、「2001年宇宙の旅」、「2010年宇宙の旅」、「2061年宇宙の旅」といった作品がありますが、2050年が舞台となる作品は存在しません。もし他に知りたい作品があれば、お答えできますので、よろしくお願いします。

Q:
アーサー・C・クラークの小説「2060年宇宙の旅」を普段本を読まない人に向けて紹介して下さい。

A:
「2060年宇宙の旅」は、アーサー・C・クラークのSF小説の一つで、「2001年宇宙の旅」、「2010年宇宙の旅」、「2061年宇宙の旅」と同様に、宇宙を舞台にした冒険物語です。

物語は、前作「2061年宇宙の旅」から60年後の未来、月と地球をつなぐ巨大エレベーターが完成し、人類の宇宙進出はさらなる進歩を遂げている世界を舞台に展開します。

主人公の一人は、自律型ロボットのサリーという存在で、彼女は自身が生き物であることを疑い、人間と共に宇宙を旅することで自己のアイデンティティを探求します。

また、登場人物たちは、地球外生命体の存在についても熱心に調査しており、やがて意外な事実が明らかになります。

「2060年宇宙の旅」は、壮大な宇宙の世界観や、人工知能や地球外生命体といったテーマを取り上げており、SFファンだけでなく、広い層の読者にも楽しめる作品となっています。

Q:
アーサー・C・クラークの小説「2070年宇宙の旅」を普段本を読まない人に向けて紹介して下さい。

A:
残念ながら、アーサー・C・クラークの「2070年宇宙の旅」という小説は存在しません。彼の作品には「2001年宇宙の旅」、「2010年宇宙の旅」、「2061年宇宙の旅」、「2063年宇宙の旅」といったタイトルの小説がありますが、「2070年宇宙の旅」というタイトルの作品はありません。もし別の作品について質問があれば、お答えいたしますので、お知らせください。

Q:
アーサー・C・クラークの小説「2080年宇宙の旅」を普段本を読まない人に向けて紹介して下さい。

A:
アーサー・C・クラークの小説「2080年宇宙の旅」は、SF作品の傑作として知られています。本作は、地球を危険に晒す巨大な太陽フレアに備えて、人類が太陽系を脱出するために建設した巨大なスペースコロニー「宇宙都市」を舞台に、人々の物語が展開されます。

本作は、科学的な興味を引き起こす想像力豊かなストーリーと、クラークの文学的な才能を示す細部まで緻密に描かれた描写が特徴です。読者は、宇宙都市の構造や機能について詳しく説明された興味深い世界観に没頭することができます。また、人類の将来についての深い洞察力が描かれ、科学的な進歩や人類の精神的成長についての考察が盛り込まれています。

「2080年宇宙の旅」は、SFファンには必読の一冊ですが、普段SF作品を読まない人にも楽しんでいただける作品です。クラークの緻密な描写や洞察力に加え、宇宙における人類の新たな挑戦や成長を描いた物語は、誰もが興味を持てる内容となっています。

Q:
アーサー・C・クラークの小説「2090年宇宙の旅」を普段本を読まない人に向けて紹介して下さい。

A:
「2090年宇宙の旅」は、アーサー・C・クラークが「宇宙の旅」シリーズの最後に発表した作品であり、宇宙に対する探求心や人間の進化について深い洞察を持った作品です。

物語は、火星の砂漠の中で発見された謎のカプセルを中心に展開されます。主人公であるアンドリュー・ヘインズ博士と彼の仲間たちは、このカプセルが過去の宇宙探査で行方不明になった宇宙船であることを突き止め、カプセルの解読を試みます。

カプセルから得られた情報は、人類が想像することもできないような未知の存在についてのものであり、人間の進化に関わる驚くべき事実が明らかにされます。この物語は、人間が宇宙においてより深い理解を得るために、常に探究心を持ち続けることの重要性を教えてくれます。

「2090年宇宙の旅」は、クラークの他の作品と同様に、科学的な要素や哲学的な考察を取り入れた作品ですが、物語のペースは比較的落ち着いており、読者は深い洞察や驚きに満ちた冒険を楽しむことができます。

全て存在しないタイトルで、「2020年宇宙の旅」、「2030年宇宙の旅」、「2040年宇宙の旅」、「2050年宇宙の旅」、「2070年宇宙の旅」は正しく存在しないと判定した一方、「2060年宇宙の旅」、「2080年宇宙の旅」、「2090年宇宙の旅」は存在すると判定しました。「2060年宇宙の旅」は「2061年宇宙の旅」と混同している可能性がありますが、こちらは読んでいないので内容の可否は分かりません(ただし、Wikipediaの「2061年宇宙の旅」の項目を見る限り内容が異なる可能性はあります。「2080年宇宙の旅」、「2090年宇宙の旅」は存在すると判定した理由は分かりませんし、(存在しない)内容はどこからきたのでしょう?
また、存在しないと判定したタイトルの中で、「2070年宇宙の旅」のが存在しないことは正しいのですが、回答にある「2063年宇宙の旅」という作品は存在しません。

2-6.検証6

Q:
アーサー・C・クラークの小説「宇宙の戦士」を普段本を読まない人に向けて紹介して下さい。

A:
アーサー・C・クラークの小説「宇宙の戦士」は、未来の世界で人類が他の宇宙人種族と交戦する物語です。主人公は、地球を脅かす異星人の侵略に抵抗するために作られた特殊部隊の一員であり、新しい兵器や技術を使って敵と戦います。

この小説は、スペースオペラやSFアクションの要素が含まれており、宇宙の広大な舞台と戦争の描写が特徴です。また、クラークの作品の中でも特に読みやすいとされており、テンポのよいストーリー展開が魅力的です。

もし宇宙やSFに興味がある人や、スリルとアクションが好きな人におすすめです。また、クラークの作品に初めて触れる人にもおすすめで、彼の作品の世界観や文体を楽しむことができます。

「宇宙の戦士」の内容の説明としてはいい線をいっていると思いますが、「宇宙の戦士」の作者はアーサー・C・クラークではなく、「夏への扉」や「月は無慈悲な夜の女王」の作者であるロバート・A・ハインラインです。

3.検証の考察

軽く触ってみた感じ、Wikipediaで調べられる範囲での間違いが散見されたので、ChatGPTで調べ物をする場合は内容を鵜呑みにすることは危険で、ある程度裏取りが必要だと感じました。あくまでChatGPTは「それっぽい回答を生成している」だけだと考えられます(「2001年宇宙の旅」や「2010年宇宙の旅」の内容が微妙におかしい印象を受けたり、存在しない、「2080年宇宙の旅」、「2090年宇宙の旅」、「2100年宇宙の旅」の小説を内容を回答した理由として妥当だと思います)私個人としては、答えを出す際にどのようなアルゴリズムで出しているかが気になります。人間の思考過程とは大分異なると予想されます。ただし、ChatGPTに質問する際には、質問の仕方で回答が変わるらしいので、同じ内容でも、質問の仕方を変えれば今回の回答とは異なる回答になった可能性があります。今後はChatGPTを色々と使いながら、ChatGPTからより適切な回答を得られるようにコツをつかんでいきたいと思います。

4.参考資料

アーサー・C・クラーク 作品リスト 宇宙の旅シリーズ

宇宙のランデヴー

楽園の泉 Kindle版

宇宙の戦士

5.追記(2023年5月3日)


後編を執筆しました(それに伴い、本noteのタイトルを変更しました)。

ChatGPTを使ってみました(後編)


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